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2003年01月03日

太るマン

何を隠そう、私は正義の味方『太るマン』だ。
日々、体重計にのり、カロリーに前向きに生きることを日課としている私は、自分が『太るマン』だということを誰にも打ち明けていない。
なぜなら、私は正義の味方『太るマン』、なによりも孤独を愛しているからだ。

いつからだろうか・・・・、『北斗の拳』の2巻あたりからだったろうか・・・。
私の心を奪ったお方がいる。一瞬にしてそのお姿は私を虜にしてしまったのだった。
その名はハート様。

「息をするのもめんどくせえよ」

すがすがしかった。
息をするのも、面倒くさいなどという科白を、一体誰が口にすることができるというだろう。
私は、その時「これだ!」と、幼いながらに直感したものだった。
小学3年生のことだった。


その時、私は90kg。息をするのも面倒だった。


それからと言うもの、私は自分の生きる道を『太るマン』だと定めた。
クラスメートから『デブ』などという、いわれの無いいじめもうけた。
デブといわれて気分がいいわけが無い、何度となく「俺は太るマンなんだよ!」と言いかけては耐えた。
私は孤独な『太るマン』なのだ、小学生風情の罵詈雑言に付き合っている暇は無い。


成人を迎えた私は時々心配に思うことがあった。
私の体を包む服がそろそろ見当たらなくなってきたのだ。
巨漢用の服や靴などがないこともない。
しかし、私は『太るマン』なのだ。もし、そんな服を着ていて自分が『太るマン』だとばれたら大変なことになる。

私は無理して、LLサイズのTシャツを『ピチT』にした。『太るマン』であることがばれるよりましだ。
我ながら涙ぐましい努力だと思う。


その時、私は0.14t。『kg』ではあらわせない浪漫を感じて欲しかった。


私は随分と容積を取ってしまうために、デパートなどの人ごみに入るとあからさまに嫌な顔をされる。
昔から正義の味方と名のつく者はこういった迫害をうけるものだ。
私も甘んじてうけようじゃないか。
他人の目などよい。自分が『太るマン』であることを誇りに生きていこうと思う。
エレベーターが私を拒否する音を聞きながら、私は決意を固めたのであった。


その時、私は0.20t。考えるのも面倒だった。

投稿者 hospital : 2003年01月03日 07:55