2010年06月22日

ユージンだ

やあ。どうも。ひさしぶり。
とかいう軽々しい物言いはどうかと思うくらいにご無沙汰してます。
すいません。ごめんなさい。ちょっとそこ通してください。この駅で降ります。ユージンです。

なんとなくホスピタルのことが気になる今日この頃。
いやあ。俺ってば、清々しいくらいに書いてなかったな!あっぱれだな!
素晴らしい潔さだよまったく。豪気だね。男らしいね。惚れ惚れする。

えーと、みなさん、生きてますよ。
本日貴重な時間を割いて弊サイトに御アクセスしてくれたみなさん。
インターネット上にこのホームページを開設している人たちは生きてますよ。
このサイトも生きてます。Hospital is not dead. We are alive. Nancy is playing the piano.

なんか一度うっかりサイトが消滅しちゃったことがあったんすよ。間違えて。
それをさ、わざわざメールで知らせてくれた人がいてさ、嬉しかったなー。
自分の貴重な時間を犠牲にしてさ、このサイトにメールしてくれたんだよ。

まったくさー、その時間が何に使えたかってはなしよ。こんな得体の知れないファッキン野郎どものファッキンWEBサイトにファッキン使った時間でどれだけのことが出来たのかっていうことを俺は考えるわけ。

まあきいてくださいよ。
たとえばその人が若い相撲取りだったとするじゃない。相撲取りでその日はちゃんこ当番だったりするじゃない。んで、ちゃんこをぐつぐつ煮る間にさ、ふいと脇腹あたりからノートPCを取り出すとするじゃない。脇の肉の間から。んで、ヒマだからHOSPITALをのぞくわけ。そしたら、あれ?ないよ。HOSPITALなくなっちゃったよ。読みかけのがあったのに。なんか日本人キャリアウーマンが仕事で知り合ったカモノハシと恋に落ちてオーストラリアに嫁ぐって話。あれどうなったの?彼女の国際結婚の行方は?姑との確執は?言語の障壁は?川での生活は?卵は産めるの?って具合に気になるわけですよね。(そんな散文ないですけどね)。そいで、こいつはいかんと我々にメールしようとしたそのとき、そこへ部屋の女将さんが通りかかるわけ。「ちょいと、あんた何してんのよ。ちゃんこ作ってる最中に、UQ WiMAXで高速インターネット通信とはいい度胸だわね。」若い相撲取りはこの女将が大嫌い。テレビや雑誌の取材には、若い衆のおふくろがわりです、とかなんとか言っちゃって、その実は、ヒステリックにキーキー喚くだけの鬼姑状態。うるせえばばあ、と心の中で毒づきながら、黙って女将の目を見る。「ちょっとあんた、何あたしのこと睨んでるのよ。あたいツイッターでつぶやいちゃうから!親方と兄弟子にわかるようにつぶやいちゃうんだから!みんなあたいをフォローしてんだから!そしてそれをみんながリツイートしちゃって、そのうちに郷里の親御さんにも相撲協会にもやくさんの耳にも届いちゃって」と、そのとき、騒ぐ女将に向かって張り手を一発おみまいする若い相撲取り。「じゃかましい!」さすがは世界最強格闘技であるところの相撲の張り手。あわれ、女将は即死かな。あちゃー、やりすぎた、と頭を抱える若い相撲取り。果たして、女将の死体をどうすりゃいいのか。もうすぐ親方と兄弟子が帰ってきてしまう。と、そこへ携帯電話に一通のメール。「みんなして野球賭博でへたうっちゃって、帰りが遅くなるでごんす><」と兄弟子。さらにメールがもう一通。「今日はお友達のシマでチャンネーはべらしてお酒ごっつぁんになるので遅くなるよ。女将には絶対内緒だぞ(笑)」今度は親方から。しめた、とばかりに若い相撲取り、傍らにあった包丁で女将の死体を切り刻む。そして骨は髷の中に隠し、肉は煮えたぎるちゃんこ鍋の中へ。。。その夜、部屋一同が、文字通り、おふくろの味を堪能したってわけでした。

(はっ。なにこれ)

とにかくまあ、そういういろんな事情がある中でHOSPITALのことを気にしてくれた人がいたということが書きたかった。嬉しかった。

そんなわけで、みなさんありがとう。これからもよろしく。
そろそろ何かをどうにかがんばるよ!

ユージンでした。

投稿者 hospital : 01:46

2006年04月08日

おひさしぶりです

オッホン。久しぶりの登場である。ユージンである。
あんまり久しぶりで緊張しているのである。
手が震える。顔が紅潮する。吐き気がする。睾丸と肛門の間がキューンとする。
つまり、いま日本で流行中の萌え萌えという現象である。

さて、先日、朋友ミヤムの結婚式に行ってきた。

いや、ちがう。話はそんなとこからすべきではない。
もう少し順序だてて語るべきだ。

えーと、まず、
いま俺は日本で暮らしている。
2月の初旬、JFK空港に集まった約5万人の恋人たちに別れを告げ、
俺はニューヨークを発ち、ロンドンへと渡った。
ロンドンで新しい生活を始めるために。

ロンドンでの生活は素晴らしかった。
目にうつる全てのものが目新しく、毎日が新鮮味に溢れていた。
人々は気さくで、とても優しかった。
夜の散歩の際にはいつだって近所の若者たちが、
「へい、日本人、マリワナ、コカイン、何がほしい?なんでもあるぜ。女だって都合つけてやるぜ」
などと、親切に声をかけてくれた。人情を感じた。
毎晩、盛り場で遊んだ。クラブだ。クラブでクラビングばかりしていた。
若者たちはたいへん友好的で、とある男など俺にウィンクをしたり、トイレまでついてきたり、
肩をまわしたりするなど、過剰にスキンシップを求めるのでまいった。もう少しで殴るところだった。
そんな、楽しい日々はあっという間のことであった。
本当に、信じられないほど、あっという間だった。
まったく、3日もロンドンにいたなんて!

ヒースロー空港に押し寄せた恋人たちに投げキッスを送り、俺はロンドンを発った。
行き先は成田。東京中の恋人たちが待つ場所。

東京の街はあいかわらずだった。
ゴミゴミしていた。
息苦しかった。
どいつもこいつも死んだ魚の目をしていた。
こんなところにはいられないと、俺はすぐに東京から逃げ出した。
もちろん女たちは泣いた。

俺が不在の間に、両親は山奥に越していた。
そんなところで完全無欠のシティボーイである俺が暮らせるだろうか。
不安を抱きながら東海道新幹線に乗って実家を目指した。

実家での生活は素晴らしかった。
陶芸をしたり、丘の上の見晴らしのよいケーキ屋に行ったり、
ログハウスの喫茶店に行ったり、美術館へ行ったり、図書館へ行ったり、
猫と遊んだり、近所のガキどもをいじめたり、近所の勤労な百姓たちに後ろ指をさされたりしながら、
とにかく毎日ぷらぷらしていた。

しかし、そんな生活の中で常に俺はひとつの懸念を抱いていた。

東京は、このままでいいのだろうか。

そして、ある日、俺は天啓を受けた。

俺が東京を救わなければいけない。
ロンドン経由ニューヨーク帰りのこの俺様が新しい息吹を東京に与えなければいけない!

そして俺は、すでに決まっていた大阪の会社の内定を蹴り飛ばし、再上京。
就職活動を四日で終わらせ、仕事を得た。

そして、俺はいま、東京で暮らしている。
働いてもいる。

で、ま、東京といっても郊外である。
住居も職場も。
都心はなんだか疲れちまうな、という考えと、
田舎暮らしもわりといいよね、という考えの果てに出した結論がそれだ。

ひとり暮らしには広すぎるマンションに住んでいる。
会社までは桜がきれいな遊歩道を歩く。
会社帰りにはスポーツジムへ寄る。
料理好きなので食事は自炊ばかり。広いキッチンが嬉しい。
11階なので窓からの景色が良い。晴れた日にはベランダから富士山がみえる。
週末は都心へ出る。新宿まで30分。それほど苦ではない。

悪くない。
悪くない生活である。

が、しかし、
問題がひとつある。

俺のうちにはインターネットがない。
光が開通しないんだ。
って、まったくよくわからない表現だ。
光が開通?なんだそれ。
ま、とにかくインターネットさんがまだ来ないんだ。
申し込んでもう3週間くらい経つ。
いったいどうなってるの?ぶっ殺すよ。
誰を?何を?
永遠を?太陽の溶ける海に?
長文書いて疲れちゃった。

いまネットカフェでーす。休日をネットカフェですごしてまーす。
退屈だっちゅーの。(この「だっちゅーの」ってのがいま日本ですげえ流行ってるんだぜ、植松君)
たすけてー。死ぬー。

ミヤムの結婚式のはなしである。

いや、そんなことより、こないだ花見をした。
吉祥寺で若者に人気のイノヘッド公園へ行ってきた。

いや、そんなことより、昨今のジャパニーズサラリーマンのお洒落っぷりにものもうしたい。
なんだあれ。どう

わりい、いま友達から電話があったよ。まじで。リアルタイムで。
すごいタイミング。

渋谷に行くことになったよ。

そんなわけで、途中だけどもうこのへんで。
ネットカフェ、3時間パック代も無駄になるけどもうこのへんで。
だって土曜日は遊びたいのさ。

じゃ、またね。

yujing

投稿者 hospital : 15:51

2006年01月02日

昨年を振り返る

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
とかそういう欺瞞的な社交辞令にはもうんざりだよ。
なーにが、おめでとうだ。なーにが、よろしくだ、このやろう。
年が明けるのは当たり前だ。よろしくすんのも当たり前。
いつだってよろしくしてろよ。いつだっておめでたがってろよ。
だいたい正月だからって浮かれてんじゃねえぞ。
初詣?バーゲン?餅つき?お年玉?御節料理に飽きたらカレー?
久しぶりに会った年下の従兄弟が煙草を吸っててちょっとびっくり?
そんな従兄弟に大学はやめてヒップホップダンスの専門学校に行きたいと相談されて困惑?
答えに窮していたら疑わしげな顔でみつめられ話のわかるお兄さん的立場に危機到来?
くだらねえよ全部。
やれよ、百人一首を。ひたすらやれ。
カルタとか坊主めくりとかヤワなこといってんじゃねぞ。
ちゃんと短歌ひとつひとつを朗々と読み上げやがれってんだよ。
「はい!」って元気よく言いながら札を滑り込んで奪えよ。愛を惜しみなく奪うようにだよ。
そんでもって、ひとつひとつの句にこめられた人間の普遍的悲喜こもごも
および悠久の「もののあわれ」的美学に想いを馳せろっていうはなしよ。
年に一度くらいそういう高尚なことをしやがてってはなしよ。
さあ早く百人一首を買いに行けよ。早くしろよグズ。
コタツはいってテレビみながら雑煮とか食ってる場合じゃねえんだよ。
今年こそ彼女(彼氏)をゲットして幸せになりた~いとか白痴めいたこといってんじゃねえぞ。
今年も来年もねえんだよ。あるのは今だけ。それが禅の心だ。わかったか馬鹿。
はっきりいって、むかつくんだよ、日本の正月。
楽しそうで…。

さて、新年だから、正月だから、
と色めきたつのは全く持って醜い行為ではあるが、
それを機に昨年のことを振り返るのは悪くないことだと俺は思う。

たしか昨年の俺の抱負は「男らしく」だった。
その抱負は守られただろうか。
オーガニック製品に凝ってみたり、
肌の手入れに凝ってみたり、
環境破壊を気にしてみたり、
石鹸や洗剤の成分が気になったり、
おフランスメーカー、ロクシタンの商品に目を輝かせてみたり、
あいかわらず原色の派手な服ばかり買ってみたり、
いろんな料理を覚えてみたり、
ゲイによく間違われたり、
端からみれば、まったく男らしくなかった気がする。

しかしだ、そんなことで男らしさが決まるだろうか。
否。問題はそんなことじゃないはずだ。

最近の俺の中の男論として、
「男はいつだって心に一匹のキヨシローを飼っている(いなければいけない)」
というものがある。

正直、キヨシローが好きじゃないやつなんて男じゃない。
そんなやつとは友達になれない。
俺は常々そう思っている。

そして、好きだけではいけない。
くたびれていても、落ち込んでいても、
心のどこかにキヨシロー的感情を抱いていなければいけない。
女の子にはやさしくしなくてはいけない。
心の中でBABYと呼ばなくてはいけない。
カップルに毒づいてはいけない。
心の中で、愛しあってるかーい、と叫ばなければいけない。
上司や先公の説教にいちいち耳を貸してはいけない。
心の中で、ガタガタウルセエんだよ、バカヤロー!と叫ばなければいけない。
自転車に乗らなければいけない。
中日ドラゴンズを応援しなければいけない。
黒人ばりの声帯で歌わなければいけない。
チャボや陽水と仲良くしなくてはいけない。

それが男だ。

昨年中はいつも自分の中のキヨシローを意識して生きることができた。
つまり、俺は男らしかった。
抱負は守れた。
そういうことだ。

あと他に、俺の男論として、
「男はいつだって麻生久美子に"キミ"って呼ばれたがっている」
「男はいつだってスカーレット・ヨハンソンに鼻で笑われたがっている」
「男はいつだって上野樹里と同じクラスの同じ班になりたがっている」
等もあるのだが、これはもう説明不要だろう。
わからないやつは男じゃない。
そんなやつとは口もききたくない。
近寄らないで欲しい。
馬鹿がうつる。

今年の俺は口が悪い。

なぜなら、俺は今年からロックンローラーはやめて、
生き方としてのギャングスタラッパーを目指すことにしたからだ。
がんがんディスるぜ。気をつけろよケツの穴野郎ども。

ふと思い出したのだが、
前回書きかけのまま投げ出した50セントにまつわる噂話のことをすっかり忘れていた。
次回きちんと書きたい。

yujing

投稿者 hospital : 17:02

2005年12月06日

50セントに関する噂

植松君が引用した
安藤・スーパーエキセントリックカーペンター(SEC)・忠雄の言葉に感動した。
生き方としてのロックンローラーを標榜する俺たちにとって、
実に勇気の沸く言葉じぇねえか。
あいつ、かなりのロックンローラーだぜ。
ユウヤってるよ。ウチダユウヤってる。
ユウヤさんばりにシェケナベイベってる。

そんな話は置いといて。

最近ロックンローラーの俺がヒップホップに夢中になっている。
ひょんなことから今時のヒップホップについて特集された雑誌を読んで以来、
俺はその虜になっちまった。
すごいぜ、ヒップホップ。奥が深いぜ。
だいたいですよ。出てくる用語が難解すぎて何のことだかさっぱりわからねえ。
背伸びしてドゥルーズだのフーコーだのデリダだの柄谷だの浅田のもやしメガネだのを読んでいたころを思い出しちまいました。
それでもって登場するクループ名(正しくは、ユニット名っつうんすか、ちがいますか、なんですか、なんか文句あるんですか)が俺にとって未知なる物ばかり。
これは小学生時代、中学受験のために無理矢理ぶちこまれた進学塾で、無理矢理ぶちわたされた歴史のテキストを初めてみたときのような衝撃でした。
(その後、俺は次男坊特有の甘え&癇癪を両親にぶちかまし、受験取りやめ、円満退塾。再び小学生としての黄金時代を手中におさめ、うんこだのしっこだの覚えたての性用語などを叫びながら遊び狂うのでした。めでたしめでたし)
それからですよ、クルーという名の取り巻き連中による抗争劇。
完全にそれって週間実話。朝日芸能。深作欣ニ。阿部譲二。危険な情事。(韻ふんだぜ)
やばーい。こわーい。

で、そんなヒップホップシーンで今最もホットなやつがいるわけよ。

50セント。

やばいよあれは。やばすぎるよ。あのイモゴリラ顔、もしくは、ゴリライモ顔。
そんであの筋肉。ゲキヤバ筋肉。ありえないありえないありえない。
いっとっけどね、うちのミヤモトちゃんなんかね、毎日せっせとアルファリポ酸の錠剤を飲んでですね、それでもってプールに行ってアホほどバタフライをかましてるのにですね、その筋肉ときたら、フィフティーさんの三分の一もないっすよ。肌の黒さなんてフィフティーさんの1%も満たしてないですよ。(顔は君のほうがずっと男前だよ>ミヤム)

あきらかに、この世に実在してるとは思えません。

俺は50セントの存在を信じません。
ニーチェが神の存在を否定するように、俺も50セントの存在を否定します。
(おっと、ちょっぴりインテリジェンスがほとばしっちまったぜ)

だいたいですよ。いいですかみなさん。
フィフティーさんてむかし拳銃で9発撃たれたらしいですよ。
いいですか。9発ですよ。9発。それってちょっとしたベトナム傷痍兵ですよ。
それで今の彼みてくださいよ。ぴんぴん生きてる。どこにも障害もなく。
おかしいじゃないですか。人間じゃないですよ。超人ですよあんなの。
ただし、ニーチェのいうところのものとは違う意味でですよ。(またやっちまったぜ)
ゆでたまご先生でいうところの超人ですよ。

で、俺ちょっと大変なことを小耳に挟んでしまいました。
ものっすごく大変なことですよ。50セントにまつわる超がつくほど大変なことですよ。
今日はそれをみんなに内緒で君だけに教えちゃいます。

いいですか。今から書くことは俺とあなただけの秘密にしてくださいよ。
絶対ですよ。絶対に秘密にしてくださいよ。
決して誰かに話したり、トリビアに投稿したり、
回覧板でまわしたり、学級新聞に載せたり、
2ちゃんねるにしたり顔で書き込んだり、
ミクシーの日記で得意げに披露したりしないでくださいよ。
お願いしますよ。危険ですから。命が危険ですから。
俺とあんたの命が危険ですから。

ではでは、これからお話させていただきます。
もちろん内緒話ですから、小声で話させていただきます。
まあ、小声つっても、文章だから意味ないんですけどね。
でもそういうのって、ほら、気持ちの問題だから。ね。
うん。じゃあ小声で話しますね。

