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2002年06月28日

芸能界

南野洋子は本気で悩んでいた。
最近、朝起きるとほくろの位置が変わっているのだ。
南野洋子のほくろは口の下にあり、チャームポイントである。そのほくろが移動するのである。

おとといの朝は口の右横にまで上がってきていたが、昨日の朝は鼻と口の間にまで登ってきた。
「鼻くそみたいだわ・・。」
洋子は鏡を見てそうつぶやくとその日の仕事をすべてキャンセルした。
最近はめずらしいひさしぶりの仕事だったのに。

今日の朝はほくろが消えていた。実際は鼻の中にまで移動していたのだった。
それを見つけた時の洋子はとても切ない気持ちになった。
そんな時、父から電話がかかってきた。
「洋子・・。変な事聞くけど・・ほくろ移動してないよな?」
「え?してるけど。なんで知ってるの?」
「そうか!!良かった!!今、母さんともし移動してなかったらどうしようって話し合ってた所なんだ!」
「え??どういうこと??わたしすごく困ってるのよ!!」
「いや~♪そうか~♪お前もついに移動をな~♪」
「な・なんなのよ!!」
「うん。じゃあそういうことで。またな。頑張れよ。」

こうして電話は切れて、洋子は立ち尽した。
一体なんだっていうの?

「困ってるのよ!なんでか教えてよ!」

洋子は文句を言いながらテレビをつけた。ワイドショーを見てみると
「南野洋子。ほくろが移動。」
という見出しが出ていた。そして記者にインタビューを受けている両親の姿も映っていた。
両親はうれしそうに記者の質問に答えていた。
洋子はなにがなんだかわからなかった。
こんな時、洋子はいつも何も考えないことにしている。
芸能界。理屈ではわからないことが多い。ほくろが移動しているくらいで悩んでいられない。
洋子は電話と手にとると、最近付き合いだした大江千里に電話をかけた。

「あ、大江くん?なんかね。あたし、最近、ほくろが移動するの。」
「そうなんだー。大丈夫だよ。僕なんて最近、目玉がロンぱってるし。」
「そっかー。安心したようなしないような。でも、ま!いっか!」
「うん!今度ほくろが移動する歌つくってあげるよ!」
「あはははははは!」

二人は大笑いをして電話を切った。

芸能界は意味がわからない。

投稿者 hospital : 2002年06月28日 14:28