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2002年07月28日

東京

東京に来て初めて回転寿司に入った。
中にはいるとちょうどカウンターの席が一つ空いていた。昼時でサラリーマンやOLで店内はにぎわっている。
よく見てみると、明らかにおかしいネタが回っていた。
ネタというより、皿の上におじさんが乗っていた。おじさんは白いランニングに白いブリーフ姿。
何食わぬ顔で、マグロやいくらと一緒に回っている。
他の皿より全然大きい皿の上に乗っていて、足もカウンターからはみ出していた。
昼時でOLもたくさんいたんだけど、OLもおじさんが回ってきて足がぶつかりそうになると普通によけている。
もちろん、誰もおじさんをとって食べようとはしなかった。

そのうちにおじさんは僕の前まで回ってきて、僕と目が合うと

「よっこらしょ。」

と言いながら、僕のとり皿の上に座った。おじさんは僕の目を見据えて

「食べろよ。」

と言った。僕が食べられるわけがないという身振りをすると、おじさんは「ちっ。」と舌打ちをして
またカウンターの上に戻って回り出した。
そのうちに、OLのひとりがおじさんを取って食べ始めた。
足の指のあたりからぼりぼり食べ始めたのだ。血が滴っていて、どう考えてもおかしかった。
僕は恐くなってきて、店員に聞いてみた。

「どういうことですか!血を流してますよ!」

すると店員は何食わぬ顔で言った。

「ドッキリです。」
「ドッキリって言ったって血を流してるじゃないですか!」
「でもドッキリですから。」

OLはもうおじさんの下半身を食べ終わっていた。
おじさんは「はぁはぁ・・。」と吐息を漏らしながら必死で痛みに耐えていた。

「このままじゃ死んじゃいますよ!」

僕は耐えきれなくなってそう叫んだ。しかし、誰も気にとめようとしない。
おじさんはついに顔だけになって、もう息をしていなかった。
そしておじさんはついに顔も食べられ、跡形もなくなった。一体どうなってるんだ。

すると今度は奥からおばさんが出てきて

「よっこらしょ。」

と言いながらカウンターの上に座り、回り始めた。僕は恐くなって店を出た。

東京に住んでもう4年が経つ。今までも色んなことがあったが今回はさすがに驚いた。
東京に住むには僕は気が弱すぎるのかもしれない。
でも、何かが間違っている気がする。
現代の病を初めて目の当たりにした瞬間だった。

投稿者 hospital : 2002年07月28日 14:57