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2006年01月30日

なんだか懐かしい

外で波の音が聞こえる。
海というのはどこへでもつながっている。
だから懐かしく感じるのだろうか。

ところで、前髪がきちんと一直線にまゆ毛の上に載っている。
これはいけない。
仕事でまじめな話をしている時に、ふと自分の髪型を思い出すと、「いかん」と思う。
こんなそのへんの小学生にコケにされそうな髪型ではいかん。
そして、忙しくてなかなか美容室にいけないことが僕の顔をますます変質者にしていく。
小学校低学年のお子さんをお持ちの親は、きっと僕にご子息を近づけないことだろう。
キモいと言う言葉に僕はとても敏感である。

そんなことは、よい。
なんだか懐かしいのだ。
なにが懐かしいのだろう。
波の音か?それとも、この深夜の時間帯にいろいろと仕事以外のことに思いを馳せていることだろうか?

飛行機が好きだ。
上空に達して、目もくらむ明るさの窓の外を眺め、眼下に雲が広がり、まるで天国のような景色が好きだ。
あの明るい雲の上に誰か乗っていても不思議じゃない。
誰が乗ってたら不思議だろうか。
死んだおばあちゃんが乗っていたら、うお、と思うかもしれない。
彼女のつくるコーヒーには規則性がなかった。
昔から僕は変態といわれている。

変態って、なに?
それなら、よく僕は変態をみかける。
だいぶまえになるけれど、海岸線でマリンスポーツに興じていた時に、砂浜で全裸になっている40手前くらいの女性に遭遇した。
これはこわい。

その海岸は、やけになにかが起こる海岸で、モハマド君に会った事もある。

海ってなんで懐かしいのだろう。
海岸にはいろいろとわけの分からないものが落ちている。
どこから流れてきたものだろう。
意味のわからないものが時たま落ちている。

波の音はなぜか僕を切なくさせる。

miyamoto

投稿者 hospital : 02:33

2006年01月02日

昨年を振り返る

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
とかそういう欺瞞的な社交辞令にはもうんざりだよ。
なーにが、おめでとうだ。なーにが、よろしくだ、このやろう。
年が明けるのは当たり前だ。よろしくすんのも当たり前。
いつだってよろしくしてろよ。いつだっておめでたがってろよ。
だいたい正月だからって浮かれてんじゃねえぞ。
初詣?バーゲン?餅つき?お年玉?御節料理に飽きたらカレー?
久しぶりに会った年下の従兄弟が煙草を吸っててちょっとびっくり?
そんな従兄弟に大学はやめてヒップホップダンスの専門学校に行きたいと相談されて困惑?
答えに窮していたら疑わしげな顔でみつめられ話のわかるお兄さん的立場に危機到来?
くだらねえよ全部。
やれよ、百人一首を。ひたすらやれ。
カルタとか坊主めくりとかヤワなこといってんじゃねぞ。
ちゃんと短歌ひとつひとつを朗々と読み上げやがれってんだよ。
「はい!」って元気よく言いながら札を滑り込んで奪えよ。愛を惜しみなく奪うようにだよ。
そんでもって、ひとつひとつの句にこめられた人間の普遍的悲喜こもごも
および悠久の「もののあわれ」的美学に想いを馳せろっていうはなしよ。
年に一度くらいそういう高尚なことをしやがてってはなしよ。
さあ早く百人一首を買いに行けよ。早くしろよグズ。
コタツはいってテレビみながら雑煮とか食ってる場合じゃねえんだよ。
今年こそ彼女(彼氏)をゲットして幸せになりた~いとか白痴めいたこといってんじゃねえぞ。
今年も来年もねえんだよ。あるのは今だけ。それが禅の心だ。わかったか馬鹿。
はっきりいって、むかつくんだよ、日本の正月。
楽しそうで…。

