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2002年07月28日

俺の代わり

その男は自己嫌悪に陥っていた。
彼には溢れんばかりの才能があるというのに。その才能はしかし、誰にも見出す事はできない。
故に、彼は思い悩んでいるのだった。
そして彼には自信がなかったのだ。

「俺の代わりなんて・・はいて捨てるほどいるよ・・・」

彼は独り、つぶやいた。

時を同じくして、とある町のとある広場。
その場所は大勢の人で賑わっていた。
すると突然、大空に大きなほうきとチリトリが現れた。
人々は騒ぎ出した。

「わああああ。なんだこの巨大なホウキは!!ホウキで掃かれるーーー」
「ぎゃああああ。捨てられるうううう」

とある町のとある広場は大変なことになっていた・・・。
彼の代わりに大勢の人がはいて捨てられていたのだった。

そんな事が起きていることなど全く知らずにその男は、なお思い悩んでいた。
ウィスキーを片手に、いつまでも沈んでいるのだった。

「俺には何ものぞみがない。俺は無力だ。きっと俺の代わりに誰かが喜んでいるだろう・・・」

時を同じくして先ほどの広場では・・・。

「わああああ、なんだか超うれしいいい」
「うわああ、でかい!でかいホウキとチリトリだああ。うれしいいい。うれしいいい。」

彼の代わりに大勢の人が喜んでいるのだった。

この能力。彼は気づいていない。
そして、彼には自信がなかったのだった。
彼にコレほどまでの能力があることは誰も知らない。

投稿者 hospital : 2002年07月28日 15:21