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2002年04月28日

朝起きると

朝、妹と同居しているアパートの寝室の中で、俺はカーテンの隙間からこぼれる太陽の光に目が覚め、顔を洗いに洗面台の前に立つと、鏡にタモリがうつっていた。
「・・・・。」
どうしたことだ。鏡の向こうにタモリがいる・・・。

そのタモリに俺は微笑んだ、するとそのタモリも同時に微笑むのだ。どうやら鏡の中のタモリは俺のさる真似をしようとしているらしい。すかさず、左手を上げるそぶりをみせて、実はあげないなど巧妙なフェイントをかけたり、後ろを振り向いたと思いきやすかさずまた鏡のほうへ向くなどしていたのだが、一向にタモリは俺のさるまねを巧妙に、細部にまでこだわり、完全につづけている。こちらもだんだんとやきもきしてきて、いろいろな方法を試そうとしてみた。

「小道具は用意できまい・・・」

そう思った俺は、以前仮装パーティーに使用した乳首の部分だけが丸く穴のあいている全身タイツをタンスから持ち出して着た。これならあのタモリも真似はできまい。そして俺は再び洗面台の鏡の前へ戻った・・・。
するとそこには乳首の部分だけが丸く穴のあいている全身タイツを着たタモリがいるではないか。どうしたことだ、俺はまだ夢をみているんじゃないか・・・。頬をつねる猿真似までタモリはしている。

「・・・・俺ってタモリになったんじゃないか?」

その時点でようやく俺は気づいた。

「俺はタモリになってしまったんだ。なんてことだ。今日は営業部会があるというのに、こんな姿ではみんなに心配されてしまう・・・」

そのとき突然俺のアパートの玄関をがちゃりと音を立ててあける気配がした。きっと妹のよしえだろう・・・。またよしえのやつ午前様だ・・・。そんなことはしかしどうでもよい。どうしようこんな姿では俺と気づいてはくれないんじゃないか・・・。いや、俺だと、はっきりとよしえに打ち明けよう・・・。俺はタモリじゃない。俺なんだ。

「よしえ!俺のことがわかるか???兄さんだ。お前の兄さんなんだ!」
「そーですねー」
「よ、よしえ??どーした?」
「そーですねー」
「今日はすがすがしい朝だね!」
「そーですねー」

投稿者 hospital : 2002年04月28日 13:10