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2002年04月28日

うーん

彼女の腕をむんずと掴んで思い切り投げ飛ばした。
「7m24!」
歓声が上がる。私は優勝したのだ。
「おめでとうございます。感想をお聞かせください。」
「まあ、練習どおりやっただけですね。自分を出せてよかったです。」
「ずばり、勝因は?」
「うーん、応援してくれたみんなのおかげ、そしてなによりも二人のコンビネーションですね」
「おあついですね~、カップルのかがみです!」
「いやはや」

表彰式が終わり、シャワーを浴びてスタジアムを出ようとすると、木陰に血だらけのマリがいた。
「・・・いつまでこんな生活がつづくの・・・」
「・・・お前のおかげで今日も優勝だよ。どっかうまい飯でも食いにいこうぜ」
「・・わたし、つらいかも」
「7mだぜ!久々の大台だ。ほんとおまえじゃなきゃだめなんだよ!」

いつからだろう。私はマリを投げるようになっていた。
腕をむんずと掴む。次の瞬間マリのからだは空中へほおりだされる。
ひゃあ
という悲鳴とともに彼女の身体は重力から解放される。
そのとき私は身体が風を切る微細な音に耳を傾ける。
そして、遠くまでマリを投げることで周りの者たちは賞賛してくれた。
マリを投げることによってしか自分が自分ではいられない。
マリは投げられてなお、私について来てくれる。

だから私はマリをなげる。
他にとりえのない私はきっとこれからもマリを投げ続けるのであろう。
ひゃあ。
まりは叫ぶ。
空中から私の悲しみを見通したような涙を浮かべた瞳で
僕、否、僕の後ろにある虚無を見つめる・・・。

せいやっ
ひゃあ
どかっ

ワアッ!!!!・・・・・・

投稿者 hospital : 2002年04月28日 13:46