…。

いやこんな日本語はおかしいわ。
文章なのに。話すって。ねえ。
いくら顔と足の長さがアメリカンだからってそりゃねえっすわ。
わりい。やりなおす。

では、ひっそり書くことにします。
ひっそりね。かく。

…。

なんか、ひっそりかく、ってちょっと卑猥ですな。
かく。ってねえ。ひっそりとかく。ってねえ。
これ、ずばり、せんずりのことかと思ってしまいますな。
正味なはなし。ね。いやもう、ぶっちゃけ。ざっくばらんにいって。
でもまあ、せんずりなんてねえ、今時の若い子はそんな言葉使わんのでしょうな。
もっとこうヤングなかんじでね、今風のヒップホップにのせていうんでしょうな。

…。

今わたし真剣に韻をふんだ下ネタを書こうとしとりましたわ。
馬鹿ですな。しかも、日常生活でめったに下ネタをやらないもんだから、
ちょっと胸がドキドキしとりますわ。ウブなんですわ。

ものっすごいだらだら書いとりますわ。
急にめんどくさくなったので、
これ、次回に持ち越しますわ。
ではまた。yujingでした。

yujing

投稿者 hospital : 07:30

2005年11月21日

また旅。

また旅をしてきた。

18世紀に建てられたオランダ移民の家をみてきた。
またである。またしてもなんである。
最近の俺は完全に古い家マニア。
どうかしてる。

今度はブロンクス。
家から1時間の場所。

駅を降りると、大きな公園があった。
公園っていうか、森があった。

その森の中をひとり歩いた。
紅葉がクソきれいだった。
落ち葉の絨毯の上を歩いた。
がさごそとクソうるさかった。

カラスがいた。
すげえたくさんのカラスが木に止まっていた。
マンハッタンにカラスはいない。
少し嬉しくなった。

子供のころよく読んだ絵本のことを思い出した。
カラスの兄弟のパン屋さんの話。
内容は全然思い出せないが、
描かれたパンがたいそう美味しそうだったのは覚えている。
それを、すごくすごく食べたかったってことも。

でもさ、今思うとさ、
カラスの作ったパンなんて食べたかたいよね。
子供のころはすごく憧れたけどさ。
きたないよ。美味そうなわけないよ。
食べないよ、今の俺はそんなもの。
愚かだね、子供は。本当に。

そんなことを考えているうちに道に迷った。
俺は、この冬はじめてのニット帽の下で、
薄ら汗をかいていた。

途中、案内看板の地図をみると、
まったく逆方向に進んでいることが判明した。
急いで戻った。森の中を走った。
閉館時間が迫っていた。

受付にはおばはんが一人いた。
5ドルを要求された。
支払いを済ます。
レシートをもらう。
それから、おばはんは俺に、学生かときいた。
そうだと答えると、早く言えと叱られた。
5ドルが3ドルになった。

今回はガイドがなかった。
かわりに、ぺろっぺろのきたねえ手作りガイドブックを渡された。
見終わったら返すようにと言われた。

それを眺めながら、部屋をまわった。
客は俺だけ。とても静かだった。

3階建ての広くて良い家だった。
家具がかやけにわいかった。
オレンジとブルーに塗られたすごくポップな食器棚があった。
その色の組み合わせから、
ははん、さては、家主はヤンキースでなく、メッツファンだな。
あるいは、NBAのニックスファン。
さすがブロンクス。さすがニューヨーク。
などというノータリンなことは決して思わなかった。
なにせ18世紀である。
野球もバスケもなかった時代。
ジョーダンもオニールもクロマティもブーマーいなかった時代。
黒人のスター選手なんているわけがなかった時代。
黒人たちは、奴隷制の中で生きていた。
そんな時代が、かつてあった。
非道な人身売買の末に、生まれた土地を離れ、
無理矢理この地に連れられてきた黒人たち。
主人のムチに怯えながら、綿花畑でせっせと働き、
粗末な飯を食い、質素な部屋で暮らしていた。
そんな日々の悲哀を黒人たちは歌に託した。
DJが作り出すご機嫌なブレイクビーツに乗せて、
語りかけるように、彼らは歌った。
ライムを踏み、思いのたけをリリックにこめた。
暗喩的に白人をディスることで、日々の鬱憤を晴らした。
寒い冬の夜には、ブレイクダンスをまじえて暖をとることもあった。
それをみつけたカーペンターズとサイモン&ガーファンクル好きの野暮な白人領主に
騒がしいとムチで打たれることもあった。
隙間風漏れる、奴隷部屋の殺風景な壁には、
色とりどりのスプレーで思い思いの夢を描いた。
それをみつけたラッセンとヒロ・ヤマガタ好きの野暮な白人領主に
落書きするなとムチで打たれることもあった。
それでも彼らはめげなかった。
迫害と抑圧の中で、自分たちの文化を築こうとしていた。
そんなふうにして、ここブロンクスで、
ヒップホップカルチャーは誕生したのだった。

ガイドブックを返却し、
建物を出たあと、俺は裏庭を見学した。
柵にこそ囲まれてはいるものの、
周囲とまるで変わらない単なる原っぱだった。
つまんなかった。

さて、そろそろ引き上げるかと、
遠くにある門を眺めると、
おばはんが門を閉め、鍵をかけようとしていた。

久しぶりに大声をだした。
おーい、まだいますよー。
おばちゃーん、こっちこっちー。
走りながら俺は必死で叫んだ。
閉じ込められちまう。

おばはん、全然気がつきゃしなかった。
冬の透き通った空に、
俺の慌て声が虚しく吸い込まれていくだけだった。

ぜーぜーいいながら門までたどり着き、
どこかへ行こうとするおばちゃんを捕まえて、鍵を開けてもらった。
何してんのよ、もう閉館時間とっくに過ぎてるんだかんね、と、
また叱られた。

それからしばし、森を散策した。
何もなかった。つまんなかった。

家に帰り、豚肉の甘辛味噌焼きを作って食べた。
おいしかった。

そんな、土曜の午後だった。

yujing

投稿者 hospital : 13:50

2005年11月08日

小旅行をしたことなど

土曜日、小旅行に出かけてきました。
マンハッタンの南に位置するスタテンアイランドへ。
地下鉄でマンハッタンの最南端まで行きまして、
そこからフェリーに乗って海を渡りスタテンアイランドに上陸いたしまして、
それでもって列車に乗りまして、40分も乗りまして、島の一番端まで行ってきました。
目的は17世紀、植民地時代に建てられたおうちを見に行くことでした。
道中、電話が鳴り、友人らからランチに誘われたのだけれど、断りました。
大勢でのランチ。大変行きたかったけど断りました。
以前から決めていたことだったから。
ひとり旅でした。

ウェブで行きかたをチェックしたところ、
列車を降りたら海岸沿いにとにかく歩け、としか書いてありませんでした。
終点の駅に降り立つと、すぐ目の前が海でした。
しかし、海岸沿いに道なんてありませんでした。

住宅街。そこはまごうことなき住宅街でした。
ザ・アメリカの郊外でした。アップダイクの小説みたいな世界でした。
家々の玄関には先週のハロウィーンの飾りがまだ残ったままでした。
老人が軒先のロッキングチェアに座って通りを眺めていました。
太った男たちが芝を刈っていました。

住宅街をてくてく歩きました。
道はたいへん入り組んでいて、
海岸がどっちにあるのか検討がつかなくて困りました。
店などひとつもありゃしませんでしたので、
喉が渇いてひどく疲れました。
道に迷ったせいで、結局、一時間かかりました。

海辺にむかって丘になった場所にそのうちはありました。
芝の上にぽつんと建っていました。

そのすぐそばでは、
子供たちが遊んでいました。
カップルが写生をしていました。
サリーを着た女性がたくさんいました。
インド人の家族がカメラマンを連れて集合写真を撮っていたのです。
たぶん結婚式でもあったのでしょう。みんな綺麗に着飾っていました。
「ベッカムに恋して」という映画のことを思いだしました。

玄関では若い男がゲーム雑誌を読んでいました。
男は俺に気がつくと、見学ですか?と尋ねました。
そうです。と俺が答えると、3ドルを要求されました。
ガイドはいりますか?と男がいうので、お願いしました。

男は昔風の衣装を着ていました。
白い木綿のシャツ。茶色いスボン。
全然伝わりにくいのですが、とにかく、植民地時代っぽい格好です。
でも靴はニューバランスでした。わりとハイテックなニューバランスでした。

家の中は古い家の特有の匂いがしました。
福島にある野口英世(てんぼう)のうちと同じ匂いがしました。

男の案内で、部屋をみてまわりました。
その家の家族の歴史とか、奴隷のこととか、暮らしのこととかを聞きました。
客は俺ひとりなので、男の話にいちいち相槌をうたねばならぬのがめんどくさかった。
途中、男はほうきを持ってハエを追い掛け回したりしました。

あっという間でした。
築300年のその家は小さかった。
アメリカ独立の父、ジョン・アダムスとベンジャミン・フランクリンが
初めて出会ったとされるそこんちは意外に小さかった。
俺の実家よりもずっと小さかった。
勝った!と思いました。

見学を終えた俺は芝に寝転んで海を眺めたり空を眺めたりしました。
いつか誰かと行った葛西臨海公園を思い出しました。
おもむろに「愛!」などと叫んでみました。
世界の中心で…って、あれのつもりでした。読んでないんだけど。
でもそこは、世界の中心というより、世界の末端ってなかんじのところでした。
空が綺麗だった。

家に帰ってカツ丼を作って食べました。
とんかつを揚げたところで満足せず、
だし汁と玉ねぎと卵でとじてカツ丼にしたのには、我ながら感心しました。
カツ丼はとってもとっても美味しかった。
まだまだ独りでも大丈夫、と思いました。

テレビでNBAをみました。
ニュージャージーネッツがシカゴブルズに勝ちました。
いい試合でした。ネッツのカーター君はすごくカッコよい。
あのふてぶてしい感じがすごくいい。

日曜の朝、ニューヨークマラソンを見学しました。
ランナーたちは皆、服の前に自分の名前をつけていました。
腹に自分の名前をマジックで書いて走る上半身裸のランナーもいました。
観客たちはそんな見知らぬ彼らの名前を呼んで応援していました。
ゴー、マイク。
ゴー、キャサリン。
ゴー、コービー。
(この人は日本人でした。KOBEって書いてありました。神戸さんなんじゃないの?)。
何年か前に郷ひろみも参加したそうです。
そのとき彼はどんなふうに応援されたのでしょう。
ゴー、ゴー?
ゴー、ヒロミ?
どうでもいいことです。
あと、ハルキムラカミを探したけれどみつかりませんでした。
絶対参加してると思ったのに。
ま、どんな顔してるかよくわかないんすけど。

そんな週末でした。

yujing

投稿者 hospital : 10:52

2005年11月05日

今日からたくさん書くことに決めたよ

久しぶりなのでしっぽり書きたい。

いま深夜である。
遅い時間から始まる映画を見てきたんある。
食事をして少しお酒も飲んで帰ってきたんである。
me and you and everyone we know.という映画を見たんである。
クソ面白かった。笑い転げたし、ぐっときた。
でも、ネットで評価を見て回ったところ、まあまあってかんじの感想ばかり。
いったいなんだっていうのか。人はなぜそんなに悪口が好きなのか。
気に入らなかったからって、それを人に伝える必要はあるのか。
しかもそういうのって大体ひどい文章だ。論理を欠いて、ただすかしてるだけだ。
むかつくぜ。

そもそもあれですよ。誰かが面白くないっていうから見なかった映画を、あとでひょんなことから見たりしたとき、実はものすげえ面白かったりすることが多々ある。
こういうのってなんなの。俺が馬鹿なの。
あれ、面白かったぜ。っていうと、え、そお?とか言われる。
なんか見下したように言われる。
なんすかね。なんなんすかね。俺は映画の良し悪しのわかんない馬鹿なんすかね。
ていうか、俺ってば、たいていの映画を面白いって言ってる気がする。
やっぱり俺って馬鹿なのかね。
でも幸せなことだよね。
良かった。馬鹿で。

だいぶ前だけど、クローネンバーグの新作history of violenceをみた。
クソ面白かった。

どっちもまだ日本未公開かしら?みんなにもみてほしいな。

あとさ、今日もそうだけど、面白い映画を見た後で、満足した気分とともに味わう、あの、ちょっとした敗北感ってのはなんでしょうね。
なんか、他人の空想にしてやられた、っていう感じ。そんなのは俺だけかな。
いや、ちがうと思う。
まあいいや。

空想で思い出しました。
今日めちゃめちゃ空想しながら歩いてたんだよ。
(あ、妄想じゃなくて空想ね。妄想って言葉、なんか嫌い)
書きかけの散文について考えてたんだよ。
それがもうすごい空想で。きっと全部書いたら原稿用紙100枚は余裕、みたいな。
でもそんなに書いたら誰も読まないし俺だってめんどくさいから、嫌なんですけど。
とにかくもう頭の中完全にぶっとんでたわけよ。
そんでもって完全にアホの顔して歩いてたのよ。
アホの顔ってどんなのかっていうと、ぽかぽかぽかーん、ってかんじの顔。
そしたらさ、友人にばったり。
ていうか、何度か名前を呼ばれてようやく気づく。ってそんなかんじで、ばったり。
あれは嫌だね。むこうもちょっと戸惑った顔をしていたね。
あ、こいつ、アホの顔してる。いつもと違う。変。っていうね。
ちょうどさ、信号渡るときだったのよ。お互い反対方向に進んでて。
だからもう一言も発せず手をふって逃げました。

それからどうしかっていうと、お気に入りのスープ屋さん行って、チリビーンズのスープを買ってセントラルパークへ行きました。
ベンチに座って食べました。iPodでスーパーチャンクを静かな音で聴きました。
ふたりの通行人から、美味しそうなスープだね、と声をかけられました。
夕方の公園で食べるスープは、とても美味しそうにみえるということを知りました。
紅葉がきれいでした。
スープを食べ終えた俺は高台から池を眺めることができる場所に行きました。
その池は、ライ麦畑にもでてきたはずの池です。
ちょっとした屋根のある場所で、相変わらずアホの顔で池を眺めていました。
少し昔のことを思い出しました。

あれはいつだったか、同じ場所で同じ池を眺めていたことがありました。
激しい雨のふる日でした。そしてとても寒かった。
雨の日に公園に出かけるなんて、たぶんろくな心情じゃなかったと思います。
たぶんそのときもいろんなことを考えていて、ものすごくアホの顔をしていたはずです。
同じ屋根のある場所にいました。
傘をたたんで、池をぼけっと眺めながら、タバコを吸っていました。
そこにいたのは俺だけではありませんでした。
黒人の若者が地べたに座って同じようにぼけっとしていました。
タバコ売ってくれない?と彼は俺にいいました。
お金はいらないと俺はいい、彼にタバコを一本あげました。
それからライターで火をつけてやりました。
ありがとうと彼はいい、それから俺たちは並んでタバコを吸いました。
黙って、タバコをスパスパ吸いました。
ものすごい雨の日。そんな日に大きな公園の中でぼけっとしてる我々。
妙な親近感がわきました。たぶん彼も同じように俺にそんな感情をおぼえたかと思います。
しばしの沈黙の後で、すごい雨だね、と、彼がいいました。
そうですね。と俺は答えました。
それからまた沈黙が続きました。
先にタバコを吸い終えた俺は、再び傘をさし、雨の中を歩き出そうとしていました。
そのとき、彼がまた口を開きました。人生はタフだね、と。
まったくですね。俺はそう答えて彼に向かってにやりと笑いました。
彼もにやりと笑いました。
そんなことがありました。

あー。
まったくとりとめのないことを書いてるのは、今俺がチンザノのロックをぐびぐび飲みながらこれを書いているからです。ヨッパラっちゃった。
もう寝ます。

あといま決めたけど、今日からまた、ここにたくさん書いていこうと思う。
でも毎日は無理。そんなに暇じゃない。
なるたけたくさん。そんな感じでいきたい。

yujing

投稿者 hospital : 18:33

2005年10月10日

たまには音楽の話をしようじゃないか

こんにちは。ユージンです。
最近のあたいってば、Death Cab for Cutieの新しいアルバムだとか、
Her Space Holidayの新しいアルバムだとか、
そういう軟弱な音楽ばかり聴いています。
エレクトリックにメランコリック。そんなかんじです。
なにせ秋ですからね。ええ。
秋は人を軟弱にします。

ところで、そんな折、こんな名前のバンドをみつけました。

Hospitals。

あらやだ。あたいたちのサイトとおんなし名前。

サンフランシスコ出身の二人組み。
ギターとドラム&ボーカル。とってもシンプル。

レーベルはLOADでLightning boltと同じ。
Lightning boltを知らない良い子のみんなはココ参照。
Newsのところに、つたない日本語で書かれたページあり。
それがなんだかかわいくて好感が持てる。
はちゃめちゃなライヴ映像は必見。

で、Hospitals。
こちら参照。
奇しくも、ジャケットに我々HOSPITALのメインカラーであるオレンジを採用。
上記サイトより一曲ダウンロード可能。
アホカッコイイー。好みだわ。

でもね、でもさ、彼らのCD買ったはいいけど、
あんまり聴かないのよね。ちょっとうるさすぎるのよね。いまのあたいには。
結局、デスキャブとハースペを繰り返し繰り返し聴いちゃうわけよね。
はあ。秋ねえ。秋だわ。秋ってやだわ。
そんなわけで、今回は手短に。
ではまた。

yujing

投稿者 hospital : 13:03

2005年09月11日

ミヤムがいた日々in NYC

ミヤムが来ていたわけである。マイニューヨークに。

空港で会うなり、アメリカ国家権力に梨をとられたと不機嫌そうなミヤム。
再会の感動はどこへやら。梨が、梨が、梨が、なし。などと言ってミヤムはうるさい。
空港からマンハッタンへ向かうバスに乗り込む。
車中、乗ってきた飛行機のエコノミークラスについて悪態をつくミヤム。狭い、狭い、狭すぎる、とうるさい。
狭いのはおまえの器量だ、と内心思いつつも、
俺は黙って窓の外に流れるニュージャージーの薄茶色い景色だけをみてた。

