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2003年09月11日

最後のディスクレビュー12

枝毛だわ。

ケンジが入れてくれた紅茶は手付かずのまますっかり冷めてしまった。
ケンジはアタシに何か言おうとしている。
最近のケンジは明らかにおかしい。
何も気にせずアタシの財布から一万円札だけ抜き取っていた頃のケンジが懐かしい。

何を言われても別に構わないけど。
「別れてくれ」かもしれないし。
もしかしたらいい事なのかもしれない。

まあいいわ。

アタシ、少しケンジケンジと叫びすぎかもしれない。
もうケンジのことは書かない。

それじゃあそろそろディスクレビューに入るわ。

まず最初はマーズボルタの『ディライズド・イン・ザ・コーマトリアム』

電車の椅子って不思議だわ。
見知らぬ人とあんなに体を近づけることって電車の他にないような気がする。
道端で知らないおじさんに体を密着されたら絶対に不気味。
それなのに電車だと空いている椅子に自分から飛び込んで体を密着させる。

空いている椅子を見つけると嬉しい。
椅子は軽くくぼんでいて少し影になっている。
それはまるでケンジの胸板のようでアタシの心は自動的に


お次はリバティーンズの『リバティーンズ宣言』

ニューロックンロール世代の代表として今や飛ぶ鳥を落とす勢いのケンジ。

ううん。

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのリバティーンズ。
憂鬱な気分で会社へ向かうサラリーマンにお勧めよ。
ヘッドホーンを装着して最大音量で車両全体に音漏れさせればたまったストレスも一気に発散できるわ。


最後はホワイトストライプスの『エレファント』

ジャック&メグ・ホワイトの二人(二人ともムチムチ体系)が生み出した素晴らしいアルバム。
ジャックは強い目をして言う。

「音楽そのものよりも姿勢が大事なんだ」

アタシは姿勢も音楽もぶっちぎりで間違った方向へ進んでいる最近の長渕剛を思い出して涙が出た。


気付いた人もいるかもしれないけど今回は『ナイト(騎士)な人々』に注目してみました。
ロック新世代として今もっとも注目されている彼ら。
何も知らない顔をしてハチ切れながらも背筋を伸ばして疾走していく姿はまるで騎士のよう。
『若さ』が若くない人の前に圧倒的に立ちはだかる。
アタシだってケンジがたまに連れてくる若い女の子達を前にするとドギマギしちゃって何もできない。
でも、彼らは何も知らないから疾走できるわけじゃない。
彼らは誰よりも切実な理想を真正面から見据えている。
人が輝くのは何も若さのせいだけじゃない。
そんな当たり前のことを彼らは教えてくれる。


ケンジが憂鬱な顔をしてアタシの前に立っている。
何か決心をした顔をしている。
最近ケンジに感じていた不思議な違和感。
ケンジは何かを打ち明けようとしている。

「あのな。ちょっと聞いてほしいことがあってな」
「なによ。あらたまって」
「俺な」
「うん」

「包茎なんだ」


知ってるわ。


そんなアタシの最後のディスクレビュー。

浜田省吾の『19のままさ』
単に若作りのおっさんに見える時と、本当に19歳のように若々しく見える時がある浜田省吾。

なんでだろう。

ってあまり面識のない引っ込み思案な男との会話につまったら言ってみて。


場が和む可能性ありね。


そんな感じかな。

それじゃあまたね。

投稿者 hospital : 2003年09月11日 10:55