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2002年12月10日

柔のセンチメンタル日記(ストイック)

ビビビビビビ。(電気の真似)

ズゴゴゴゴゴゴ。(机の上の携帯のバイブの真似)



柔です。
福岡国際に向け、体を絞り、精神を鍛え、
今日はストイックな日記に挑戦の柔です。

谷君との結婚が決まった。
谷君のプロポーズの言葉。

「俺の谷君になってくれ。」

彼なりに一生懸命考えたプロポーズの言葉だったみたいだけど
意味がわからなかった。


福岡国際に向けての厳しい練習と、谷君との結婚。

両立させるのは難しかった。
前回の敗戦以来、私は畳の上に立つことすらできなかった。
私は心にぽっかりあいた隙間を谷君との時間で埋めようとしていた。
谷君は私に気を使ってくれて、毎日チョコレートを持って私に会いに来てくれた。

「俺にできることは谷君だし、チョコレートだから。」

意味がわからなかった。

でも


嬉しかった。


この時、私は85キロ。YAWARAというより、デブだった。
鏡を見るのも嫌だった。
さすがにこの時、谷君も嫌だったみたい。
谷君は帰り際にこんなことを言っていた。

「48キロ級の君も好きだよ。」

彼なりに一生懸命 遠まわしにダイエットを勧めてくれたんだと思う。
私はチョコレートをかじりながら無言でうなずいた。

虚しさは消えなかった。

柔道一筋でやってきた私。畳と汗のにおいがどうしても忘れられなかった。
下品な話だけど、ベッドの中での谷君は、汗をかいた消しゴムのにおいがした。

後ろから谷君の声がした。

「大丈夫だよ。」

私の気持ちを察して谷君が言ってくれた言葉。嬉しかった。
だけど、振り返った時、谷君は

ロウソクを持っていたし、荒縄も持っていた。

谷君の暴走。私はそれに付き合うことにした。
今の私の虚しさを埋めるものはそれくらいで充分な気がしたから。
プロポーズされたのもこの頃。
私はうつろな目でそのプロポーズを受けた。

この時、私、110キロ。YAWARAというよりデブだった。

そして私はまた柔道をすることにした。

まず美容院へ行った。
私が私であるために。48キロ級の私を思い出すために。
この時、私は170キロ。YAWARAというより、デブだった。

走りこみ、走りこみ、私はまた戦い始めた。

もう私の気持ちはこの頃から違ってた。
虚しさは消え、福岡国際での復活という目標を持った充実した日々だった。

それを知らずに、セーラー服を持って遊びにくる谷君を
私はその度に、絞めた。

「Let's セーラー・・・」

谷君は嬉しそうだった。


そして、福岡国際。私は48キロ級のYAWARAに戻った。
前日の谷君からのメール。

『明日はついに本番だね。がんばってね。自分のやってきた練習を谷君。』

あいかわらず意味がわからなかった。嬉しいのかどうなのかもわからなかったけど
嬉しいの。私、嬉しいの。と自分に言い聞かせた。


そして私は勝った。私はまた世界のYAWARAに戻った。

そして、私に残ったのは谷君との結婚。

このやるせない気持ちがマリッジブルーなのかなんなのかはわからない。


私はYAWARA。

48キロ級の私を忘れない。


私として生きていくために。

投稿者 hospital : 2002年12月10日 15:17