そもそも初日から飛ばしすぎだった。
初めて会う人たちとの食事。実のところ、俺だってあまり知らない連中だ。
加えて、知らぬ人のお宅でパーティー。俺だって初対面ばかり。
ミヤムにもってかれた。得意の不条理ジョークで完全に人気者だ。
俺のNY仕込みのウィットのきいたパーティージョークじゃまるで歯がたたない。
こんなはずじゃなかった。俺はNYきってのパーティーボーイ。みんなのアイドル、それが俺。
ミヤム、俺の役目をとらないでくれよ。俺の街で俺より人気者にならないでくれよ。
そこでの俺は、予期せず現れたやたら愉快な男の単なる付添い人でしかなかった。
俺は遠くにみえるマンハッタンの夜景を眺めながら、いつか消えた二つの高い塔といつか消えるかもしれぬ俺とミヤムの友情について考えていた。

二日目は食事と買い物であっという間に過ぎた。
本当は密かにいろいろと計画を練っていたのだが、ミヤムが午後2時を過ぎても起きなかったせいで、それら計画の半分を削除するはめになった。
グルメなミヤムのために、知る限りの美味い店に連れて行った。
大きなディスカウント衣料品店にも行った。
ミヤムがピンクやら豹柄やらのものすごくけったいなサングラスばかりを買おうとするので困った。そんなサングラスは君の住む街の人々にはいささか刺激的するんじゃないかい、そう言いかけたが、ど派手なサングラスをかけ、鏡に向かうミヤムのにやけ顔をみたとき、いまミヤムの脳内に起きていること、つまり、彼自身を完全にニューヨーカーだと思い込んでいるということを察し、俺は口を噤んだ。
ミヤムはよくこんなふうに何者かになり切ることがある。だいたいの場合、それは大幅に間違ったイメージによって構成され、偏った方向に突っ走るきらいがある。
長い付きあいだ、彼のことは何だってわかる。そして、こんなときはそっとしておくのが一番だってことも。

夜は俺の家でとっておきのウィスキーを飲んだ。山崎12年。
俺たちの饒舌なおしゃべりの果てに、そのボトルが空になるのはあっという間のことであり、俺からの話題がウィスキー同様底をついても、ミヤムは話し続けた。もちろん、得意の皮肉がピリリときいた、誰かの誹謗と中傷ばかりだ。
空になった山崎のボトルを眺めながら、熟成なんて言葉がミヤムにとって永遠に無縁であればいいなと思った。

三日目も昼から動き出した。
飯を食い、セントラルパークを歩いた。
ミヤムは子供のようにはしゃぎまくり、あちこち指差して俺に尋ねた。
これもセントラルパーク?あれもセントラルパーク?あれも?あれも?もしかして、あれも?
その指先にあるのは、ベンチだったり、池だったり、舗装されたアスファルトの地面だったり、どっかの汚いオッサンだったりした。
そうだよ、全部セントラルパークだよ。そして、もちろん、君もセントラルパークさ。
俺がそう答えると、ミヤムはすこし照れくさそうにして笑った。
どうやら、彼はセントラルパークの意味をひどく複雑に勘違いしているようだった。
その後は買い物に明け暮れ、ヒップな連中が集まるクールな店で夕飯を食べた後、俺はミヤムをタイムズスクエアに連れてった。

電気の力で輝きまくるど派手な看板類。ごった返す観光客。
ミヤムは完全に浮かれていた。祭りだ!祭りだ!そんなことを叫びながら長い手足を四方に振り、ほとんど踊りださんばかりの仕草で人の群れの中を歩いていた。
どの観光客よりも目立っていたし、どの観光客よりも華麗に観光をしていた。
そんなミヤムを俺はカメラにおさめた。
ファインダーの中で、ダブルピースをきめるミヤム。その笑顔ときたら、背後にそびえるタイムズスクエアの広告塔よりもずっと輝いていた。

四日目。これが問題の日であった。
あいもかわらず俺たちは遅い時間に目を覚まし、昼から買い物に繰り出した。
ミヤムは買い物をしまくった。、ニューヨーク中のお洒落を買い占めるのではないかという勢いで、金を散々していった。
さながら、ひとりバブリージャパニーズの再来である。
あまりに大量に購入したため、それらを持ち帰るスーツケースも買った。
そして、俺たちは最後の晩餐へと向かう。
ミヤムの希望で、ニューヨークスタイルの寿司を食べた。酒は大量のビールと英文ラベルのついた焼酎を二本。飲みなれぬ、味の悪い焼酎であった。
途中、友人が参加し、俺たちは大変愉快な時を過ごした。
その結果、俺たちは酒にのまれた。

気がつくと朝で、俺たちは俺の家にいた。
時計をみると、ミヤムのフライト時間が迫っていた。
ミヤムを起こし、急いで支度をさせる。
ここで気がついた不幸。
スーツケースがみあたらない。
前日ミヤムが買った全てのものが入っている、そのスーツケース。
いったいどこへ?
二人で考え込む。話し合う。そして驚くべきことを知る。
二人とも、店を出てからの、いや、いかにして店を出たのか、いかにして家まで帰ってきたのか、それら全ての記憶がない、ということに。
とにかく、今はスーツケースのことより、空港へ行くのが先だ。スーツケースなら俺が見つけ出して、後日、日本へ送ればいい。
俺たちは急いだ。急いだけど、空港行きのバスは全然急いでくれなかった。
離陸時間まであと40分。たくさんの人が並ぶ列を無視して、俺はチェックインカウンター飛び込む。事情を言う。返ってくるあきれ顔。もう搭乗時間は過ぎてます。無理。ダメ。変更するしかないね。
こうして、ミヤムは飛行機に乗り損ねた。

こんなふうにして5日目が始まった。
二日酔いで気分は最悪。俺は生まれて始めて、二日酔いで食欲がないというのを経験した。ミヤムもまた、ひどく気分が悪そうだった。
それから、なぜか俺の体は擦り傷だらけだった。肘や膝を強く打ったあともある。体のあちこちが痛い。昨夜、俺の身に何が起きたのか、まるで思い出せない。
これまでミヤムとは考えただけでもぞっとするような量の酒をともに飲んできたが、こんなことは始めてである。酒と弱者にゃ滅法強い。それが俺たちだったはず。完全に酒にのまれた。乾杯ならぬ完敗である。

しばし家で休み、俺が授業に出たあとで、俺たちは昨夜なくしたスーツケース探しの旅に出ることにした。
まずは昨晩飲んでいた店に電話をいれる。正直、支払いを済ました覚えが二人にはなく、おそるおそるのことであった。
スーツケースは店にはなかった。それから、スーツケースを持って店をあとにするミヤムの姿をみたという店員の目撃証言もきいた。店員の優しい対応から、俺たちはきちんと代金を払っていたことを確信した。
次に昨夜一緒に飲んだ友人に電話する。
友人いわく、店を出た俺たちはしばし深夜の散歩を楽しみ、それからピザ屋へと入り、タクシーに乗ってなぜか俺のうちとはてんで違う方向の友人宅までついて行き、そこから再びタクシーで家路についたという。
散歩?ピザ屋?まったく記憶が無い。タクシーについては少しだけ覚えがあったが、なぜ友人宅まで同乗して行ったのか自分たちのことながら理解不能であった。
そして、友人もまたスーツケースの置き場所に関してまるで心当たりが無いという。それから、どこのピザ屋に行ったかも記憶があやしいようだった。
友人もまた、少し酒にのまれていたようだ。
その後、心配したその友人が俺たちに合流。
俺たちは問題のピザ屋を探す旅にでた。
友人のおぼろげな記憶を頼りにあちこち歩きまくる。俺とミヤムにとってはまるで覚えの無い道だ。ピザ屋の看板を探して歩きながら、友人から昨晩の俺たちが繰り広げた異常な行為をいろいろ聞かされる。
曰く、俺は路上駐車の車の上を歩いていた。ミヤムはいろんなものを蹴飛ばしていた。俺はどこか高い場所から飛び降り、転んで体を強く打った。ミヤムは友人の食べかけのピザをとりあげ、全部食べた。俺は走行中のタクシーのドアを開けた。ミヤムも同じことをした。俺は馬鹿なことばかり言っていた。ミヤムもやっぱり…。
ついに問題のピザ屋を発見した。店員は俺たちのことを覚えていた。
スーツケースは置き忘れなかったかときくと、店員はこう答えた。いや、ちょっとわかんねえなあ、もう一人来るから彼にきいてくれよ。
やがて、団子鼻の別の店員が現れる。同じ質問をすると、ヤツはキレ気味にこう答える。おめえら、ピザ代払ってねえよ。
なんてこったい。そんなに俺たちは酔っ払っていたのか。記憶が無いので謝るしかない。
そして、肝心のスーツケースはというと…。あった。ありました。
あったがこう言われた。おまえらが忘れてった後でクロンボの浮浪者がそいつを盗んで逃走したもんで俺っちが追いかけて警察を呼んでもう散々な目にあったんだぞ、このやろう、と。
そしてスーツケースと引き換えに俺たちは35ドルのチップを要求された。
どこまでが本当のことがわからない。三人もいて料金不払いなんてありえない気がするし、俺がお金を出しているところを友人はおぼろげながら覚えていると言う。
しかし、その記憶は曖昧であり、俺とミヤムに関していえば、ピザを食べたという事実すら、まるで古いアルバムの中に若い両親と赤ん坊の自分をみつけたときのような、現実味のないことなのであった。
ところで、なぜ最初に話した店員は何も知らないような顔してとぼけていたのか。
あいつら、絶対何か裏がある。
しかし、とにかく、スーツケースはみつかった。
金と引き換えに、スーツケースが手渡される。
冷めたピッツァみてえに惨めだったミヤムの顔が、焼きたてのあつあつピッツァに変わった瞬間だ。
その後、三人で本当に最後の晩餐を楽しんだ。お洒落な薄暗いカフェーでお洒落な飯類を食べた。そのとき俺は完全に消耗しきっており、あまり食がすすまなかった。ただぼんやりと、飯を貪り食うミヤムをみつめながら、ミヤムのいない明日を、どんなふうに過ごせばいいのだろうかと考えていた。

翌朝、大きなバスターミナルで俺たちはサヨナラをした。ミヤムは空港行きのバスへ乗り込み、俺は完全無欠のニューヨーカーとして都会の喧騒に首尾よく溶け込んだ。
家に帰り、珈琲を淹れるための湯を沸かす。そのとき、テーブルの上にミヤムの忘れ物をみつけた。それは、ミヤムがNYに持ち込んだ、日本の扇子。
あっぱれあっぱれと、ミヤムがヴィレッジを御満悦そうに歩いたとき振りかざした、その扇子。
地下鉄の中でミヤムが落語の真似をはじめて俺を困惑させた、その扇子。
スーツケースを無くした失態に、自分の額をぴしゃりぴしゃりと叩いた、その扇子。
珈琲をすすりながら、俺はその扇子を手に取り、しばらくの間みつめて、少し悲しくなった。
ミヤムよ、もっといいもの忘れていけよ。DIESELのジャケットとかよお。
それから俺は、ミヤムには紹介しなかった金髪ダイナマイトバディ美女集団を電話で呼びつけ、ミヤムには内緒にしていた隠し部屋、もとい、隠し屋敷へと通ずるドアを開けた。
お久しぶりです、ご苦労様でした、と執事が頭を下げ、俺に挨拶をする。
女たちが来るまでひとり泡風呂につかり疲れを癒す。女中を呼び、ドンペリとグラスを持ってこさせる。そして、玄関口に女たちの声が聞こえたとき、俺はシャンパングラスを高々と掲げ、再び戻った俺のクールでワイルドな日常と、そして、やがて始まるミヤムのワーカホリックな日常を祝して、チアーズ!と叫んだ。

yujing

投稿者 hospital : 14:21

2005年07月15日

深夜に夏のことについて考えたりする夏の深夜

暑いんだよ。
夏め。
調子にのんなよ。
暑いだけでちやほやされやがって。
ばっかじゃないの。
たかが季節のくせに生意気なんだよ。
暑けりゃみんなが喜ぶと思ってやがる。
馬鹿だね、馬鹿。夏は馬鹿。
超単純。超単細胞。

俺は断然他の季節を支持する。
特に冬には好感を抱く。
寒いんだよ、冬は。
寒くて日も短いんだよ。
雪とかふっちゃうんだよ。
みんなが嫌うんだよ。はやく春よこい、とかいっちゃって。
でもそういう憎まれ役をね、冬のやつは黙ってこなすわけだよ。
毎年毎年、やってのけるわけだよ。
なかなか出来ないよそういうことは。
見上げたやつだよ、冬は。

それに対して、夏!
おまえ、でしゃばりすぎ。
季節が四つあるわけじゃん。
そんで夏だけがなんか目立ちすぎてる感があるのよね。
んでもって、なんか無理に盛り上げようとしてない?
青春とか?恋とか?そういうやつ。
笑わせんなっつうの。余計なお世話だっつうんだよ。
関係ないやつにとっては不愉快なんだよ。
みんなが同じこと考えてると思ったら大間違いなんだよ。
おまえの陳腐な思想を無理に押し付けんじゃねえよ。

もうなんかさ、夏って、まんま暑苦しいやつってかんじ。
熱血タイプ。つきあいにくそー。

飲みに行くなら絶対冬を選ぶよ俺は。
そんで一緒に夏の悪口をいう。

俺「つーかさ、夏、やばくね」
冬「あれやばい。やばいあれ。すげえやばい」
俺「だって、あいつさ、結局暑いだけじゃん」
冬「あー。ね。結局ね。結局それだけなんだよね」
俺「でさ、朝っぱらから日差しすげえ強いじゃん。そういうのって、なんか、なあ?」
冬「ああ。わかる。わかるわ、それ。そういうのすげえわかる」
俺「とばしすぎってかんじ。超ひとりよがり。空気全然よめてない」
冬「いえたそれ。ユージン超いえたそれ」
俺「ああいうタイプが一番こわい。将来絶対体育教師。そんで生活指導も兼任すんの」
冬「あー。なんかわかるそれ。なんかわかるそれ」
俺「そんでもって、規則のためなら人も殺すってかんじで、生徒ばしばし殴る」
冬「はは。ユージンそれ言い過ぎ。それはない」
俺「んで、殴っといて、俺も心が痛いんだー、とか涙目でいうの」
冬「はは。ユージンなにそれ、いわれたのむかし?マジバナ?」
俺「いわれたよー、野村ってハゲに。消火ホース入れに教科書とか隠してたらさー」
冬「はは。ユージン、はは。それうける。すげえうける」
俺「あれ、おまえグラス空いてんじゃん。なんか注文する?」
冬「あ、いや、俺もういい。ていうか、そろそろ終電なくなるから帰るわ」
俺「えー。かえんなよー。もう一軒いこーぜー」
冬「わりい。俺あしたバイト早番だから」
俺「んーだよ。しらけるー。おまえほんと冷たい。冬だけにそうとう冷たい」
冬「はは。冬だけに?冷たい?はは。それ笑える」
俺「そんでもって、おまえ今帰ったらサムい。まじサムい。これも冬だけに」
冬「ははは。まじ?おれサムい?いま帰ったらサムい?冬だけに?ははは。まじ笑えるそれも」
俺「うん、おまえサムくて、そんでもって、夏はムサい。超ムサい」
冬「ははは。ユージンさえてる。はは。あいつムサい。ほんとムサい」
俺「なー、もう一軒行こうぜー。うち泊まって、そのままバイト行きゃいいじゃん」
冬「でも俺今日コンタクトだから」
俺「んーなもん、水につけときゃ大丈夫だよ。とまれよ、俺んち」
冬「わかったよ、ユージン。わかったよ。でももう俺金ないよ」
俺「よし、次の店俺がおごる。お前どこ行きたい」
冬「北の宿」
俺「あ。おまえそれうける」
冬「まじ?うけた?ユージンうけた?」
俺「うけた。すげえうけた。おまえ、さえてんなー」
冬「そんでさ、そんでさ、つづき聞いてよ、ユージン」
俺「うん」
冬「北の宿行ったらさ、店員が俺らのことお客さまって呼ぶじゃん」
俺「うん」
冬「したら、俺、なんていうと思う」
俺「わかんない」
冬「俺さ、こういんだよ。お客ウィンターって呼べえ!って」
俺「は?」
冬「店員が、お客サマーって俺を呼ぶじゃん。そんで俺、お客ウィンターだろっ!って、いうの」
俺「え?」
冬「だからあ、サマーってほら、夏のことじゃん。だから俺は、冬だから…」
俺「いや、わかってる」
冬「まじで?」
俺「うん」
冬「これうけない?」
俺「ごめん、あんま」
冬「うそ」
俺「ほんと。ていうか、むしろサムい」
冬「サムい?冬だけに?」
俺「いや、冬とか抜きで」
冬「まじ?」
俺「まじ」
冬「…」
俺「…」

(なにこれ)

とにかくだよ。
俺は全然夏なんかには期待してない。
全然浮き足立たない。
夏満喫!夏をエンジョイしなくっちゃ!
とかそういう浅ましい考え方はどうかと思うよ。
季節全部満遍なく満喫しやがれってはなしだ。
俺、超普通。超平常心。

すでに俺は豪勢な花火を二度みたけど、
ひとつはビルの屋上から360度の方向どっちを向いても花火って状況だったけど、
野外でライヴも鑑賞したけど、しかも無料だったけど、
ヨラテンゴとスティーブン・マルクマス(ex-Pavement)のライヴだったけど、
海沿いの街に遊びに行ったりしたけど、バーベキューはすでに三度もやったけど、
キャンプも誘われてるけど、湖で水上スキーとしゃれこもうぜ、なんてことも言われてるけど、
なんか自慢みたいになってしまったけど、マルクマスが誰かちゃんとわかって、
多くの人が羨ましがれるように、括弧までつけて説明しちゃってるけど、
とにかく、Summer?So What?ってかんじ。

