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2002年08月29日

ホステスな生き方

むかし昔ある所に京子というソープ嬢が住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に、京子は新宿に行きました。

お婆さんが川で洗濯をしていると、川の上流の方から大きな大きなホステスが流れてきました。
お婆さんは目線を合わさないように気をつけましたが、そのホステスはお婆さんを見つけると、川から這い上がって、
「あたい。ホステスなんです。」
と自己紹介をはじめました。
話によるとそのホステスは夫に逃げられ、腹いせにホステスになったという事でした。
話してみると気立てのいい良いホステスでした。お婆さんはそのホステスを家に連れて帰る事にしました。

その晩、ホステスと息投合したお爺さんとお婆さんは、お酒を飲んで盛りあがりました。
お爺さんが1週間前にイノシシを狩りでしとめたことを話すとホステスは
「すごい!」
と言いました。

しばらくしてソープ嬢の京子が帰ってきました。京子は仕事の後はいつも不機嫌です。
ホステスを見つけると何も言わず自分の部屋へ行ってしまいました。

お爺さん:「すまんなぁ。京子は気の強い子だから・・・・。」
ホステス:「いいんです。あたしなら大丈夫ですから。」
お爺さん:「あんたは優しいホステスじゃ。どうじゃ。一緒にここで暮らしてみないか。」
ホステス:「ありがとうございます。それでは何かお礼をさせてください。奥の部屋を借りてもいいですか?」
お爺さん:「別にいいが・・お礼なんてしてくれなくてもいいんじゃよ。」

ホステスは何も言わず奥の部屋に入っていき、
「絶対に中を覗かないでください。」
といい残して、しっかりと戸を閉めました。
その晩、奥の部屋からはカタンコトンカタンコトンという小さな音が聞こえて来ました。
次の日の朝、ホステスはやつれた顔をしていました。
お爺さんは心配になって聞きました。
「大丈夫か?何をしているか知らんがあまり無理せんようにな。」
その日の晩も同じでした。ホステスは日に日にやつれて行きました。

そんな日が1週間ほど続いたある日の事です。
お爺さんは心配になって、奥の部屋を覗いてしまったのです。

部屋の中にはスカイウォーカーとエアロバイクが置いてあって、ホステスは必死にエクササイズをしていました。
そしてお爺さんが覗いているに気付くと、ホステスは
「見ないでって言ったのに・・・・。」
と言いました。後で話を聞いてみると家においてもらうなら少しでもきれいな自分でいたいと毎日ダイエットをしていたという事でした。
「もうこれ以上この家にいる事は出来ません・・・・。」
ホステスは悲しい顔をしてそう言いました。お爺さんは必死に
「どうか出ていかないでくれ!」
と頼みましたが、ホステスは
「自分の問題ですから。」
とそっけなく言い、家を出ていきました。お爺さんは雪景色の中に消えて行くホステスに
「出ていかないでくれぇ!」
と叫びましたが、ホステスは振り返って大きな声で
「プライドの問題ですからぁ!」
と叫び、また川に飛び込み、どんぶらこどんぶらこと流されていきました。
京子はそんなホステスを見て小さなため息をつくと、その日もまた新宿へ出かけていきました。

ホステスの孤独な冒険は続く。

投稿者 hospital : 2002年08月29日 09:21