さて、新年だから、正月だから、
と色めきたつのは全く持って醜い行為ではあるが、
それを機に昨年のことを振り返るのは悪くないことだと俺は思う。

たしか昨年の俺の抱負は「男らしく」だった。
その抱負は守られただろうか。
オーガニック製品に凝ってみたり、
肌の手入れに凝ってみたり、
環境破壊を気にしてみたり、
石鹸や洗剤の成分が気になったり、
おフランスメーカー、ロクシタンの商品に目を輝かせてみたり、
あいかわらず原色の派手な服ばかり買ってみたり、
いろんな料理を覚えてみたり、
ゲイによく間違われたり、
端からみれば、まったく男らしくなかった気がする。

しかしだ、そんなことで男らしさが決まるだろうか。
否。問題はそんなことじゃないはずだ。

最近の俺の中の男論として、
「男はいつだって心に一匹のキヨシローを飼っている(いなければいけない)」
というものがある。

正直、キヨシローが好きじゃないやつなんて男じゃない。
そんなやつとは友達になれない。
俺は常々そう思っている。

そして、好きだけではいけない。
くたびれていても、落ち込んでいても、
心のどこかにキヨシロー的感情を抱いていなければいけない。
女の子にはやさしくしなくてはいけない。
心の中でBABYと呼ばなくてはいけない。
カップルに毒づいてはいけない。
心の中で、愛しあってるかーい、と叫ばなければいけない。
上司や先公の説教にいちいち耳を貸してはいけない。
心の中で、ガタガタウルセエんだよ、バカヤロー!と叫ばなければいけない。
自転車に乗らなければいけない。
中日ドラゴンズを応援しなければいけない。
黒人ばりの声帯で歌わなければいけない。
チャボや陽水と仲良くしなくてはいけない。

それが男だ。

昨年中はいつも自分の中のキヨシローを意識して生きることができた。
つまり、俺は男らしかった。
抱負は守れた。
そういうことだ。

あと他に、俺の男論として、
「男はいつだって麻生久美子に"キミ"って呼ばれたがっている」
「男はいつだってスカーレット・ヨハンソンに鼻で笑われたがっている」
「男はいつだって上野樹里と同じクラスの同じ班になりたがっている」
等もあるのだが、これはもう説明不要だろう。
わからないやつは男じゃない。
そんなやつとは口もききたくない。
近寄らないで欲しい。
馬鹿がうつる。

今年の俺は口が悪い。

なぜなら、俺は今年からロックンローラーはやめて、
生き方としてのギャングスタラッパーを目指すことにしたからだ。
がんがんディスるぜ。気をつけろよケツの穴野郎ども。

ふと思い出したのだが、
前回書きかけのまま投げ出した50セントにまつわる噂話のことをすっかり忘れていた。
次回きちんと書きたい。

yujing

投稿者 hospital : 17:02

2006年01月01日

そして新年

年明けは小さな安旅館の一室だった。

大晦日で宴会があり、オレも行った。
中国では人に勧められたお酒は絶対に飲まなければいけないとまではいかないけど
そうした方が良いという雰囲気がある。
オレはまったく酒が飲めないのに、上機嫌でたくさん飲んでしまった。
白酒という透明の酒をたくさん飲んだ。
そもそも大勢の中に一人の日本人なので
たくさんの人が「よう、日本人」と乾杯を求めてくるのだ。
求められたら答えてあげようと、頑張ってしまった。

2時間後、俺は三人の若者に抱きかかえられて深センの夜の街を歩いていた。
街頭の光がかすんでいる。
というか、指がうごかなくなって、ETのような手の形になったまま固まっていた。
これはまずいというか、なんだか気持ち悪くなり、もう片方のETの手で強引に指を開かせた。

途中水を飲んで良くなったかと思ったらまた急激に頭が真っ白になり、
手足がしびれ、とうとう歩けなくなった。
次の瞬間、俺は病院のベッドに寝ていて、点滴をしていた。
体がぶるぶる震えて、上司の太っちょの気のいい男が点滴の針が外れないように抑えていた。
そのせいかその部分がものすごく痛くて、
「この野郎、痛いじゃないか」とおぼろげに思っていた。