でもね、ほんとはね、期限がせまる難解な宿題のせいで、俺はいま机にむかいっぱなしなんだ。
読まなきゃいけない資料がたくさん。書かなきゃいけないワードのドキュメントはほとんど真っ白。
パンツとタンクトップ姿で一日中家にいる。
こんなときに限って愉快そうな誘いの電話が沢山かかってくる。
畜生。暑い。脳みそが働かない。もう寝る。さらば。

yujing

投稿者 hospital : 17:05

2005年07月06日

筋肉への想いは海を越えて

HOSPITALは度々こういうことが起きる。
それぞれ遠く離れた土地に暮らしているというのに、
今までいろいろなシンクロニシティを俺たちは経験してきた。
同じ時期に風邪をひいてみたり、
同じ時期にのっぴきならない状況に陥ってみたり、
同じ時期に漠然とした不安に襲われてみたり、
程度の差こそあれ、よくそういうことがある。

そして今回は、筋肉。

俺もそのことばかり考えていた。
筋肉に夢中。
男なら誰でもそんな時期があるのかもしれない。
女は愛嬌、男はマッスルとはよくいったものだ。
ポリティカルコレクトな視点でいえば、それは間違いかもしれない。
男にも愛嬌は必要だし、女性のマッスルも素敵さ。
でもやっぱり、男はマッスル。
なぜ?といわれても困る。
根拠なんかありゃしねえ。論理的説明なんてくそくらえ。
腕立ての後に残る、上腕筋と胸筋の心地よい痛みにこそ、
その答えは存在するし、それが言葉にできないものであることを、
ただ静かにゆっくりと変化する胸板の膨らみに気がついたとき、
俺たちは知るだろう。

いまHOSPITALの総三島由紀夫化が始まっている。
今度みなで集まるときは、それぞれ全裸で、
お互いの肉体美を肴にプロテイン入りの焼酎を飲みかわすことになると思う。

ところで、しばらくグリーンに書いていない間に、
いろいろ愉快なことが俺の身に起こった。
だからって、いちいち書くのはめんどくさい。
それを逐一報告する義務などありゃしない。
見知らぬやつに、俺のスタイリッシュすぎるプライベエトを公表してしまうほど、
俺はきさくな男じゃない。
とかいって、じゃあなんなんだ、このページは。
今まで散々書いといて、どういう了見だ、
俺。
てめえでつくっといて、どういうことだ、
俺。
…。
いけない。
考えすぎるのは俺の悪い癖だ。

実は、前回音楽ナンチャラを書かされたことが、
いまだ悔しくてたまらない。
いや、書かかされたというより、
馬鹿正直に書いた自分に腹が立っているのかもしれない。
いつも考えすぎてしまう俺の悪い癖のせいだ。

書きたくねーと思う。タケヤマめ、と恨む。

だんまりを決め込もうかと思う。

みんな書いてると知る。

書かないと逃げたと思われる。と思いこむ。

だったら、書いてやろうじゃないの。と思う。

だけど、おちゃらけはかっこ悪いじゃん。と思う。

むしろ、本気が男前。

書く。

自己嫌悪。

そういうことだ。

中途半端はゆるせねえ。おちゃらけ、道化は気にくわねえ。
そんな俺はカラオケで座ったまま歌うやつが許せない。
立って、舞台の中央に陣取って、堂々と歌う人が俺は好きだ。
振り付けがあったら最高だ。下手糞でもいいから、モノマネなんてしてくれたら感涙ものだ。
そんな歌の間に、曲選びをしているやつがいたら、俺が頭を小突いてやる。
それから、恥ずかしいがゆえに、アニメソングやギャグものでお茶を濁そうとするやつも許せない。
たっぷり感情をこめてくさ~い歌をうたうべきだ。
普段口にできない言葉を口にできることが、カラオケの醍醐味じゃないだろうか。
俺はカラオケなんて好きじゃないけど、本当にそう思う。
俺はカラオケなんて好きじゃないけど、歌えといわれれば、全力で歌う。
みんなの笑顔がみたいから、俺は歌う。
俺はそういう男だ。

そんなわけで、歌います。
KANで「愛は勝つ」。

し~んぱ~い、な~いからね~♪
き~み~の~、お~もいが~♪

ワー。いいぞ、ユージン。
(場内大盛り上がり)

歌い終わる。
(なりやまぬ拍手)

どもども、といいながら部屋を出る。
そのまま店の外へ。
タバコを咥えて火をつける。
咥えタバコでポッケに手をつっこんで、
夜の街をうつむき加減に歩き出す。
そのまま行きつけのバーへ。
「ママ、ワイルドターキー、ダブルで、ストレート」
「あら、どうしたの、ユージンちゃん。うかない顔しちゃって」
「なんでもないよ。ちょっと疲れてんのさ」
「ふーん」
「ねえ、ママ、自分の大切なものを失ってまで、人を喜ばせることに価値はあるのかな」
「なによ、いきなり」
「誰かの幸せのために、自分が不幸になるだなんて、なんだか馬鹿みたいに思えてさ」
「そうねえ。難しい問題ね。でもね、ユージンちゃん」
「うん」
「その人は自分を不幸に思う必要なんか全然ないのよ」
「なぜ」
「だって、人を幸せにすることで、人から愛されることができるんですもの」
目の前にワイルドターキーがはいったグラスが置かれる。
俺、グラスにゆがんで映る自分の顔を黙って眺める。
「いいこと、ユージンちゃん。自分を裏切らないで生きるなんてうそぶいていいのは、よっぽど偉い聖人か世捨て人だけよ」
黒木瞳似のママが俺の目をみていう。「そして、」
「自分は裏切ってもいいから、みんなを裏切らない、それって人気者の宿命なのよ」
俺、ワイルドターキーを一気に飲み干す。
空っぽになったグラスをカウンターに置くと、カタンと乾いた音がたつ。
「ママ、お勘定。俺もう行くよ。俺を待ってる人たちがいるんだ」
「あら、そう。いってらっしゃい、スーパースターさん」
「はは、よしてよ」

再び、カラオケ会場。
みんなの輪の中で、大事マンブラザーズバンドの「それが大事」を熱唱する俺がいる。

ものすごく話がそれた。

ジョギングを始めた。
減量のためじゃない。筋肉のためだ。
筋肉を温め、ほぐすために俺は走る。
いわば、俺にとってジョギングは、メインが筋トレでだとすれば、
単なる前菜にすぎない。いや、食前酒程度のものかもしれない。
たいしたことじゃないんだ。
効果的な筋トレのための準備にすぎない。

なんていいながら、実は最近は走っていない。
足を痛めたのだ。
フットサルの最中に、左足首をやっちまった。
これで俺のジーコジャパン入りがまたひとつ遠くなった。
明日病院へ行くことになっている。
ちょっぴり不安だ。
もしギブス着用なんてことになれば、
俺の夏は、いや、俺と俺の筋肉との夏が、
セルジオ越後の突き出た腹みてえに、
しまらねえことになっちまう。
そんなのはまっぴらごめんさ。
ロナウジーニョの真っ黒な顔に映える突き出た歯のごとく、
輝かしいものにしたいと心から思う。

筋肉のことならまだまだ書けるが、
いつもいつも長く書きすぎるので、
今回はこのへんにしておきたい。
ではまた。

yujing

投稿者 hospital : 16:09

2005年06月19日

音楽バトン

まわってきた。音楽バトンココのタケヤマくんから。
なにこれ、超不毛。思いついたやつキテるね。
とかそういうことはぜんっぜん思わないっす。
すばらしいことだと思う。胸が躍る。
つーか、めんどくせえ。かったりい。時間の無駄。
とかそういう類のこともまったくもって思ったりしないっす。
俺はそういううがった態度の若者が大嫌い。
斜にかまえて世間をせせら笑うような若者を見るとひっぱ叩きたくなる。

まったく、こういうのはなあ、黙ってやりゃあいいんだよ。
みんな一所懸命やってんだから、しらけたこと言うんじゃねえ。
屁理屈こねてる暇があったら、書きやがれってはなしだ。
理由なんか考えるな。
意味なんか求めるな。
不毛なことに時間を費やしてこそ人生だ、馬鹿野郎。
わかったか、こら。
わかったんか。
わかったら、いますぐ穴を掘れ。
理由はきくな。
できるだけ深く掘れ。
いいから理由はきくな。
理不尽こそが人生だ。
よおし、穴ができたら今度はANAに乗れ。
ANAに乗って長野へ飛べ。
空港があるかどうか知らんけど長野へ飛べ。
志賀高原を歩いて登れ。
疲れたら自販機でメローイエローを買え。
あそこではまだ売ってるはずだ。
おい、買っても飲むなよ。
俺のところへ持ってこい。
そうだ、ニューヨークにだ。
パスポートとZ会の速読英単語を忘れるな。
単語は文章と一緒に覚えろ。受験英語の基本だ。
空港についたら今度はJALに乗れ。
ファーストクラスに乗れ。
すごいらしいぞ。
空飛ぶホテルってかんじらしいぞ。
CMで言ってた。
でもホテルにかなうわけないじゃん。
そんなのあたりまえじゃん。
だからおまえはJAROに電話しろ。
JALに乗ってJAROに電話しろ。
それからマイルを貯めるのを忘れるな。
マイルはすごく大事だ。
マイルとマイミクはできるだけ多いほうがいい。
そしてマイルが貯まったらマイルスを聴け。
マイルス・デイビスのビッチェズブリュを聴け。
それに適当な歌詞をつけて歌え。
大きな声で歌え。
文化祭で歌え。
女子にメイクしてもらって歌え。
学生ズボンの上にお気に入りのTシャツを着て歌え。
アンコールでBAKUの「ぞうきん」を歌え。
飛んだり跳ねたり舌出したりしながら歌え。
教師に向かってファックユーのポーズで歌え。
そして3年後にそのことを思い出せ。
寝る前に思い出せ。
思い出して恥ずかしくなれ。
すごく恥ずかしくなれ。
ベッドの上でもんどりうて。
頭を抱えてころころ転がれ。
穴があったらはいりたいぃぃ、とかいいながら転がれ。
あな、恥ずかしい、とかそういう古文の感嘆詞を使ったダジャレもいいながら転がれ。
受験勉強は知的ギャグのための大事な教養だ。無駄だと思うな。
よおし、いいぞ。その調子で転がり続けろ。
ライク・ア・ローリングストーンだ。
苔をつけてる暇はないぜ。
カモン、マイボーイ。
もっと速く。もっと速く。
速度が問題なんだ。音楽も言葉も…。
というのは阿部薫からの引用だ。
人はいろんな無駄なことを覚えてるもんだ。
でもそれはとても素敵なことなんだ。
さあ、こっちだマイボーイ。穴はここにあるぜ。
おまえさんの掘った穴だ、マイボーイ。
遠慮なくはいるんだ、マイボーイ。
こうして無駄に思ったものが後に活きて来るんだ。
意味のないことなんかないんだよ、マイボーイ。
それが人生だ、マイボーイ。
わかったか、マイボーイ。(号泣)
(ジョビジョバのコントを思い出して書いてたんですけどお、ちょっと違う風になりましたあ)

やれやれ。前置きがすごく長くなった。

書きます。音楽バトン。
セキララセンチメンタル全快でいこうと思います。

以下、音楽バトン。

●Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)

3GBくらい。少ない?本当はもっともっとたくさんあった。
米国ヤフーの音楽ファイルダウンロード無制限サービスに申し込んでせっせと落としまくったんだけど、他のMP3playerは大丈夫なのにiPodには移せないという事実に癇癪を起こして全部消してしまった。

●Song playing right now (今聞いている曲)
A Band of Beesのアルバム「Sunshine Hit Me」の中のどれか。
夏っぽい曲てんこもりでいいよ。

●The last CD I bought (最後に買ったCD)
Yo La Tengoの「Prisoners of Love」
3枚入ってお買い得でしたの。

●Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある 5 曲)
思い入れのあるのを書きます。

RCサクセション:トランジスタラジオ
高校生になったら授業をさぼって校舎の屋上で煙草を吸ってラジオを聴くことだけを夢見てた中学時代。あのころ俺はとても頭が弱かった。世代的に子門'zバージョンも思い出深い。

Plastics: コピー
高校生のとき深夜のBSで古いライヴ映像をみて震えた。ガツンときた。上京してすぐレコードを買った。中古で4000円した。あのころ俺は80年代の東京とニューヨークに憧れていた。後にレコードは素敵な北欧人女性に気前よくあげた。

遠藤ミチロウ: オデッセイ・1985・SEX
犬も歩けば棒にSEX。三つ子の魂百までSEX。そんな出鱈目な歌詞にポストモダンとかメタフィクションとかの天啓を受けた俺。衝撃だった。その後、そういう類のへんてこりんな小説やインチキ臭い現代思想本に夢中になって頭の具合を悪くした。

Kid Loco: Cosmic Supernatural
福島の国定公園で、鎌倉の禅庭で、福井の永平寺の境内で、早朝の琵琶湖のほとりでぼおっとしながら聴いた。あのころ俺は禅思想にかぶれていた。いま聴くとそんな大袈裟な曲じゃないだろと思ったり思わなかったり。

小沢健二:天使たちのシーン
かぁ~みさまうぉ~しんじ~るつよ~さをぼおくにぃ~。い~きるこぉ~とぉ~うぉぉぉおおおおぉぉぉ…(そのまま昇天)フリードリッヒ・ヘーゲル曰く、人は恥らいなくオザケンを好きといえるかいえないかで絶対精神の弁証法的運動における進捗がわかる。

●Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す 5 名)
ホスピタル内のほかの二人に。ミヤモトくんとウエマツくん。
ヒゲオさん。
ハシオくん。
他に思いつかないのでもう一度、タケヤマくんに。
(まだまだ書き足りないんじゃないかと思って。優しいな俺)

よろしくどうぞ。

以上。

yujing

投稿者 hospital : 14:21

2005年06月14日

ロマンチストと会計学5

うちにイタリア土産のぺペロンチーノの元があります。
乾燥したニンニクとか唐辛子とかよくわからないものとかがいろいろはいってます。
ちょっとだけ軽くボイルして、オリーヴオイルで炒めて使うんです。
それの説明書きがパッケージの裏に書いてありました。
でたらめな英語で。
意味はなんとか通じるんだけど、
でたらめな英語。

すごいよなあ、イタ公は。
っとに、テキトーなのな。
そういや、こないだまでとっていた授業の先生はイタリア人だったけど、ひどかったなあ。
遅刻しまくりで、勝手に時間帯変えちゃってるの。30分ずらしちゃった。
そんでもって、試験の日時も自分の都合にあわせて変更するしさ。
プライベートなことで授業中に泣き出して、クラスのみんなを心配させるしさ。
とんでもない人でした。
あと昔すこしだけ一緒に暮らしたイタリア人もひどかったなあ。
すぐ物壊すの。テレビのリモコンとか一瞬で。
あと、なぜか部屋の壁が泥だらけ。
不思議なひとでした。

で、そんなイタリア人たちがですね、会計学を発明したってことになってるのは、驚きですね。
イタリア人っていったら、スケベ&ロマンチストみたいなイメージあるじゃないですか。
だいたいイタロ・カルヴィーノなんていうとんでもねえロマンティック馬鹿一代を輩出したのもこの国ですよ。
でもまあ、古くから商業が栄えた土地でしたからね、そりゃまあ、そういう点では納得がいくんですが、
よくもまあイタリア人がこんな細かいこと始めちゃったもんだなあとも思います。
いまは国民の3分の2はマフィアになって、世界中でいけない薬を売り歩く彼らだけど、
昔はまっとうな意識の高い商い人だったってことですね。

さあ、うまいこと話をもってきたところで、例の続きにいきたい。

前回、夢について書きました。
当然のことながら、あんなものはまったくでたらめです。
本当のこというと、その、夢だなんてたいそうなものは持っていませんが、
やりたいことはたくさんあります。
もうバリバリあります。いや、ブリバリあります。
いやいや、ブリバリビリバリボルバルベリベリ・ラジカル・ガジベリビンバな具合にあります。
じゃ、会計学なんてどこかにうっちゃって、それを今すぐはじめりゃいいじゃねえか、って話なんですけど、
ちょっとそれは違うだろ。

いいですか。
英語にこんな言葉があります。
"Never Too Late"
何をやるにも遅すぎるってことはねえぜ、
ってそういうことです。

なに、目標にむかってまっすぐに突っ走るってのも素敵なことだと思います。
でもさあ、今はまだそのときではないと自覚しているのだったり、
まだやりたいことがはっきりとしていないというのなら、後回しにしてもいいと思うんですよ。
そのやりたいことを。遅すぎるってことはないんだから。

ですから、俺は会計学をやりつつ、今後挑戦してみたいアレコレについて考えてもいます。
いつか全部やりとげるつもりです。今でのすべてを無駄にすることなく、やってのけるつもりです。
それって、素敵なことだと思いませんか。

だって、たとえば映画や小説でいうと、
みえみえの結末に向かってただ突き進むだけのストーリーより、
あっちへいったりこっちへいったりしながらも、要所要所に布石を散りばめて、
あっと驚く結末へと繋がる、そんなストーリーのほうが面白いじゃないですか。

つまり、俺の場合、会計学はひとつの伏線にすぎず、
これがあってこそ、その先へと繋がる、そんな未来を思い描いているのです。
そして全てを完遂したとき、あの忌々しい会計学の教科書だって愛しく思えるはずだと思うんです。

ロマンチストってやつは、浪漫を抱えて虎視眈々と機会を狙う、
そんな獰猛な生き物かつ策士家でもあるんですよ。

でまあ、あの、よく「夢をあきらめた」とかね、
「やりたいことがあったけど、いろいろあって、あきらめた」とかね、
そんなことをいう人がいますけど、あれはおかしい。
ロマンチストは怒るよ。プンスカプンプン。

あきらめたんじぇねえよ、それは。
飽きたんだよ。
実行にうつさぬまま、悶々と考えたり、口にするだけで満足してるうちに、
せっかく手にした浪漫に飽きちまったんだよ。
結局それだけのものだったっつうことだよ。

もう一度いう。
"Never Too Late"
いつだって始められるんだ。
あきらめる必要なんかないさ。
浪漫を持ち続けるんだ。
一所懸命飽きずにそれを抱きしめるんだ。
いつまでもいつまでもいつまでも。
ロマンチストに終わりはない。

というわけで、ガラにもなく、説教くさいことを書いてしまいました。
これは自分にいいきかせるためのものでもあるんです。
しっかし、どうにも真面目くさった最終回になってしまいましたね。
ここらでひとつ、得意のユーモアを披露して、
明るくお別れをしたいと思います。

えー、
「ロマンチストの条件」とかけまして、
「会計学の発生原理」とときます。

そのこころは?

