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2002年10月25日

右肩の誘惑

学校からの帰り道。遠くから小鳥が飛んできて僕の肩にとまった。
びっくりして横を向いてじろじろ眺めてみたが飛んでいこうとしない。
どういうことだろう。

まあいい。僕はそのまま歩いていくことにした。
前から看護学校の生徒らしき女性の一団が歩いてきた。
ピンク色のナース服に皆いろんな色のカーディガンを羽織っていた。
手にはでかい財布をみんな持っていた。
夕飯でも食べに行くのだろうか。
そんなことを思いながらすれ違おうとした瞬間。

ひとりのナースが僕の肩によじ登ってきた。
まず不可能でないかと僕は思った。
女性といえど大人を肩一つで担ぐことなんて到底できない。
僕はそう思った。
しかし、うまい具合にその女性は僕の肩にちょこんと座った。
右肩には小鳥。左肩にはナースだ。
驚いたが特に文句も言わなかった。

まあいい。こんなこともあってもいい。僕は自分に言い聞かせた。
そして目の前から

ダンプカーが走ってきた。

明らかに僕の肩に乗り上げようとしていた。

無理だ。死んでしまう。

僕はそんな思いをこめてダンプの運転手に上目使いでサインを送った。
しかし、運転手は気づいたのか気づかないのか僕のほうに猛スピードで走ってくる。

そして僕の肩によじ登った。

僕は血を流し道路に倒れた。
僕の血が道路に広がり小鳥も飛び立った。
ナースも小走りでさっきの集団の方に走っていってしまった。
「ごめーん♪」
「もう節子ー。なにしてんのよー。」
ナースの集団は何事もなかったかのように歩いていった。
倒れた僕を塾帰りの小学生たちがふんずけて歩いていく。

うつろな目で空を見上げるとちょうど西の空に太陽が沈もうとしていた。

いや、だんだんと太陽が大きくなり始めていた。

こうして2時間後、太陽は地球もろとも僕を飲み込んでしまった。

投稿者 hospital : 2002年10月25日 14:47