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2003年03月02日

ハンドパワー

朝から目がかゆくてマツゲを引っ張っていると、スルンと抜けてしまった。
特に力を入れたわけでもないのに、いとも簡単に抜けてしまったのだ。
抜けたマツゲを見てみると、そこには「まぶた」もくっ付いていた。


急いで鏡の前に行ってみると、アタシの右目のまぶたがなくなり、眼球がさらけ出されていた。
大変なことになった。
でも、よく考えてみれば、こんなことはありえない。
夢だと思って、今度はほっぺたをつねってみた。すると、

ほっぺたも取れてしまった。

まるで熱湯で温めたお餅をちぎり取るように簡単に取れてしまうのだ。
アタシは少し目がくらくらして近くにあった机に手をついた。
すると、手をついた机までもがグニャリとへこんだ。
試しに机の端を引っ張ってみると、また簡単にちぎれてしまった。

どうなってるんだろう。

アタシは怖くなって頭を抱えようとしたが、
今度は頭ごとちぎりとってしまうのではないかと気付き、慌ててやめた。
気付いて良かった。
ホッとして、胸を撫で下ろすと、胸がするんと取れてしまった。
大変だ。

アタシは慌てた。

どうしようかとうろうろと部屋の中を歩きまわっていると、
アタシが足をつく床の部分がグニャリグニャリとへこみ始めた。

絶対夢だと思い、夢から覚めようと頭をぐるぐると振ってみた。
すると、頭はグニャリと一回転した。

外へ出て空を見上げると今度は空までもグニャリと歪んだ。


アタシどうしちゃったんだろう。
アキラにはフラれたばっかりだし、お父さんは病気で入院した。
なんでアタシばっかり。

突然、アタシはふと胸の中に手を突っ込んでみようと思い立った。
胸に手を当て、少し力を入れてみると手はスルっと体の中に入っていった。
そして、中で何かをつかんで外に出した。

手につかんでいたのは黒くて重たくて見るのも嫌な醜い物だった。
アタシはそれを遠くに投げた。


それからというもの、不思議と気分が晴れて楽しい生活を送っている。

投稿者 hospital : 2003年03月02日 08:41