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2002年11月16日

ぶっちゃけすぎた女

何年か前のクリスマス。アタシはサトルに告白した。

「ぶっちゃけアタシ。サトルのこと微妙に好き。適当に付き合って!お願い!」

こうしてアタシとサトルの付き合いは始まった。
でも付き合って二日目からアタシ達の仲はギクシャクし始めた。

「ぶっちゃけ昨日の夜2、4回電話したんだけど、サトルでなかったよね。なんで?」
「2、4回?」
「2、4回っていうのはね。3回目の電話の時、ぶっちゃけ別にもう出なくてもいいなぁって思ってたから。だからぶっちゃけ3回目の電話は1回分にならないってこと。」
「そっか・・。」
「何してたの?」
「いや、別に。」
「ぶっちゃけ何してた?」
「ぶっちゃけ聡子と遊んでた。」
「ぶっちゃけ・・・ショック・・・。」
「ぶっちゃけ・・・ごめんな・・・。」
「ぶっちゃけ・・・許したいけど・・・付き合い始めてすぐだし・・・ぶっちゃけ・・もうちょっとスネてみる・・。」
「そっか・・・。」

こうしてアタシは『スネる』という『恋の駆け引き』に挑戦してみることにした。
急に冷たくなったアタシにサトルも気が気じゃないはずだ。

でも。。。どうもそんな気配はない。サトルはあっけらかんとしている。

「ねえサトル。ぶっちゃけアタシ恋の駆け引きしてるんだけどぉ。効果ある?」
「ぶっちゃけあんまりないよ。」
「じゃあぶっちゃけ効果出るまでもうちょっとがんばってみるよ。」
「うん。」

こうしてアタシはサトルに一切電話をかけるのをやめた。サトルは気が気じゃなくて電話をしてくるはずだ。

でも。。。サトルは一向に電話をかけて来ない。
それどころか聡子との付き合いは発展しているように見える。
アタシは気が気じゃなくなって聞いてみた。

「アタシと聡子どっちが好き?」
「もちろんお前だよ。」
「ぶっちゃけどっちが好き。」
「聡子だよ。」
「そっかぁ。じゃぁぶっちゃけ二股?」
「うん。ぶっちゃけね。」
「本命はどっちなの?」
「もちろんお前さ。」
「ぶっちゃけどっち?」
「聡子だよ。」
「ぶっちゃけ別れる?」
「うん。ぶっちゃけな。」

こうしてアタシはぶっちゃけというか、普通にフラれた。
帰り道、アタシは照れもせず大泣きしながら駅から家までの道を歩いていた。

通りすぎる小学生に

「ぶっちゃけざまぁみろ~。」

と言われた。
若いサラリーマンに

「どうしました?」

って聞かれて

「ぶっちゃけどう見える?」

って聞き返したら

「ぶっちゃけ男にフラれたように見える。」

って言われた。アタシはその男と飲みに行くことにした。
もう夜更けだ。

「ぶっちゃけ下心ある?」
「ぶっちゃけ下心しかないよ。」
「そっかぁ。ぶっちゃけ別にそれでもいいやぁ。」
「じゃあぶっちゃけそのままホテル行こうかぁ。」
「そうね。。。」

こうしてアタシは妊娠してしまい、その男と結婚することになった。
もう結婚して5年になる。

「奥さん。いい天気ですね。」

隣の山田さんの奥さんだ。天気の話と息子の自慢しかしない。

「ぶっちゃけいい天気だけど、別にわざわざ言うほどのことでもないですねぇ。」

と言い返したいところだけど、アタシは笑顔で

「そうですねぇ。」

と言い返した。夜遅く帰ってきた夫にも何も聞かない。

「お疲れ様。アタシもう寝るわね。」

とだけ言って次の日は何もなかったように

「おはよう。」

と言う。そんな生活にももう慣れた。

ぶっちゃけアタシ。


幸せじゃないみたい・・・。

投稿者 hospital : 2002年11月16日 15:06