« Cawaii制服 | メイン | 肋骨の笛 »

2003年12月11日

ボランティアな生き方

年末の忙しい時期だというのに、小さな用事があり、私は実家へ帰った。
しかし、なにやら家の様子がおかしい。

尋ねてみると、最近、母はボランティア活動を始めたらしい。
ボランティア活動を始めただけでこうも家の雰囲気が変わるものだろうか。
どちらにしても、私は小さい頃からボランティア活動をする人間を信用できない。
いいことには違いないのだろうがどうしてもうそ臭いような気がしてしまうのだ。
母も同じように感じていると思っていた。
母にどんな心変わりがあったのだろうか。
今日はインタビュー形式でその辺の所を明らかにしてみようと思う。


●どうもこんにちは。
母:こんにちは。

●最近ボランティア活動を始めたという事ですがその辺の気持ちの変化について聞かせてもらいたいのですが。
母:気持ちの変化?

●はい。あなたは以前から自分の身くらい自分で守れという考えで生きてきたはずです。あなたのそういった姿勢とボランティア活動が私の中でうまく結びつかないのですが。
母:ああ。うん。そういうことか。そうだね。私もそう思う(笑)

●といいますと。
母:うん。なんだろ。私は今まで人に頼らないで生きてきたと思ってたのよ。実際そうだったのかもしれない。でも最近そうじゃないかもしれないって思うようになって。

●なるほど。
母:父さんが出ていったのがやっぱり大きかったと思うな。父さんは私の事愛しているものだと思い込んでたから。

●いや。父さんは母さんを愛していると思いますよ。
母:そうだといいけど。

●というよりも父さんは家を出たのですか?
母:うん。

●あの。父さんが出て行った理由について聞かせてもらえますか?
母:ちょっと長くなるけどいいかな。

●あ。はい。構いませんよ。
母:どうだろな。私がこういう仕事をやるようになって私は『ああ。アタシ今、生きてるな』っていうかそういうふうに思えるようになって。気持ちがうわっついてしまったのかもしれない。周りが見えなくなってしまったのよ。

●なるほど。もう一度聞きますけど、父さんは本当に出ていったのですか?
母:うん。本当に。理由は、そうだな。私にはわからない。ただ、私が歌手になったことをあの人はあまり良く思ってなかったんだと思う。

●『主婦』ではなく『歌手』ですか。
母:うん。そう。歌手。

●そうですか。
母:テレビに出て私は日本中の人から注目されるようになった訳で。あの人はそれで私が遠くへ行ってしまったと感じたのかもしれない。

●なるほど。わかりました。
母:父さんがいなくなってから、一人で考える時間が増えて。一人になるってこういうことなんだなって初めて考えたっていうか。私は今まで父さんのことなんにも考えてなかったんだなって気づいたの。

●それでボランティア活動を。
母:うん。そう。

●具体的にはどういった活動をしているのですか?
母:うん。特にこだわらないけど。石鹸を使ったり。ローションを使ったりしてるかもしれないし。

●新宿ですか?
母:うん。新宿。

●サラリーマンを対象に?
母:そんなことないよ。色んな年代の人が来るし。

●そうですか。ボランティアですよね?
母:うん。ボランティア。

●無料で?
母:30分で15000円。

●そうですか。
母:うん。

●歌手とボランティア活動の両立頑張ってください。
母:うん。大変だけど。自分で選んだことだしね。

●今日は貴重な時間をありがとうございました。
母:こちらこそ。ありがとう。


どうやら父さんが出ていったのは本当らしい。
母さんのやっていることは止めるべき事だと思うし、それ以前に心からやめて欲しいと思う。
ただ、インタビュー中の母さんの目は中途半端なものではなく、何かにすがるような真剣なものだった。
一日中、家で夫の帰りを待つだけの生活。母はそれをもう20年も続けてきたのだ。
今、母さんを止める事だけが良い事だとは思えないような気がした。

父さんと話し合ってからもう一度、今度は「家族会議」という形で話し合ってみたいと思う。

投稿者 hospital : 2003年12月11日 12:08