« カンボジア | メイン | 床の目 »

2004年06月23日

最後のディスクレビュー17

よいしょ。よいしょ。

腕立て伏せをしながら

かきこ。かきこ。


ふぅ。

生きてるのが


つらい。

アタシが筋力トレーニングを始めたのは、何もケンジに

「お前の二の腕を見ていると頭にくる」

といわれたからではない。

それでも、アタシはそれ以来毎日、腕立て伏せをするようにしている。

汗がフローリングの床にポタポタと落ちる。

汗と涙は同じ成分だったかしら。

どこかで聞いた豆知識が頭をよぎる。

血と汗で何かを成し遂げた人がいただろうか。

いただろうけど、あまり尊敬できない。


まあいいわ。ディスクレビューに入るわね。

まず最初はソニックユースの「ソニックナース」
永遠のインディーズバンドのような彼ら。
今や大きなセールスをあげているのに、変わらず
挑戦的で実験的で美しい音を鳴らし続けられるのは本当にすごいことだと思う。

ケンジの実験報告 1
6月22日
あいつの二の腕を「太いキモい」とけなしてから
あいつなりに反省したようで腕立て伏せを始めた。
そんなあいつの素直さが、台風前の蒸し暑い陽気と合わさって
まるで3月のそよ風のようにさわやかで
本当に蒸し暑くて、殺したくなる衝動を抑えるので精一杯だ。


お次はPJハーヴェイの「ウーハーハー」
彼女の黒髪はきっと木工用ボンドでスタイリングしているのだと思う。
うまくいえないけど。

彼女の音楽はいつも重く、太く、人をはねのけたり抱きしめたりする。
一言でいうと
「涙もかれた老いた少年性」だろうか。

自分でも意味が分からないけど、実験的にそう言ってみようと思う。

ケンジの実験報告 2
あいつの二の腕は更に太くなった。
しかも、贅肉だけの柔らかいものではなく、筋肉がついた分、余計に腹が煮える。
最近、腹筋まで始めたようだ。
下手に筋肉に興味をもたれても困る。
デミームーアのようなムキムキな体になったら
あいつのためにも息の根をシャットアウトしてやろうと考えている。


最後はウィルコの「ゴーストイズボーン」
まるでオジーオズボーンのようなタイトル通り、
今回もやさしくかわいらしい素敵なアルバム。
ウィルコは世界を変えられないけど
ドライブをする大学生の車の中の雰囲気くらいは変えられると思う。

ケンジの実験報告 3
腕立て伏せをしているあいつの背中にロウソクをたらしてみた。
一瞬ビクッとしたが、何も言わない。
素直に「何すんのよ!」と言うかと思ったがそうでないところを見ると
まんざらでもないのだろう。
背筋も鍛え始めたあいつの体は例えるならば
「あと少しでデミームーア」と言うところまできている。
一思いに息の根をチルアウトしてしまおうか。


気づいた人もいるかもしれないけど、今回は「時代な人たち」に注目してみました。
デビューからもう10年以上たっているのに、彼らのロック精神はとどまる所を知らない。
彼らはいつの時代も、時代と自分の中の衝動を同時に睨み付けてきたのだと思う。
自分の知る世界を人に伝えよう、伝えたいと願うひたむきな気持ち。
それがあるから、これまでもこれからも、彼らを包む若々しい衝動は変わらず
万華鏡のように色と形だけをしなやかに変えていくのだと思う。


近頃、腕立て伏せをしているとケンジが何やら、横でメモを取っている。
先日は背中にロウソクをたらされた。
殺したいほど頭にきたが、玄関にバナナの皮がおいてあった時、
踏まずによけて通ったら「可愛気のない女だ」とはき捨てるように言われたのを
思い出し、甘んじて耐えることにした。

どんどん筋肉がついていく。
アタシはいつの日か水野ゆう子のような体になってしまうのだろうか。
「ロックと筋トレが好きな女」
なんて、こうして書くだけで悲しくなる。
ただ、ケンジはまだ満足していないように見えるし、
次は首の筋肉でも鍛えようかと思っている。
結果は恐れないようにしよう。
願ったとおりになったことなんてないんだから。


そんなアタシの最後のディスクレビュー。

辺見えみりの「エミリー」
いつの日か、スティーブンキングの「ミザリー」と同じ地平で語られて欲しい。

そんな感じかな。

それじゃあまたね。

投稿者 hospital : 2004年06月23日 16:43