医者が何度も何度も血圧を測っていた。
俺は酒をほとんど飲まないので、こういう状況は本当に初めてで
もしかしたら当たり前のことなのかもしれないけど、俺にとって大変異常なことであった。
「深センで働く27歳の若者、大晦日、中国人上司に白酒をたくさん飲まされ死亡」
という新聞の見出しがはっきりと見えた。
これはきっと靖国神社問題よりも大きな問題になるに違いないとまでは思わなかったけど、
とにかく本気で怖くなった。
医者が俺に色々聞いてくる。
答えたくないので黙っていると、別の若者が「彼は外国人だ」と医者に伝えた。
医者は「韓国人か」と尋ね、「日本人だ」と友人が答え、「そうか」と医者は納得した。
「じゃあ通訳をしてくれ」と医者は続けたが、
みんな日本語を話せないので、くすくすと笑った。
「俺が通訳しよう」と急にちょっと元気が出たような気がしたけど、
考えてみれば俺が最初から素直に答えればよかったのだと気づいた。

とにかく、しきりに血圧を測るのでほんとに怖くて、
「ダイジョブ?やばいの?」
と空ろな目で何度も聞いた。
すると、医者を含め、周りにいた5,6人の同僚が
「没問題!」
と言うので、余計に心配になった。

ああ、急性アルコール中毒で死亡というのは格好悪すぎると真剣に考えてるうちに寝てしまった。
2時間ほど点滴をして、目が覚めるともう12時だった。
かなり良くなって、「ああ死ななくてすんだ」と本当に嬉しかった。
そして、体を支えられながらさあ家に帰ろうと思った瞬間、急激にまた気持ち悪くなり、
結局、近くの旅館へ連れて行かれ、一晩そこで寝ることになった。
気持ち悪いだけで、体はしびれていなかったので、みんな安心して帰った。

12時を過ぎて、新年のメールがいくつか着て、ああ年を越えたのだとわかった。
机の上にはラーメンがあった。
気をきかせて買っておいてくれたらしい。
オレは本当に感激した。
食べ物の恨みはすごいというけど、食べ物の感謝もすごい。
中国って良い国。中国人ってすばらしい。
これをみんなに伝えたい。

そして、その昔、上野でミヤムと飲んでいた時、
バッチシ酔っ払ってフラフラなミヤムを送りもせず、上野駅で
「大丈夫?大丈夫だよね。気をつけて帰ってね」
と笑顔で見送った自分をなんとひどい人間なのかと思った。
これからはしっかり介抱しようと思う。

と、長々と書いてしまったけど、基本的に中国人は怒りやすいけれど情がすごく深くて
仲間達の関係をすごく大切にする。
お金も持ってないのに、仲間のためならどんどん使う。
「ありがとう」などと言おうものなら怒る。
「身内に礼を言うやつがあるか」というほとんど仁義の世界なのである。
そんなこんなでそれが愛国心にもつながり、靖国問題にもつながるのではないのではないかと思う。

この一年で一番思ったことは

親しき仲に礼儀はいらない。

ということだ。
いや、それはあったほうがいいでしょう、とどこかの社長も言っていたけど
本当になくていいんじゃないのかなと思った。
礼儀によって守られる物より、手に入れられない物の方が多いのではないかと思った。

いま、すごくロードオブザリングが見たい。
全部、いっぺんに見たい。
あと、一週間ほどオレは一人なのだ。
昔のようにビデオをいっぱい借りてカルピスを飲みながら映画を見たい。
誰にも邪魔されない。
電話がかかって来ようものなら、照れもせず
「ごめん、今、外なんだ」
と言う。
映画の中の主人公が外にいるなら、それを見ている俺だって外にいるのだ。

でも、嘘は良くないなと思う。

さあ。2005年は本当に良い年だった。
超クールで大切な年になった。
これから先、俺は走り続けることにした。
もう走れないような気がしていたのに、
「まだ始まってもいなかった」
とキッズリターンは思った。

みんなも良い年を。
親しき仲に礼儀はいらない。
金なら貸してくれ。

uematsu

投稿者 hospital : 17:37