« 忘れ物 | メイン | 納得 »

2003年02月06日

パパと女の子

「ねえ。パパ。」

自分の娘ではない小さな女の子にたまに話しかけられることがある。

「パパ。抱っこして。」

そう言われて、知らない女の子を抱っこしてしまうこともある。


「ねえ。パパ。アタシが大きくなったら結婚してくれる?」
「ははは。いいよ。」

軽い調子で、そう言った私だったが、ふと、考えた。

この女の子は自分の娘ではない。
ということは『結婚』も不可能ではない。
よく見てみると目鼻立ちもしっかりしている。

これは美人になるぞ。

私はそう思った。
これを一般的には下心というが、私はそのことに気づき少し反省した。
まだ、小さな女の子じゃないか。バカだな。俺は。まったく俺としたことが。

「ねえ。パパ。アタシのこと好き?」
「好き。」

間髪いれずに答えてしまった。

断言できるが、男は

「好き。」と言われれば好きなる。


「パパ。」
「ん?」
「ばーか。」
「こいつー。」
「いや真面目な話。」

女の子の目が急にマジになった。

「真面目な話、パパやばいよ。」

なんなんだ。急に睨むような目でそう言った女の子に、私は恐怖を覚えた。
この時、私はこの女の子を抱っこしていたのだが、腕が震えだした。

「震えてるし。びびってんじゃん。」

一体なんなんだ。それどころかだんだん女の子は大きくなり始めた。
一回り、二回りとどんどん大きくなり始めた。
女の子らしい四頭身のまま、どんどん拡大しているのだ。

私は急いでその女の子を降ろそうと思ったが、
その子は私の首にしっかりと腕を絡み付けて動かない。
そして、その女の子は私よりもはるかに大きくなり、言った。

「パパ。私が大きくなったら結婚してくれる?」

『絶対いやだ。』と答えようとしたが、
すでに私の3倍もの大きさになった女の子に全身抱え込まれている私は、
しゃべるどころか、息をするので精一杯だった。

「ねえ。パパ。肩車して。」

そう言うと女の子は間髪いれずに私の首の上にまたがった。
私はそのまま意識を失い、二度と目を覚ますことはなかった。


「パパ。人は死んだら何になるの?」

「パパ?パパ?」

投稿者 hospital : 2003年02月06日 08:12