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2002年03月28日

みゆき

「ねえ、今からあなたのお母さんを殺すけど、よくって?」

俺の恋人、みゆきはとにかくわがままな女だ。
むかしから両親に玉のように可愛がられたせいか、自分の意見が通らないと人を殺すのである。以前俺はそんなみゆきを見かねて

「おいみゆき、わがままはよせ。そんな簡単に人を殺すな」

と、注意を与えたのだが、

「わたし、悲しいわ。今日、あなたを殺さなくてはならない」

などと突然遠い目をして、地球の元気を集めだしたものだからたまったものではない。お前は孫悟空か!とつっこみそうになるも、元気玉でやられてしまってはひとたまりもないので

「たんまたんま。みゆきたんま。おれ、どうかしてた」

と謝ってしまう。普通恋人に元気玉をぶつけるかっ、というか、元気玉をなぜだせるのだろうか。
別のある日俺は彼女とスーパーで買い物をしていた。野菜の棚で彼女はたちどまると

「サイヤ?」

と、呟いた。

「いやいや、ヤサイだぞみゆき。」

という俺の一言でわれに返ったのか
「そうよね。ヤサイよね。ヤサイ・・・」
と、何か昔のことを思い出すかのようなまなざしをして、野菜という字をボーっと眺め続けていたのだ。まったくもってみゆきの考えていることがわからない。買い物を済ませ、駐車場で立ち止まったかと思うと。やにわに

「サイヤ、、、サイヤ、、、カイヤ?」
「なんでやねん!!!!」

まるで夫婦漫才だ。「なんで片言なのだ」と、胸中思いながらも、みゆきを怒らせると大変なことになるため、黙っていた。

「あなたはポルポト派。私はカメハメ派」
だからなんだ。

「クリリン。腹減ったぞぉ」
俺はクリリンではない。誰だお前は。

「ボーリングのボールって、わたし運命感じる。」
どんな運命だ。

まったくもって奇天烈なみゆきなのであった。

投稿者 hospital : 2002年03月28日 11:33