「あきないこと」です。

おそまつ。

yujing

投稿者 hospital : 06:53

2005年06月13日

ロマンチストと会計学4

再び長い間があきました。

ミヤムの相撲狂いも、いよいよデーモン小暮の域に達しててきたな、と思う今日この頃。
昨日おれはコミックアートフェスティバルにいってきました。
いろんなコミッククリエイターさんがいました。
憧れの人にサインをもらいました。
お客さんはギークなのと、アートっぽいのと、いろんな人がいました。
もちろん俺はばりばりのコミックギークを演じてきました。
(Tシャツの裾を半ズボンにいれたりしてね!)
畜生!アメリカオルタナコミック最高!

さて、「ロマンチストと会計学」第四回です。
長い。長いよ。
長いし何がいいたいのかわからないよ、俺。
いろいろと自己嫌悪だよ。
いろいろと混乱しちゃうよ。
ちょっと泣きたい気分だよ。

前回は会計学なんておもしれーわけねーだろ、というところで終わったけど、
あれは失言です。
本当のことをいうと、おもしろい。ある意味。
ちょっとあの、「おもしろい」の種類が違うおもしろさ。
夢中にはならないけどいちいち感心する。
そういうおもしろさ。

いま学校が夏期休暇中なんだけど、俺学校好きだから夏季集中クラスをとってる。
戯れに文学関係のクラスをとってる。これがまったくおもしろい。
テキストは難解だし、その手の学生に囲まれてるわけだし、
ディスカッションなんか最高に辛いんだけど、楽しい。
アメリカで文学のお勉強だなんて、文芸ギークとして、本当に嬉しい。
文芸ギークだなんて自嘲的なこといまはいってるけど、
俺、むかしは本気で文学少年だったんだ。これはかけ値なしに言える。
小説を読みすぎて、アホほど読みすぎて、クソくだらねえ自我が膨らんで、
俺のちっぽけな頭では抱えきれなくなって、あふれ出したそれが周囲との壁をつくって、
孤独になって、やるせない厭世観に襲われて、世の中大嫌いになって、
気がついたら頭に10円ハゲができていたころの俺。
(多かれ少なかれ、みんなも身に覚えあんだろ。でもハゲはできてないだろうよ!ハゲは!まいったか!)
そのころの俺にこの喜びを伝えたい。
タイムマシンがあったらいますぐあのころの俺を抱きしめに行きたい。

なんて、今日は俺、なんだかセキララモードです。
そのうえセンチメンタルモードでもあります。
あわせて、

セキララセンチメンタル。

そんな素敵な言葉をいま思いつきました。

セキララセンチメンタルララバイ。
セキララセンチメンタル日和。
全日本セキララセンチメンタル協会。

そんなふうに応用したくもなってきます。

シーガル・セキララセンチメンタル・キスハー・キスハー。
セキララセンチメンタル・アゲインスト・ザ・マシーン。
セキララセンチメンタルズ・イン・ザ・ステレオ。

そんなふざけたバンド名まで浮かんできました。
もっと続けたいと思います。

内山田洋とセキララセンチメンタル・ファイブ。
宮尾すすむと日本のセキララセンチメンタル。
東京スカ・セキララセンチメンタル・オーケストラ。

まだまだ浮かんできますが、たぶん楽しいのは俺だけなので
このへんでやめておきます。

全然関係ないけど、いまアメリカでSADAHARUっていう名前の新人バンドがあります。
このSADAHARUはきっと貞治にちがいねえ。世界のホームラン王、王貞治からきてんだ。
最高にいいセンスしてるよな。

お題にもどりましょう。
会計学をやってる俺にですね、「夢がない」とかいうやつがいるっすよ。
企業の犬になって金勘定に人生を費やすと、そんな貧しい発想をしたなめた野郎がいるっすよ。
おい、まて、と。そういう偏見はやめてくれ、と俺はいいたい。
俺がそんなんで満足するわけねえだろ。
ロマンチストだよ、俺は。
とっても夢みがちなんだよ、俺は。

だからね、今日はセキララセンチメンタルに身をまかせて、
そんなステレオタイプシンキングをぶっとばすために、
いまから夢を語りたいと思います。
いかんせんロマンチストの俺がみる夢です。
いささか現実ばなれしてるきらいがあるかもしれない。
でも、こんなことはめったにないから、
全員、姿勢を正して読んでほしい。

以下、俺の夢。

俺はいつも夢みてる。こんな生活を。
誰にも干渉されず、人里はなれた森の中で暮らす。
自分で建てた丸太小屋に住んで、木綿の服を着て、枯れ草のベッドで眠るんだ。
家具は机と椅子と銀製の食器と真鍮のランプがあれば、それでいい。
昼は野原をかけまわって、花のにおいをかいで、お腹がすいたら木の実をかじるんだ。
冷たい泉に素足をひたしてヒャア!とかホウ!とか声をあげたりもするんだ。

夜になったらブドウ酒を飲んで、月光の下で横笛を吹くんだ。
すると森の中から動物たちが集まってきて、みんなでワンだとニャーだのヒヒーンだのガオーだの大合唱をはじめるんだ。
そんな愉快な森の宴に妖精たちも集まってきて、みんな輪になり幻想的なダンスを始めるんだ。
傍らでは焚き火がぱちぱちとはねて、星空はまばゆくて、月光は優しくて、吹く風はやわらかくて、草の匂いは芳しくて、そんな夜。

ときどき街から使いの者が来るんだ。
街に住むその国の王様からの使者だ。
俺は彼に、王様のためにこしらえた詩だとか絵だとか渡すんだ。
その引き換えに金貨をたっぷりもらうんだ。
金貨はたっぷりあるんだけど、僕にはこれで充分ですよ、と金貨を一枚だけ頂くんだ。
残りは貧しい人たちのために使ってください、俺はそういうんだ。
俺はそういう男なんだ。

そんな俺は街の連中に愛されているんだ。
王様は俺を実の息子よりかわいがるんだ。
街の娘たちゃみんな俺に夢中なんだ。
王様の息子、つまりその国の王子様のフィアンセもまた俺に夢中なんだ。
俺もまた彼女を憎からず思っているんだ。
自然と、二人はねんごろの仲になるんだ。

そんなある日のことだった。
嫉妬に狂った性悪王子が兵隊をひきいて俺の住む土地にやって来たんだ。
目障りな俺をぶっ殺しちまおうって魂胆だ。
暴力は何も解決しないと俺は叫ぶんだ。ついでに愛も叫ぶんだ。
手を大きく広げて、俺は威風堂々と立ち尽くすんだ。
「やっちまえ!」という王子の声に数千本の矢が俺に向かって放たれるんだ。
そこで、強い風がふく。風の力で、矢は勢いを失い地面に落ちる。
それから動物たちおよび妖精たちが森の中から飛び出してくるんだ。
俺を助けにきたんだ。
それだけじゃない、太陽、雲、風、木などの大自然がやつらをこらしめるんだ。
地震、雷、大洪水。森羅万象全て俺の味方。
こうしてやつらは街に逃げ帰るんだ

この事件を知った王様は怒って王子を勘当するんだ。
さらには、自分の死後、王の座につくのは是非俺にと言い残し、ぽっくり死んでしまうんだ。
かくして俺はこの国の王に君臨することになるんだ。
ここからが俺の手腕のみせどころだ。
なにせ俺の味方は大自然、母なる地球、あらゆる天災。
そんな俺の国であるから、アメリカや北朝鮮の軍事力なんか屁の河童なんだ。
だから俺、ガンガン他国を脅して金銭を搾取してやるんだ。
いつのまにかこの国は世界一裕福な国なるんだ。
王様はいろいろ窮屈なので、ある日、国のことは大臣どもにまかせて、
マンハッタン、セントラルパーク南のプラザホテルに移住するんだ。
グレートギャツビーよろしく毎晩パーティだ。
女優、モデルたちと浮名を流しまくる。
スキャンダルは全て圧力をかけて潰す。
目障りなジャーナリストやパパラッチは闇に葬る。
俺に意見する異端分子は徹底的に糾弾する。
俺の地位を脅かす危険分子には怒りの鉄槌を下す。
反革命的な日和見主義者には…って、ちょっとまずい話になってきたね。続けます。
優秀なブレーンを揃えて株式投資、先物取引、外国為替、不動産売買で荒稼ぎだ。
税金対策にもぬかりがなく、ありとあらゆる法の抜け道をくぐって財産を守る。
つぎに世界中の優秀な研究者を集めて、莫大な金をつぎ込み、ある研究に従事させる。
不死身の体を手に入れるための研究だ。
ありとあらゆるテクノロジーを駆使して、ついに俺は機械の体を手に入れる(右手に憧れのサイコガン)。
権力と金とにものをいわせて、やりたい放題やってやる。
こうして世界はいま俺のものだ。
俺の千年王国がいまここに誕生したのだ。
ガッハッハッハッハッハッハ。
ピース!

あーあ。
なんだこりゃ。
俺、暑さでおかしくなってる。

今日はもう無理。
次回にまわします。
次回、いよいよ最終回です。
宣言です。自分にいいきかせてます。
うまいことまとめるつもりです。
ではまた。

yujing

投稿者 hospital : 03:08

2005年06月07日

ロマンチストと会計学3

ども。ユージンです。
「ロマンチストと会計学」第三回目です。
いやあ、つづくなあ。三回目だって。
なんでつづいてんだろう。
別に書きたかないのに。
書きたいことなんかないのに。
不思議。いやんなっちゃう。

正直、めんどくせえ。
すげえめんどくせえ。

でも終わらせなくちゃなって思う。
書き出したからにはね、責任持ってやり遂げたい。
今日も俺は書くよ。
君が読んでくれてるかぎり、俺は書く。
最高の結末に到達するまで俺は書く。
このシリーズが美しい大団円を迎えるまで、俺は書き続ける。
そのときまで、あたたかく見守っていて欲しい。
俺は君を裏切らない。約束する。

で、本題に入る前に、そろそろ心苦しくなったのでいっておく。
前回、「クラクラ」の語源はクラッシュ&クラッシュって書いてあったでしょ。
あれ、嘘だから。ちょっと思いついたので書いてみただけ。
信じた?もしかして誰かに話したりした?
愚かだね、人は。笑っちゃうね。
だめだよ、なんでも闇雲に信じちゃ。このうっかりやさん。
もっと気を引き締めて生きていこうね。ガンバだぞ。

でも、こんなふうに嘘ばっかりいってると嫌われちゃうね。
君にも、みんなにも嫌われちゃう。
総スカンをくらっちゃう。
総スカン。

さて、この「スカン」はいったいどこから来たか。その語源は何か。
教えてあげるよ、俺が。もの知り番長のこの俺が。
総スカンの「スカン」はね、「スカンジナビア」から来てるんだよ。
かつてのスカンジナビア諸国といえば、海賊(ヴァイキング)たちがそりゃもうやんちゃをかましていたわけで、かの大国フランク王国さえも、他の強豪国さえも、海洋領域ではその存在に怯えていたわけで、非常に近寄りがたい怖い怖い存在だったと、ヨーロッパの嫌われものだったと、
そういうところから総スカンっていう言葉が生まれたんですね。
もう、ためになるなあHOSPITALは。すごいなあ。
なんつって、これ、いま思いついた嘘なんですけどね。あはは。
騙されてやんの。ざまあみろ。
でも本当のことをいうとね、あの「スカン」は動物のスカンクから来てるらしいですよ。
おならが尋常じゃなくクサイですからね。みんな近寄らない。みんな嫌ってる。
って、そういうことからきてるんですね。
とかいって、これも嘘なんですけどね。
ははは。でもこれはちょっと安易すぎたかな。
で、正直なところ、本当は英語のScumbagから来てるらしいですよ。
俗語で「ゲス野郎」っていう意味ですわ。いわゆる嫌われ者っすわ。
なるほど、納得だね。
なんてね。これもまた嘘。
はは。そろそろ呆れてきたかな?
で、本当に本当のところは関西弁の「好かん」からきとるっちゅうはなしですよ。
マジで。いやマジで。おい、ほんとだってば。ちょっと、おい、そんな顔すんなよ。
信じてよ。信じてくれよ。
もー。

さて、俺の悪辣なペンが調子づいてきたところで、お題目にはいりたい。

俺さ、「なんで会計学なんてやってるの?」って質問をよく受けます。
他の能無し野郎どもはわかるが、おまえはわからん、ってそういうことですよ。
で、きまって俺、こう答えます。
「旦那、そりゃもう金勘定が大好きだからでさあ(もみ手しながら)。お金様のことを考えるといてもたっていられんのでさあ。ふひひひ(歯茎をむき出しにしながら)。いや、なに、お金がたくさん欲しいってことじゃないでやんすよ。純粋にお金様のことを考えるだけでね、ふひひひ、その、エレクトしちまうんでさあ(股間を押さえながら)。どれ、ひとつ、旦那の家計のことについてでも、ちょいとあっしに聞かせてもらえんでしょうかね。ふひひひ。なあに、本当に聞くだけでげすよ。ふひひひ。ふひひ。ふひ。ふひひひひひ(涎をたらしながら。目を血走らせながら)」
するとみんなね、さげすむような目で俺をみるんですよ。かわそうな子、みたいなね。
でね、その目がね、またたまらんのですよ。ふひひひ。ふひひ。

嘘ですよ。
本当はまあいろいろとあるんすよ。
そのへんは追々。

あ。いま唐突に思い出した。
この質問をやたらしつこく俺にするやつがいて、会計学なんてくそおもしろくねえことやるなんて、おめえは異常者だな、がははは、って笑ってた男がいました。
そいつ、化学専攻してたんですよ。日本語のクラスもとってたから、たまに俺が教えたりしてた。
でね、化学はおもしれーぞ、おめーもやれよ、って俺に言ったりしてた。分厚い教科書もみせてくれた。
ところがね、化学専攻って嘘だったんですよ。日本語のクラスをとってるってのも嘘。
どういうことかっつうと、そいつね、なんと、学生じゃなかったんすよ。
ただの家出少年で学生偽って学校に住み着いてた本物の異常者。
クラスに出席するふりしたり無意味に教科書持ち歩いたり受けてもいない試験のこと話したりする完全なる異常者。
そんな、ちょっとありえない実話の詳細は今回関係ないので、またいつか。

話し戻します。

「会計学っておもしろいの?」ってのもよくいわれます。
愚問だね、これは。会計学、面白いっすよ。もう最高に面白い。
LIFOとFIFOとかいってさ、計算方法で売上総利益が違ってくるところなんてもうゲラゲラ笑えてくるね。
加速化する減価償却とか、包括的利益累積額とか、そんな言葉聞いただけで吹き出しちゃうもんね。
あと俺、暇さえあればアメリカ企業のincome statement眺めてるもん。くすくす笑いながら。
コカコーラがいいんだよなあ。あの安定っぷりがたまんねえんだわ。笑けるんだわこれが。

なんてね。
嘘だっつーの。
んーわけねーだろーが。
おもしれーわけねーだろーが。
つまんねーこときくんじゃねーよ、ばーろー。
ばーろーめ。

なめとんのか。
なめとんのか、わーれー。
いてこましたろか、わーれー。

わーれー。

わーれー。

わーれー。

ばーろー。

わーれー。

ばーろー。

(おや、愉快な気分になってきたぞ)

わわわわわーれー。

ばばばばばーろー。

(はは、おもしれえ)

ばばばばばっふぁろーどーたー。

(くすくすくす)

ぱぱぱぱぱふぃー。

(これはいまいち)

ででででですきゃぶふぉーきゅーてぃー。

(はははは)

すたすたすたーうぉーずえぴそーどすりー。

(あははははは。旬だね)

わけがわからん。
なにを書いてるんだろう、俺は。
もうすぐ東海岸は午前2時。

深夜は怖いね。
深夜はひとを馬鹿にするね。

ああ、眠い。
ものすごく眠い。
いま限界がきちゃったなあ。
もう書けないなあ。
また次回にのばそうかなあ。
そうしようかなあ。どうしよう。

わりい、そうするわ。
ではまた次回に続きます。

yujing

投稿者 hospital : 14:30

2005年06月05日

ロマンチストと会計学2

前回のつづき。
の、はずなんだけど、しばらく間が空いたもので何を書こうとしていたか忘れてしまった。テストも終わったしね、睡眠ばっちりだしね、不満やジレンマはどこかにいってしまったのですね。
はて、いったい何を書こうとしていたのか。お題は「ロマンチストと会計学」。我ながら難しいテーマを掲げたものだ。
だらだら書きながら思い出していきたい。

いま俺ものすごい朝型。6時に起きてる。
6時に起きてスウェディッシュパンケーキというのを毎朝作って食べている。
美味しい。膨らまない薄いパンケーキです。もちもちしてる。ジャムなどをつけて食べています。
俺の場合、牛乳はつかわず豆乳をつかいます。俺、豆乳クレイジーだから。
もうさ、牛乳なんてさ、体が受け付けない。脂くさくって飲めやしない。
シリアルにも豆乳。コーヒーにも豆乳。なんでも豆乳。
豆乳を投入。ソイミルクをそソイでます。
牛乳なんて、モーたくさん。みんなも、牛乳をカウのはよしなさい。
豆乳には体にだいずな栄養分がたくさん含まれているだすよ。
大豆パワーであっちのほうもビーンビーンだす。

ごめん。ほんとごめん。

先日、機会があって性格診断とやらを受けた。
どこかに提出するというわけではないので、まあ飾らずに、ごく自然体で受けてみたわけだ。
でまあ当然、妙な工作がないわけだから、信頼度数とやつが非常に高い結果になって、この診断をそのまんま鵜呑みにしちゃってよいですよ、って言われたわけだね。綺麗なお姉さんに。
驚いた。その結果に。

このページをみている大半の人たちは実際の俺に会ったことがないわけで、
俺のひととなりについて全く知らないわけだけれど、
たぶん、思うに、とんでもないヤツを想像してるんじゃないかと思う。
だって、毎回毎回たわけたことを長々と書く俺。どう考えてもまともじゃないよね。
ネットでしこしこ小説じみたものを書いたりしてね。根暗そう。内気そう。
それでもって、やってることが会計だろ。地味、堅いって思うでしょうね。
内向的で社交性がなくて地味でお堅くて分裂症気味で妄想癖&虚言癖を煩う馬鹿。
ユージンってやつは、そんな社会不適合なかたわ君に違いないと思ってるかもしれない。
いや、思ってる。思ってるはずだ。そうだろ?思うろ?思うんろ?

