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2002年03月28日

父親と息子の戯れ

「よーし茂、いーか、このタイミングでクルンと、クルンと!」
「えいっ、えいっ・・・あぁん・・うまくいかないよ父さんっ」
「えええい、茂。もう一回だ!!」
「えーん・・・」

まったくうちの息子は出来がわるい。私は山本源三郎、息子は浅田茂。なんで苗字がちがうかってそう、それは茂が私の本当の息子ではないからだ。

妻の清美と出会って結婚をしたは良いものの、「実は私子供がいるの」と入籍を済ませた後で告白されたときは、さすがに驚いた。「なんで先に言わなかったんだ」と言ったところ「子供がいたらあなたの愛は変わっていたの?」ときたからたまったものではない・・・。
やはり、実の息子ではない茂のことを私は本心では愛せない。これは仕方の無いことではあるまいか?やはり、自分が設けたのではない子供というのを愛せないのが父親の心情である。というよりも、邪魔だと思っているし、あわよくば死んでほしいとすら思うようになっている。

さきほどから茂に何を教えているかと言うと

「頑張れば首は一回転して、みんなを驚かせることができる」

と、茂をだまして練習させているところなのだ。うまく行けば『父と息子の戯れが招いた悲劇』として、茂を事故とみせかけ殺してしまえるかもしれない。そんな出来心からわたしはよくこうした罠を息子にしかける。

「鼻の穴に鉛筆をつっこんで、2階から飛び降りる遊びを父さんと一緒にやろう」

というのを教え込もうとしたときはさすがに茂から「父さん・・・僕を死なせたいの?」という冷ややかな質問をされたものだ。他にも

「全力疾走でコンクリートの壁に突進する遊び」
「中国雑技団のものまねを練習なしでいきなりやる遊び」
「暴走族に『てめえら、まじうぜえんだよおおお』と叫ぶ遊び」

などなど、あらゆる生命を危険にさらす事を「遊び」と称して教え込もうとしたのだが、これまでのところなかなか茂を納得させるにはいたっておらず、今こうして首を折ることを遊びとして教えようとしているのだ。そんな殺意にも熱が入らずにはいられない。

えい、茂!こうだ!こう!おまえ本気で遊ぼうとしていないんじゃないのか?一生懸命遊べない子はお父さん嫌いだぞ!こう!ぐるんと!!ぐるんと!!!えい!茂!せーのっ!!!!ぐるんっっ・・・・・・・

グキ・・・・。

「父さ~~ん!」

投稿者 hospital : 2002年03月28日 11:30