ところがどっこいだ。
ちがうんだなこれが。まったくちがう。
もうね、バリバリ。社交性とか協調性とか積極性とか、そういうのバリバリ。
外向的とか、親しみやすいとか、ユーモラスとか、リーダー気質とかね、
もうなんだか素敵なことばかり書いてあったですよ。
気分屋とか気長にこつこつやるのが苦手とかそういうネガティブなことも書いてあったけどさ、おおまかにみて、「あ、こいつ、デキる」って思わせる人間像がそこにあったですよ。

驚いた。ものすげえ驚いた。俺自身が一番驚いた。
なんだろうこれ。たちの悪い冗談だろうか。
こんなはずじゃなかった。怖いんだけど。
「あ、こいつ、デキる」っていうより、
俺的には「あ、こいつ、嫌なやつ」ってかんじでもあって、
悲しい気分でもあるんだけど。
何かの間違いじゃないだろうか。

しかし、綺麗なお姉さんがこれは信頼できる診断だと言い切った限り、
俺はこの結果を真摯に受け止めなければいけない。
綺麗なお姉さんのいうことはいつだって正しいんだ。

確実に昔は違ったと思う。
シニカルでとっつきにくくて自分勝手でニヒリスト。
それが俺だったんじゃないだろうか。
「もっと人の温かみに触れなさい」
というF先輩の説教を鼻で笑ったあの日の俺はどこへいったのか。
俺、いつからこんな人間になっていたのだろう。
いったい何が俺を変えたのだろう。
アメリカだろうか。アメリカのせいだろうか。
ガタイが良くなったのは確実にアメリカのせいだけど、
性格まで変えられてしまったのか俺は。
アメリカってすごいなあ。
アメリカよ!あめりかよ!(落合信彦著)
ってかんじ。

それでまあ、俺は俺を見直しました。
俺、あらためて、俺に自信をもちました。
俺、俺を再認識です。いま俺の中で俺が一番アツい。
さらにいうと、俺、俺に恋をしちゃった。
英語でいうと、I have a crush on myself.
俺の恋の相手は俺自身。My crush is myself.
米国では恋に落ちた相手のことをクラッシュと呼びます。
ためになるね、HOSPITALは。
あと、「君の瞳にクラクラさ」とかいうでしょ、
あの「クラクラ」の語源はクラッシュ&クラッシュから来てるんだよ。
ほんとためになるね、HOSPITALは。

さて、そろそろ「ロマンチストと会計学」というお題目についての話をしましょうか。

ロマンチスト。
正確にいうとロマンチシスト。
うーん。それっていったいなんでしょう。

いま辞書で調べた。
ロマンチシスト [romanticist]
(1)ロマンチシズムを主張する人々。浪漫主義者。
(2)空想家。夢想家。

意味が二つ。
前回の場合、俺は(2)の意味を持ってロマンチストを語ったわけですね。
これ、どうですかね。空想家とか夢想家とかいって、空想、夢想の類は人間誰しもするんじゃないですか。
となると、俺たちゃ全員ロマンチストってことになる。しかし、世間じゃそういうことにはなっていない。
じゃあ、どんな人を指してロマンチストと呼ぶか。

みんながロマンチストって言葉に抱くイメージってどんなもんよ。
狂気じみてるとか、社会と隔絶した存在とか、
そこまではいかなくても、地に足がついてない、とか、そういうイメージない?
紙一重、っていう言葉で括られるようなそんなイメージ。

でまあ、こないだは軽々しく俺はロマンチストだといってしまったわけだけど、
その後で受けた性格診断の結果が上記のようなことになってしまったわけで、
社会にいいかんじで適合しちゃってますよっていう診断を受けてしまったわけで、
そんな俺がだね、果たして、ロマンチスト(正しくいうとロマンチシスト)と名乗っていいのかっていう問題。

性格診断によれば、俺、かなり快活&健康的な男ですからね。
「屈折」とか「生き難い」とかそういうのとはまるで縁がない。
鬱とか引きこもりとか、ありえないっすよ。
そんなもん、腕立てとプロテイン一気飲みでぶっとばしちゃいますよ。
心も体もすこぶる健康。狂気なんぞ微塵もない。
そんな俺。
ロマンチスト?
どうでしょう。

で、たまたま最近読んだ本にですね、
「ロマンティックな狂気は存在するか」っていう精神科医の人が書いた本がありまして、そこにこう書いてあったですよ。
「彼ら狂人たちの発想は非常識で非現実的ではあるが、(中略)陳腐でチープな思いつきでしかない。現実に立脚しない詰めの甘さによって、キッチュな味わいすら欠ける」と。

つまり、ロマンティックであることと、精神に異常をきたしていることはちがうというわけですよ。それは単なる脳みその生化学的異常だかんね。優れた想像力によってもたらされたものではない。
実際は、狂気は狂気にすぎず、そこから生まれる想像はロマンティックの度合いとしては低い。むしろ、健全な精神にこそロマンティックは宿る。
(このロマンティックというのは創造的であるという意味でのクリエイティヴって言葉に置き換えてもいいと思います。)

でまあちょっと乱暴な展開ではあると思うんだけど、精神の特異性でもってロマンチストかそうでないかを判断するのはできないってことは、そこから生まれる性格とか特徴とか志向とかアイデンティティでもって、「変わりもん」とか「かぶいてる」とかいわれてしまう人の発想がロマンティックな傾向にあるというのもまたいえないわけです。
ですから、別に俺は精神を病んでないし、奇異な性格ではないけど、充分にロマンチストを語れるってことになります。

余談ですが、協調性がないとか、変わってるとか、社会不適合者であるとか、ああいう悲しいことを自称する人がいますが、きまって嬉しそうに言うのはなぜか。
それから、世間は、どうもアートとかそういう創造的なことをする人に甘いとことがありますよね。どんな奇行をしでかしても、あいつ、アートやってっから、クリエイティヴバリバリだから、みたいなふうに許したりする。
あれはおかしいっすよ。完全に間違い。関係ねえぜ、そんなもんは。あまったれんじゃねえぞこら。なめんなよてめえ。ツラかせや。タイマンでケリだべ。

取り乱しました。

さて、ロマンチストについて語った一方で、今度は会計学。
会計学のイメージはどうか。
前述したように、地味で堅いって思うでしょうよ。
実際、会計学やってますなんていうと、大抵の人は、退屈な野郎だなあって顔で俺をみます。
先日も会計学専攻の人間だけ集めてパーチーをしてみたんだけどね、
全く関係ない友人を誘ってみたところ、「堅物ばかりでつまんなそう」と一蹴されました。
これが、アートとかね、フィルムとかね、フォトとかね、そういうことをやってます、となるとウケがいいんだよな。
NYっぽい。素敵!ってことになる。クール!ヒップ!オサレ!ってことになる。
でもはたして、彼らが俺よりロマンティックおよびクリエイティヴであるかどうかっていったら、これ、あなた、わかりませんよね。

だって、前述したように個人の内的および外的特徴、さらにはアイデンティティでもってロマンチストか否かを判断できない。(クリエイティヴしかり)
ならば、何をもってロマンチストとするか。
これはもう純粋に空想・夢想の度合いとそのクオリティによって決まるっていうことになりますよね。
同じく、クリエイティヴかってことになれば、その個人が創造した作品とかアイデアのクオリティから純粋に決められなければなりませんよね。
つまり、クリエイティヴなことを勉強していれば創造力溢れる人間かっていったら必ずしもそうじゃないっすよ。
他にも、ロモのカメラ持ち歩いてたり、ギャルソンのスーツ着てたり、ベレー帽被ってパイプ咥えてたり(ま、それは古い発想ですけど)、そうしてる人がクリエイティヴな感性を持っているかっていったらそうとはいえないっす。
リンチの映画が好きだ、バウハウスのデザインが好きだ、シカゴシーンにおける音響派ポストロック(これは微妙に古いですね)が好きだっていったところで、やっぱりその人の創造力なんてわかりゃしないっす。そんな個人情報は無意味なんす。
結局、彼らのつくりだしたものから判断しないことにはわからない。
空想・夢想を吐き出させなければ、そのロマンティック具合などわかりゃしない。

それから逆に、俺は全くフツーな外見(たぶん)をしていて、趣味はまあ多いほうだけどその加減は人並み(たぶんな)、性格は診断どおりならばいたって健全、それでもって全然ロマンティックじゃない学問をしている。
でも、ロマンティックじゃないとはいえない。クリエイティヴじゃないとはいえない。
それは俺の空想・夢想、それを文章化したものを読んでみてこそ、はじめてわかるっすよ。
それで誰かが、「ま、このひとってば、最高にロマンチストさん。いかす」ってなったならば、俺はロマンチストっていえるっすよ。

だからよお、何が言いたいかっつうと、
ロマンティックな会計学専攻は存在しうるってことっすよ。

で、それがどうしたって話になってくるんだけど、
今回はちょっとまとまらないので、次回に。
俺、次回の俺に期待です。


あ。今日、アート関係に強いヒップな本屋さんに行ったんだけど、
そこで世界の坂本ドラゴンワンさんをみたよ。
さりげなく隣に並んで雑誌読んでみた。イエーイ。

yujing

投稿者 hospital : 22:36

2005年05月27日

ロマンチストと会計学1

ぶっ殺すぞこのやろう。

と、のっけから暴言を吐いてすいません。ユージンです。
俺はいますごく気が立っています。
苛立っています。
なぜか。

試験期間中だからだ。
寝不足なのだ。でも猛勉強しなきゃいけないのだ。
しなきゃいけないのにこんなものを書きだしてしまったのだ。
発作的ウサ晴らし的バリゾーゴン式現実逃避をズバズバズバババっと脳みそから怒涛のごとく垂れ流したくなったのだ。
ついでにいうと、ちょっと手の込んだ料理の最中でもあるのだ。
鍋がブツグツブツグツ煮えているのだ。
むふふ。むふ。大根といわしの煮物なのだ。これを肴にビールをウグウグと飲んだらさぞかし幸せだろうなあ。でも勉強があるからなあ。
そうはイカの塩辛ピーナッツ和えなのだなあ。
むむむ。いかんいかん、いよいよ本格的にビールをウグウグしたくなってきたのだ。
ちょっと椎名誠風に書いてみたのだ。

しかしまったく腹が立つのは俺がいま読んでいる教科書。
電話帳みたいに分厚いこの教科書。会計学のこのクソったれな教科書。
字が小さい。色気がない。てんで面白くない。気の利いたジョークのひとつもない。
夜通し勉学に励むこの俺にねぎらいの言葉がひとつもない。無愛想すぎる。
で、一番むかつくのが、この教科書の練習問題に出てくる架空の会社のそのネーミング。
いま目に付いたのをピックアップしてやる。
Green day corporation, Boyz 2 Men corporation, Alanis Morisette company,Smashing Pumpkins company…etc。
ぶっ殺すぞこのやろう。
中途半端な茶目っ気だしやがって。若者に迎合しやがって。誰がこんなもので喜ぶかっつうんだよ。むしろ怒りがこみ上げる。ムカムカする。会計学なんかやってるお堅い連中は、これくらいでウヒャウヒャ腹を抱えて大笑い、とか思ってんのかしらん。
なめんなよ。

畜生。

ときどき俺は自分のやっている学問にジレンマを抱く。
いったいこんな勉強何の役に立つんだ!とかそういう青臭い上に身も蓋もないようなことではない。
むしろ、問題は役に立ちすぎるところだ。実践的すぎてロマンティックのかけらもない。それが俺を辟易させる。
俺のように、常に心はインドリーム、放つ言葉は全てポエムで、くしゃみ、しゃっくり、足音はメロディー。俺の瞳は100万ボルトだし、人は俺を「地上に降りた最後の天使」と呼んだり呼ばなかったり。
とにかくもう大変なロマンチスト。
全身ロマンティックの塊みたいな男なんである。
ロマンティックが服着て歩いているんである。
俺こそがロマンティックなんである。
(さあ、いよいよ頭がおかしくなってきたぞ。もう寝なくちゃ)

そんなロマンティックな俺に、この学問はあまりに不似合いではなかろうか。
と、深夜に考え込んだりする。バナナを食べながら。


おいしいね、バナナは。本当においしい。あと黄色くてかわいい。
三日月みたいだよね。うふふ。
やあ、小さなお月様が僕の電卓の横に転がっているよ。
(どうだい、このロマンティックっぷり)
バナナはいいな。バナナには悩みなんてないんだろうな。
ぼかあ、バナナになりたい。
バナナになってバナナの世界に住んでバナナの言葉で話すんだ。
(もうロマンティックの大サービス)

ねえ、神様。ぼくはどうしたらバナナになれるのかしらん。

え?すでにもう僕はバナナじゃないかって?
そりゃいったいどういうことだい?

ふむふむ。
外はイエローで、中はホワイト。。。
むむむ。
つーまーり、西洋かぶれの東洋人ってわけか!
ありゃりゃ。こりゃ一本とられたわい。
ワーハッハッハッハ。

馬鹿馬鹿しい。
料理もできたので、もう寝ます。
この話、次回につづきます。
じゃ。

yujing

投稿者 hospital : 18:07

2005年05月19日

アレのつづき

髪を切った。
俺の漆黒の髪は伸びに伸び、
まるであだち充漫画の登場人物のように重苦しい様相であったので、
どれ、ひとつさっぱりしようかと思いたち、行きつけのメキシカン美容院へ行って来た。
ここは南米人コミュニティの中にある店なので、日本人である俺は大変珍しいらしく、
いつもちやほやされる。というか、好奇の目でみられる。店員にも客にも。
今回はウケをとろうと思ってスペイン語でLos Bitle(The Beatles)と書いてあるTシャツをわざわざ着て行った。
しかし、誰からもつっこまれず、さびしい思いをした。もっとちやほやしろよ、この野郎。
俺を担当した新顔のお兄ちゃんはまったく英語が話せなかった。
店の女主人が通訳してくれたものの、お兄ちゃんはどうも不安そうなまま髪を切り出した。
結果、まったく予期せぬことに、俺の頭は角刈りになった。
ラブコメから一転、任侠っぽく仕上がった。
まあ、これはこれで男らしくていいんじゃないの、と思ってうちに帰ると、
同居人に笑われた。いつもならゲラゲラーと、そういう笑い方をしてくれるのだが、
今回は、なんていうの、こう、ニタニターっとした笑い方で、
「やっばあ」という心の声が聞えてきそうな、そんなかんじであった。
俺は平静を取り繕ったが、その実、たいへんなショックを受けていた。
ちかいうち俺に会う人は注意深く俺に接して欲しいと思う。
もし俺を傷つけたそのときは、背中の唐獅子牡丹が黙っちゃないぜ。
とめてくれるなおっかさん、って、そういうことだぜ。

さて、今日は書く。アレのつづきを絶対書く。
毎回書こうとは思ってるのだがどうも気が乗らなくて、
別のことを書いてるうちにきまって無駄話がすぎて長くなり、
次回にまわすという羽目になる。
でも今日の俺は違うぜ。書く。なにがなんでも書く。
しかし、最初にことわっておきますけどね、今日の俺はかなり期待薄。
そもそも「アレ」呼ばわりしてる時点であの話にまったく愛着もやる気もないことがわかるだろう。
正直、億劫である。くだらないと自分でも思っているし、とんでもない話を書き始めてしまったと思う。
でも俺は書く。逃げない。絶対書く。「でもやるんだよ!」の精神だ。
(懐かしいね、このフレーズ)

以下、アレの回想のつづき。

「おいおい、おまえらのせいで俺のアニエスのシャツが台無しだよ」
呆然と立ち尽くす二人。さらに俺は空手チョップでさっきまで腰掛けていたイームズの椅子を叩き割る。
小沢があわてて土下座する。そしてこう言う。
「へへえ、恐れ入谷の鬼子母神でございます」。
俺の怒りはおさまらない。
「迷惑なんだよお前ら。そもそも誰のおかげでここまできたと思ってるんだ!」
小山田も土下座する。そしてこう言う。
「ユージンさんのおかげです。あたり前田のクラッカーでございます」
騒ぎを聞きつけたスタッフたちが楽屋に押し寄せる。
「ユージンさん、どうしたました?」
「なんでもないよ。ちょっと、この二人に説教たれてたところだ。いつものことさ」
やれやれ、といったかんじでスタッフたちが小沢と小山田をあきれた顔でみている。
「お前らよお、今度俺を怒らせたらバンド解散だって前に言ったろ!」俺が叫ぶ。
小沢が謝る。「すんません、ユージンさん。それだけは勘弁してつかあさい」
小山田も謝る。「すんません、おれ、ユージンさんなしじゃやっていけないっす」
気がつけばスタッフ全員もまた土下座している。
「ユージンさん、俺たちからもお願いするっす。ユージンさんは日本音楽界の宝です」
ここまで言われて、バンド解散を強行するほど俺も鬼じゃない。
「そうかそうか。わかったよ。バンド解散は撤回する。でももう二度と俺を怒らせないと約束してくれ」
二人が泣きつく。
「ユージンさん、あんた、本当に寛大な人だ」
「ユージンさん、あんた、モーレツにビューティフルだ」
「うんうん。そうかそうか」俺、二人をきつく抱きしめる。
スタッフたちが拍手する。泣いてるやつもいる。
ここで俺、しんみりした空気を払拭したく、とっておきのギャグを放つ。
「そうかそうかの草加煎餅、てかっ。ガッハッハッハ」
スタッフ全員爆笑。しかし、小沢と小山田びいびい泣くだけで、まったく笑わず。
俺、気分を害する。ここで当時中学生の俺、中学男子特有の気まぐれが炸裂。
「わりい。やっぱやめた。今日でこのバンドおしまい」
「えー。そんなー」小沢と小山田が同時に嘆きの声をあげる。
「おうおう、文句あんのか、あんちゃんたちよお。二度と口のきけない体にしてやろうか」
指の関節をパキパキと鳴らす。号泣する二人。肩を落とすスタッフたち。
「そんなにバンド続けたきゃなあ、二人仲良く墓場でやりな!」
そういって、俺は硬く握り締めた拳をふりあげる。
「ひゃああああ。殺されるうううう」
そう叫びながら、小沢と小山田、一目散に楽屋から飛び出していく。
これにてバンド解散。
俺、父親に電話して車で迎えに来てもらう。
車中、楽屋での出来事を父親に告げる。
「お父さん、俺、今日でバンドやめたよ」
「そうか…じゃあこれからすこし暇になっちまうな…」父親の眼鏡がキラリと光る。
俺、そのまま父親に河合塾のグリーンコースに放り込まれる。
これで俺の音楽活動が完全に停止。
おわり。

で、以上の簡単な解散劇からどうして「渡辺満理奈のとりあい」なんて根も葉もない噂が浮上したかというと、なにせ、もう10何年も昔のことですから、当時はまだ活版印刷も発明されてない時代で、さらには、まだ庶民は文字の読み書きも満足にできないなんて世情でしたから、これらのやりとりが口頭伝承で庶民の間に伝わるうちに、俺が最後に二人に言い放った言葉「墓場でやりな!」がどういうわけか「わたなべまりな」に変わってしまい、間違った解釈でもって、妙な噂が広く世間に流布してしまったと、こういうわけだったんですね。
はい、これにて、おしまいでーす。どーもご精読ありがとうございましたー。
またねー。じゃーねー。

投稿者 hospital : 23:17

2005年05月12日

あの兄弟をみた

なんとなんとそこには…。
というわけで前回のつづきですが、ちょっとその前に。

iPod miniを買うなら何色?
という質問を以前から周囲の友人らにしていたわけだけど、驚いたことにみんな同じ答え。ゴールド。俺周辺のアンテナ高め、でも収入低めのトンガッタ連中はみーんなminiを買うならゴールドがいいと言う。
たしかにいい。あれは品のいいゴールド。サイズ的には子供のころもってたゴールドライタンシリーズを思い出す。ゴールドライタンっていうのは、ライターがロボットに変身するオモチャ。最高にナンセンス。でもカッコよかった。
だから俺はばりばりゴールドのminiを買うつもりでいた。俺の黄金色の人生のために。
しかしだ。もうiPod miniにゴールドは売っていないという事実。知らなかった。気がつきませんでした。たぶん不人気だったんだろう。俺のまわりじゃあんなに人気色だったのに。さすがだな、あいつらは。
で、現在あるのはピンク、ブルー、グリーン、シルバー。こんだけ。おかしいこれは。少なすぎる。イエローとかオレンジとかくされみかん色とかどうしてそういう俺好みのがないのか。もっとたくさん色を出しやがれ。きっと黒色なんかもカッコいいぞ。
特別に家紋をいれるサービスとかしてさ、印籠みたいにしたら老人にうけると思う。
もちろん、そんなダサいもの俺は欲しくない。

でまあ、ピンク、ブルー、グリーン、シルバーですよ。
さあ、この四つから何を選ぶのが良いか。順に考察していきたい。
まずピンク。ピンクは好きだがあのピンクはまずい。
あれは地方国立大学に通う女子大生が好むピンクだ。地味。ださい。薄幸そう。
次にブルー。これはねえ、ボーイッシュ気取りの女子中学生が好む色だ。
女は赤なんて誰が決めたのよ!ってなかんじだ。そんでもって、持ってるもの何でも青色じゃなきゃ気がすまないタイプ。
次にグリーン。これはいいですね。グリーンは目に優しい。涼しげ。竹林のイメージです。あとジャングルで敵にみつかりにくい。あと環境保護ってイメージ。俺は環境保護と自然食が大好きです。
最後にシルバー。これは、実にメタリック。実に金属!ってかんじがする。
これを好むのは、ロボットヒーローものが好きなやつ。もしくは、金属ゲージツ家の熊さんか金属ノイズでお馴染みノイバウテン。
ノイバウテンは絶対シルバーのiPod miniを愛用していると思う。演奏にもつかってる。床に叩きつけたりしてる。チェーンソーで切ったりしてる。
というわけで、いいですか、みなさん。以上のことをふまえて、iPod miniを買うならグリーンが正解です。あとは全部間違いです。間違った色を買った人は猛省してください。
ついでにいっておくと、ベン&ジェリーのアイスクリームはチェリー&ガルシアが正解です。コーラはチェリーコークが正解です。マルチャンラーメンはシュリンプ味が正解です。ハーシーズのチョコレートはクッキー&ホワイトチョコが定番となりつつあり、シリアルはオレオ味がいま一番ヒップとされています。
プリングルスの新製品のチリチーズ味はメキシコ料理の味がします。
以上アメリカからユージンがお伝えしました。
(俺は自然食も好きだけどそうじゃないものも大好きです。)

さ、「なんとなんとそこには…」のつづき。もういきなり書く。
なんとそこには、あの最強映画ブラザーズ、あの天才脚本ブラザーズ、あのヒゲモジャ天然パーマ眼鏡ブラザーズで仰せられるところの、みんな大好きコーエン兄弟の写真がプロジェクターに写されていたわけ。そんでもって、コーエン兄弟の講演(別にシャレじゃねえよ)が本日8時から開催されると書いてあったわけ。
時計をみたら7時40分。こりゃいそげってわけで、グリーンのiPod miniをすばやく購入。満員の観客席、その最後の列のすぐ後ろを陣取った。
立ち見客がどんどん増えていく。どいつもこいつもデカい。俺、いい場所とったと思う。
そんで、8時をすこし過ぎたあたりに現れた、コーエン兄弟。ジョエルとイーサン。
ジョエルさん革のライダースジャケット着てたね。かっこよかったね。イーサンさんはラフな無地の長袖シャツね。やさしそうな顔してたね。
内容は、ものすごくかいつまんでいうと、「アップルのFinal Cutって素敵!便利!」ってそういうお話でした。
客層は美術系学生風のひとたちが多かった。フレームの太い眼鏡にコンバースはいたタイプね。あとオッサン。自主映画やってますってかんじのオッサンがいっぱい。あと老人。暇だしタダだし来ましたってかんじ。
NYの無料イベントはどこにいっても老人だらけ。こないだ、ミュージカルのリハーサル公開をみにいったんだけど、無料だったから。そしたらもう老人ばーっかり。若者なんて俺と一緒にいった友人くらいしかいなかった
で、コーエン兄弟の話に戻すと、質問タイムなんかがあったわけだが、こういうとき俄然張り切るのがオッサン連中。質問の嵐。一度指名されたら、ずっとそのまま質問しつづける。そんでもってちょっとトンチンカン。
それをね、まああのお二人は苦笑しながら優しく答えてましたね。
あとおそらくインド人の青年がだね、インディペンデントフィルムフェスでNYに来てるんすけど、おらっちもファイナルカットつかって映画こさえたとです、もしよろしければそのDVDコピーを受け取っていただけやしませんでしょうかね、といったところ、もちろんさ!ってかんじであの兄弟は受け取ったね。でまあ当然のようにそれに便乗するものが二人いて、俺のもみてくれって、全部受け取ってましたね。優しいね。かっこいい。
ところで、こういう会場できまって一番前あたりに座って目を輝かせて、講演者の一言一言に、うん、うん、わかる、ってうなずいて、さして面白くないジョークに笑ったりする連中ってのがニューヨークでも日本でもどこでもいるもんですね。アッピールしすぎだっつうの。さもしい。ばかめ。畜生。ていうか、俺だってコーエン先生たちにアッピールしたんだよ。俺のキラキラした東洋の神秘的眼差しにインスパイアされたコーエン先生方がだな、おもしろい脚本を思いつくかもしれないじゃないか。すごい映画ができるかもしれないじゃないか。
たとえばだ、舞台はNYのとある大学、ある日、ひとりの日本人留学生のLとRの発音間違いをきっかけに(例:clapとcrap)、侮辱されたと勘違いした韓国人教授は怒りのあまり彼の頭を研究室にあったコピー機に叩きつけて殺してしまう。必死で証拠隠滅をはかる韓国人教授。そこへ現れた中国人女性の助手。今度は彼のFの音の聞き間違い(coffeeとcopy)をきっかけに殺人がばれると勘違い、中国人助手も殺してしまう。しかし、その後、この中国人助手にチャイニーズマフィアの兄がいると知った韓国人教授。もし、彼に殺人がばれたら自分も絶対殺されてしまう…。再び必死で証拠隠滅。殺人はばれずなんとか平和な日々が続く。そんなある日、突然消えた妹を探して中国人マフィアの男が韓国人教授のもとへやってくる。動揺をかくせない韓国人教授。何も知らない中国男。中国男がぶっきらぼうに自分の名をいう。彼の名はユーダイ。それをきいた瞬間、韓国人教授は恐怖のふちに叩き落されるのであった…(補足:ユーダイを英語でいうと、You die!)。とまあ、こんなかんじに歯車がどんどんずれていって主人公がどんどん追い込まれていって、めくるめくるフィルムノワールが展開されるってわけよ。(ちょっと面白いねこれ。今夜はこのつづきを考えながら眠りたいところだ)

しかしまあ、俺の前に座っていた中国人はすごかったね。コーエン先生たちが話してるっていうのにずっとパワーブック開いて転職サイトみてた。たぶんネットがやりたかっただけなんだろね。あそこはタダでネットできるから。でも失礼だろ。老人だって立ってみているのに、のうのうと座りやがってまったく。

というわけで、今回はコーエン兄弟をみたっていう自慢話でした。
ではまた。
(例のアレの回想のつづき、次回こそは書きます。)

yujing

投稿者 hospital : 15:47

2005年05月11日

iPod miniを買いに

ささやかながら昨年度の税の環付金が小切手で届いた。
その金でiPod miniを買った。
普通のiPodではなくminiにしたのは白色が嫌だったからだ。
公立中学の指定スニーカーじゃねえんだから、あんな軟弱にまっちろいもの、
ハードボイルドのこの俺が持ち歩けるかっつうんだ。
でもあとあとのことを考えれば、容量が豊富な普通のを買えばお得なのにー、
なんて貧乏くさいことを抜かしてるそこのお前。
いいか、容量なんてものはたいした問題じゃない。大切なのは美学だ。生き方だ。
あんなまっちろいiPodをいつまでも有難がって使っているようじゃ、
てめえの人生すらもまっちろで軟弱なもやし色、または小便くせえ便器色になっちまうぜ。
俺はなあ。俺はだなあ。短くてもいい。カラフルに生きたい。そう思ったんだ。文句あるか。
でもすぐ容量一杯になって後悔すんだぜ、とか思ってるそこのお前。馬鹿野郎。
容量が足りなくなったらもうひとつ新しいiPod miniを買うまでだ。
もしくはiPod shuffleを4,5本買ってもいいと思ってる。
shuffle自体もシャッフルして使うって寸法だ。どうだ名案だろ。まいったか。
でも本当のことをいうとな、予算が足りなかったんだこのやろう。なめんな。
貧乏なめんな。貧乏は怖いぞ。強いぞ。すごいぞ。マジで。ずっと前からそう思ってた。
かねがねそう思ってた。かねがね思ってた。貧乏だけに、カネガネー思ってた。
ああ、くるしい。無理して駄洒落いった。ごめん。

でまあ、miniを買うと決めたもんだから、
今日の授業中、頭の中はminiのことでいっぱいだったわけ。
ネットで買えば本体の裏側に好きな文字をいれてくれるとのことで、
どんな文字をいれようかって、そのことばかり考えていた。
せっかくなんだからさ、何か気がきいてたり頓知がきいてたりするような言葉いれたいじゃない。見た人がハッとしてグーってなるようなやつをいれたいじゃない。
でも英語じゃなきゃダメなのよね。するとうまいこといいのが思いつかない。
日本語だったらこう「覆水盆に返らず」とか「臥薪嘗胆」とか「酒はのんでものまれるな」とかね、こう素敵な言葉がいれられるじゃない。いや、素敵じゃないけど。まあリアルなかんじのやつが。

ところで、急に思い出したんだけど、こないだNBAみてたら腕にでっかく「勉族」って刺青がしてある選手がいたんだけど、あれはいったいなんなのか。どういう意味なのか。
あ、もうひとつ思い出した。以前、セントラルパークで腕に「誇らしさ」って刺青をしたカッコイイお兄さんがいた。まちがってますね。きっとPRIDEって意味でいれたかったんでしょうね。「らしさ」っていうひらがなの部分が最高にカッコ悪かったです。
あ、また思い出した。地下鉄で首の後ろに「獣」っていれた獣(けだもの、と読んで)みたいな女の人がいた。やばいですねあれは。まんまってかんじ。
最後にひとつ。ちょっと前に古い女友達の旦那ってのがNYに来たのでお茶をしたんです。
これがなかなかの好青年でして、あいつ、いいひとみつけたなあ、とか昔の男みたいなことを思いつつ、彼にNYに何をしにきたかきいたんです。そしたら、「刺青いれにきた」だって。
すでに腕にはものすごい精巧な虎の刺青がはいってました。
あ、闘えラーメンマンだ、猛虎百歩拳だ、と思ったけど、口にはしなかったです。アホだと思われるから。
それと、こんなすごい刺青、仕事先とかで大丈夫なのかしらと思ったら、仕事はしてないから問題なかったみたいです。
あいつ、すごいのと結婚したんだなあと思いました。
さいきん子供が生まれたそうで、帰ったら頑張って仕事を探すと言ってました。
まったく、ロックロールだよ、人生は。
閑話休題。

で、英語で文字をいれるとなるとね、辞書片手にいろいろ考えたんだけど、なんかしっくりこない。
どうもうそくさい。気取ってる。すかしてる。白々しい。
でまあ、iPodつったら音楽じゃない。
だから、好きな歌詞の一節とか、好きなバンド名とかそういうのいれたらいいんじゃないかと思ったりしました。
まあ、それって中学生が机に彫刻等で「BOWY」とかって彫るのと変わらないんだけど、いつまでもピーターパン、万年思春期、sweet sixteen until die、いつも心にDon't trust over 30の俺としては、それも逆にいいかなと思ったんです。
で、いろいろ考えたんだけど、俺、特に好きだっていうバンドがない。
音楽はわりとたくさん聴いてるほうだけど、特に夢中になってるバンドはない。
悲しいねこれは。キャバクラはよく行くけど特にお目当ての娘がいるわけじゃない、みたいなかんじですかね。知らんけど。
でまあ、最終的に思いついたのが、「U2」。いや、好きじゃないんだけど。
でもiPod miniに「U2」ってはいってたらどうよ。iPod miniのU2モデルって嘘つけるじゃない。自慢できる。U2好き騙して高値で買わせたりできる。こりゃいい。ナイスアイディア。
と、思ったんだけど、結局あれこれ考えてるうちにいますぐ欲しくなってしまって、ネットショッピングはやめて自分の足で買いに行きました。
わざわざNYのオシャレエリアSOHOのアップルストアに。学割がきくから。
ここは店のすぐそばにいつも南米人の指人形屋さんがいます。出店だしてる。
たぶん思うに、アップルストアでShuffleを買ったら、この指人形をカバーにしちゃえばすっごくオシャレですよ、っていう提案をしてるんでしょうね。素晴らしいです。俺は指人形まにあってますけど。像さんのやつもってます。南米土産にもらったんです。
いやあ、しかし、アップルストアは混んでた。子供だらけだった。うじゃうじゃいた。騒がしいのなんのって。どうもキッズの日だったみたいです。
キッズの日ってなんだよ、ってかんじですが、とにかくキッズとその親がマックで何かをする日だったんです。
でまあ、うるせえなジャリどもが、中途半端に伸びたヒゲで頬擦りしちゃうぞって思いながら一階を通過し、二階にあがったら、今度は大人がいっぱいいたわけです。
そこはちょっとしたコンサートホール状になってて、舞台にむかってたっくさん椅子が並んでるわけなんだけど、大人が満員状態で行儀よく座っている。何事かしらと思ったら、なんとなんとそこには…。
(いやらしくつづく…)

yujing

投稿者 hospital : 15:33

2005年05月08日

喫茶店にいきたいんだ

ジンをビールで割ったものをがぶがぶ飲みながら(美味しいですねこれ)
フィルムチャンネルでジャームッシュのコーヒーアンドシガレットをみた。
(こちらアメリカはもうテレビで放映しちゃってるのね)
映画館公開当時は友人から否定的な意見をきいていたのでみなかった。
でも面白いじゃないか。あいついったい何をみてたんだ。馬鹿め。殴るぞ。(どうも、酔ってます)
ひどく酔っ払っていたから、気がふれたようにゲラゲラ笑いながらみた。
家でひとりで映画を観ることの利点は、好きなときに好きな具合に笑ったりできるってことだ。
俺は好きだな、この映画。
だって、コーヒー大好き、煙草もまあ好き、与太話大好き、
それでもって、喫茶店文化旺盛な中部圏で生まれ育った俺としては、
最高にぐっと来ちゃうわけ。
(ところで、東京にいたとき、中坊時代から待ち合わせは喫茶店だったという話をすると、他の地方出身の人間からマセガキ呼ばわりされたんだけど、あれは不思議。当時、それは普通のことだと思っていた。名古屋出身の先輩も同じ事を言ってましたよ)

でまあ、映画をみているうちに喫茶店が恋しくなりましたね。
NYはたくさん素敵なカフェがあるけれども、どこも禁煙なんです。
あとコーヒーが美味しくない。漫画雑誌置いてないからつまんない。(アメコミを置きやがれ、馬鹿野郎)
ああ、東京に行きたいなあ。
東京の喫茶店でコーヒーを飲みたいなあ。
杉並あたりの住宅地にある小さな喫茶店でコーヒーを飲みたい。
暇をもてあました裕福な主婦が趣味感覚で営むそんな喫茶店でコーヒーを飲みたい。
本棚にはジャンプやマガジンではなく、スピリッツとかスペリオールとかモーニングとかが置いてあって欲しい。
女性自身とかSPAとかそういう表紙が派手なのじゃなく、週刊新潮と週刊文春とかが置いてあって欲しい。
間違っても「俺の空」全巻とか、「ビーバップ・ハイスクール」全巻とかあって欲しくはない。
メニューに「焼きうどん」とか「鉄板焼き定食」とかもあって欲しはくない。
静かに有線のジャズチャンネルが流れていて欲しい。
店に入ったらドアについた鐘がカランコロンと音をたててほしい。
それですぐさま店のママ(美人)がお絞りと水を持ってきて欲しい。
コップの中には氷がたくさんはいっていて、カラカラと気持ちよい音をたていてほしい。
メニューを渡される前に注文をしたい。俺はコーヒーを飲みたいだけなんだから。
注文するとき「コーヒー」なんていわない。「ホット」なんてオッサンみたいなこともいわない。
ここは「ブレンド」といいたい。礼儀正しく「ブレンドください」といいたい。
コーヒーはサイフォンで淹れて欲しい。ミルクは特別な容器に入っていて欲しい。
コーヒーカップの取っ手は右手側に向いていて欲しい。一方、スプーンは反対向きであって欲しい。
コーヒーがきたら、2、3口きちんと味わいたい。
それから、今週のスピリッツを読みながらマイルドセブンをぷかぷかやりたい。
鳴ったらすぐに気がつくようにと、携帯電話をテーブルの上に置いておくのだけれども、できれば鳴ってほしくない。それでも電話がかかってきたら、すぐに通話ボタンを押したい。要件がすんだらなるべく早く切りたい。喫茶店で長電話は好きじゃないから。
一通り漫画雑誌を読み終えたらポケットから文庫をだして読みたい。
文庫は本屋のカバーがかかってなきゃいけない。読んでる本のタイトルがまるわかりなんて、かっこ悪いもの。
ただし、新潮文庫の場合は、本屋のカバーも元々のカバーも取っ払っちゃって、
むき出しの状態であるならOK。あれはクール。
本を読むのに疲れたら、ぼおっと頬杖をつきながら、カップにすこしだけ残った冷えたコーヒーをすすりたい。
カウンターのむこうのママさんには、声をかけてもらいたくはない。
世間話なんかしたくない。若者になれなれしい大人は好きじゃない。
昼間からぷらぷらしていったいこの子は何なのかしら、と密かに思っていてほしい。
ぼおっと退屈をもてあそびたい。ぼんやりしたい。だらだらしたい。
ここらで常連客がはいってきてほしい。自営業風の中年男であってほしい。
ポロシャツを着てスラックスをはいて、サイドバッグを持ったそんな中年男が来てほしい。
「いらっしゃいませ。あら、こんにちは武山さん」なんてママさんの挨拶に、
「どもども、いやーあついねー。まいっちゃうよー」とかなんとか言いながら
ドスって音をたてて椅子に腰を下ろしていただきたい。
出された水をグビグビ飲んで、お絞りで顔や首筋を拭きながら
「こーしー」と最高にオッサンらしい一言を放ってほしい。
それでもって「ミヤちゃん今日きた?」とか常連風ふかせてほしい。
「宮本さん、さいきん来てませんよ」とママが答えるのを聞いて、
「あいつもアレがあるから忙しいんだろうなー」とか言って欲しい。
アレがいったい何なのかは俺にはわからない。
オッサンとママさんの世間話がひと段落したところで、
「来週の火曜日は午前だけの営業になりますので、よろしくお願いします」とママさんに告げられてほしい。
するとオッサンは「え、なになに、どうしたの?」とまったくデリカシーなくママさんのプライベートを詮索してほしい。
「たまたま、お芝居のチケットが手に入ったもので、それにいこうかと思って」ママさんにはちょっと恥ずかしそうにいってほしい。
芝居を見に行くから店を休むというところがまったく趣味の店めいてていいのだけれど、まあ客商売としてはまずいものね。
そんなことは意に介せず「お芝居って、誰の?」そうオッサンにはきいて欲しい。
オッサンが芝居に関してどれくらいの知識と関心があるのかわからないけれど、とにかく、きいて欲しい。
ここで、ママさんが、ハイレグジーザスとか阿佐ヶ谷スパイダースとか答えたらどうしよう、と俺をドキドキさせて欲しい。
「イッセー尾形さんのひとり芝居です。友達が大ファンで、チケット二枚あるから一緒に行こうっていうんです」
ほっと胸をなでおろしたい。イッセーさん、うちの母親もファンなんですと心の中でいいたい。
それを聞いたオッサンには
「えー、イッセー尾形はチケット買うの大変だっていうよ。そりゃプラチナチケットじゃない。いかなきゃ損だね」
とか言って欲しい。
ほう、オッサン、さすがにイッセー尾形くらいは知っていたかと見直したい。
そして、プラチナチケットという中途半端に普及したカタカナ言葉、
きっとオッサンの長い人生で今初めて使ってみた言葉であると勝手に推測し、
なんとなく心の中で拍手をしたい。
「いやあ、そりゃうらやましいなあ」さらにオッサンにはそう言ってもらいたい。
「プラチナチケットだよそりゃあ。うん。プラチナだ」オッサンらしく何度も同じことを言ってもらいたい。
それでもってさらに、「イッセー尾形っていったら、あれだね、つかこうへいの劇団にいた人だったよね」とか知った口きいていただきたい。
ママさんには「あら。へー。そうでしたの。知らなかったわ」とかいいながらも小首をかしげて欲しいし、俺も小首をかしげたい。
そんなこと、俺きいたことがない。きっと、オッサン、デタラメを言っている。
ここで、このオッサンはイッセー尾形と誰かを勘違いしていると気がつきたい。
そして、その誰かとは誰であるかについてすこし考えてみたい。
つかこうへい、ときて、頭に浮かぶ俳優は二人。風間杜夫か、平田満か。
どちらもイッセー尾形とは全然似てない。
おい、オッサン、あんた一体誰と勘違いをしてるんだ、と叫びたい気持ちをぐっとこらえたい。
(ところで、風間杜夫をみても「あ、銀ちゃんだ!」とはならず、平田満をみると「あ、ヤスだ!」とすぐ口走ってしまうのはなぜか。)
どうも釈然としないので、オッサンにはどんどん発言していただきたい。
「いや、早稲田のころね、僕も演劇やってて、彼の噂はよく聞いていたから。彼、東大だったけど」
意外な発言に俺はちょっぴりのけぞりたい。オッサン、早稲田か、演劇青年だったか・・・みえないなあ。
今一度オッサンの風貌をなめるようにみてみたい。
オッサン、腹でてる。二重あご。バーコードハゲ。耳毛たくさん。
それでもって、オッサン、イッセー尾形が東大って、そりゃおかしいぜ。イッセーさんは違うよ、苦労人なんだよあの人は、なんにもわかっちゃいねえ、と心の中でつぶやきたい。
そして、東大といえば…野田秀樹、とすぐ頭に浮かべたい。
でも、そりゃないよなあ。つかこうへいとか言ってるし。無茶苦茶だ。
いよいよ混乱してきたので、オッサンにはさらなるヒントを与えていただきたい。
「ムーミン舎とかいったっけ、彼の劇団」ぷぷぷぷぷ。ムーミンって。フィンランドのカバ妖怪か、と、心の中で突っ込みをいれたい。
ようやくオッサンがイッセー尾形と野田秀樹を勘違いしてることがわかった。
まったく、むかし演劇やってたとは、笑わせるぜ、オッサンよお。
あんたはエセだ。あんた元エセ演劇青年だ。イッセー尾形と野田秀樹を間違えるなんてそうとうなエセさだ。
あんた、エッセー尾形だ。(そう心の中で言い放った自分のあんまりなダジャレに心の中で悶絶したい。)
携帯画面で時間を確認したい。もう5時かあ、なんてひとりごちたい。
席を立ち、オッサンに向かって「それ、野田秀樹じゃないですか」と口を挟みたい気持ちを抑えてカウンターのママさんのところへ歩み寄りたい。
「お勘定おねがいします」「あ、はい」
前もって小銭で用意していた450円を払って店をあとにしたい。
「ごちそうさま」の一言も忘れたくない。
それから夕暮れの街を歩きたい。(フィッシュマンズでいうと)歌うように歩きたい。
途中、酒屋が中途半端にコンビニ化したような店でお惣菜とビールを買いたい。
うちに帰ってそれで一杯やりたい。首筋にうっすらかいた汗で初夏を感じたい。
そのうちに睡魔に優しくゆっくりとおそわれたい。ベッドに横たわりたい。糊のきいたシーツの匂いをかぎたい。
そして、(邦画のタイトルでいうと)夢みるように眠りたいのである。

はい。また無駄話がすぎてしまいましたね。
いやはや、まったく我ながら妄想たくましい。病気だねこれは。
(書き終わって寝ちゃっていま起きて上の文章見直して自分で自分に感心しました。)
しかし、おかしいな。本当は例の回想の続きを書きたかったのに。
畜生。残念。こんなはずじゃなかった。
でも今回はこれでおしまい。もう書けません。
というわけで、また次回に。
ではでは。

yujing

投稿者 hospital : 20:21

2005年05月06日

輝けるとき

こないだ、友人のピアノリサイタルに行ってきた。
リサイタルをやるときいて、
空き地とジャイアンしか頭に浮かばない育ちの悪い俺だけども、
友人の晴れ舞台ということで、
当日はよそ行きのジャケットを羽織って髪もきちんと整えて、
行ってきました、ミュージックホール。
やってたねー。弾いてた。猛烈に弾いてた。
いつも一緒にくだらねえ与太話ばかりしてるダチ公がさ、
みたことないマジな顔して綺麗なオベベ着てピアノ弾いてた。
髪の毛なんかばっちりオールバックでさ、しっかりお化粧もしちゃってるわけ。
輝いていた。あれは輝いていた。まぶしかったー。
レイバンの垂れ目サングラス越しにみてもあれはまぶしかった。

そういや、こないだは、
知り合いが参加するアートエキシビジョンなんかに行って来てさ、
芸術なんかてんで解さない無教養な俺だからよお、
難解な作品群をみても、
「広告の裏の落書き?まだ遠近法とかわかんない年頃?」とか
「夏休みの自由工作?お父さん手伝ってくんなかった?」としか思えなくて、
そんな俺の隣では紳士淑女が
「ははーん、なるほど」みたいな顔して作品をながめてて、
まったく情けなくなってしまった。
でもね、伝わってきたね。そのパッションが。
オープン初日ってことでね、その場に参加アーティストがたくさんいたわけだね、
パッションが渦巻いていたね。みんな輝いていたね。晴れ晴れしい顔をしていたね。
まいりました。

そういや、こないだは、
久しぶりに会った友人と軽くお酒を飲んだのだが、
二日ほど寝てないという友人は、テンションが異常にハイで、
語る語る。人生を。熱く。熱すぎて同席した二人の女性と口論までする。
女性二人、あきれて帰る。俺、黙々とタイ料理をつつく。
それから場所を変えて、二人きりで飲みなおした。
語る語る、さらに語る。
誰にもいうなと前置きしてから、今度は壮大なビジネス計画を語る。
どうもあきらかに、成功の見込みの低い計画な気がしたが、
はあそうですか、ってかんじで黙って聞く。
でもよお、彼、美しい目をしていたね。睡眠不足で赤かったけどね。
そんでもって、話の途中で隣の席の女性客と仲良くなってお別れのキッス(口に!)をされたり、親しくなったウェイトレスに電話番号渡したりするっていう豪傑さもあった。
輝いていたね。かけ値なしに。

そんなこんなで、
みんなそれぞれ輝けるときがあるというのに、
俺はいったいいつどのようにして輝けるのだろうと
思い悩んでいた今日この頃なのでした。

さて、回想のつづきといきたいのですが、
今回はお休みさせて頂きます。(忙しいんだよ俺は)
で、ちょっと関連性のある別の話を。

今日の夕方ごろにですね、
近所の電器屋に向かって歩いていたのね。
そしたら見たことある顔の男の人がいたわけ。
はて、誰だったかしら、どこで会ったのかしら、
と眺めていたけど思い出せない。
そのうち男は地下鉄の入り口に消えてしまった。
うーん、誰だったろうとしばし俺は考えた。
そして、はたと気がついた。
あれはもしかしたら、NY在住日本人ミュージシャンあの人だったかもしれない。
渋谷系の王子様といわれたあの人。元パーフリのあの人。かつて紅白にもでたあの人。あのころ一番輝いていたあの人だったかもしれない。
だって顔が、だいぶ肌が荒れてはいたけど、あの人の顔をしていたのですもの。
でも気にかかるのは、ジーンズの膝が破れていて髪の毛がぼさぼさだったこと。
あの人に限ってそんなだらしないことあるはずないじゃないですか。王子様ですよ。
だから、人違いだろうと決めて、そのまま電器屋に行き最近出たThey might be Giantsのベスト盤買って家に帰りました。(激安でした)
で、さっき同居人に、あの人に良く似た人をみかけたよ、でも格好がひどかったからきっと違うね、という話をしたところ、
同居人が、いや、それは本物かもしれない、というわけです。
なんでも同居人の友人も目撃したらしいのですが、
その人曰く、「ジーンズの膝が破れてて髪の毛がぼさぼさだった」
とのことなんですよ。一緒じゃん。俺がみたのと。
でも確信はもてません。確信はもてないから名前は出さない。
だけど、心の中では彼をみたものと決めて、
明日からみんなに自慢しようと思います。
おわり。

ハッハッハー。
これで明日から俺は人気者だな。
同年代のヤツラの羨望の的だな。
「みた」っていうか、「会って酒飲んだ」ぐらいは誇張するつもり。
アイツとかアノコとかウラヤマシーって黄色い声を俺にあげるのが目に浮かぶ。
まいったねこりゃ。ふふふ。すげえな、俺。すげえかっこいい。
ていうか、そのとき俺は、輝いてる気がするし、まぶしい存在になれる気がする。
神様ありがとう。俺、明日から強く生きていけそうです。
というわけで、マイフレンズ、今度会ったときは思いっきり自慢するから思いっきり羨ましがるように。よろしく。
ではまた。

yujing

投稿者 hospital : 13:00

2005年05月03日

胸キュン音楽

カナダ出身のバンドStarsの「Ageless Beauty」って曲は、
なんだか胸がキュンとする。なんだか懐かしい感じ。
PVもやっぱり胸がキュンとする。
一緒に観ていた人もやっぱり胸がキュンとするというし、
別の友人も曲を聴いて胸がキュンとしたというから、
これは普遍的な胸キュンにちがいないと思う。
胸がキュンとしたい人に是非聴いて頂きたい。
あとBloc Partyの「So Here We Are」。
PVがスカしすぎ。でもカッコイー。これまた胸キュンです。

で、そんな胸キュン音楽をBGMに街を歩いたら、
この俺の濁った目に映る景色もまた胸キュン色に変わるかも、
と思っていた矢先にCDウォークマン用のイヤホンが壊れた。
三回目だ。同じモノを毎回買って毎回同じ壊れ方をする。
なぜか。SONYだからか。噂のアレか。SONYタイマーか。
あんな小さいものにまでSONYタイマーとやらをつけているのか。
ものすごい技術力だ。さすがSONY。すごい。
その技術力に敬意と信頼を表して、
また同じモノを買わなくては、そう思った。

というわけで、近所の電器屋へ出かけた。
欲しいのは耳の裏側に眼鏡みたくひっかけるタイプのやつ。
俺は普通のイヤホンだとどういうわけか右側のがポロポロはずれてしまうのだ。
右耳の穴がちょっとあれなんだ。
そのためにいつも同じタイプのを買っているわけ。
で、問題は、同じタイプの色ちがいのもの全てを既に使用済みであるから、
次はどの色のイヤホンを選んでいいかわからないということだ。
しかしね、ありました。ニューカラーが。白。
いいですね。純白。胸キュンにはうってつけじゃないか。
でもよくみるとちょっと他のとは違う。値段も高め。
パッケージの文章を読むと軽量タイプだとか書いてある。
素晴らしい。軽量化ですよ。軽量化。
ミニ四駆世代にとってこんな素敵な響きを持つ言葉はないね。
ボディの軽量化。シャーシの軽量化。やったなあ。
俺のアバンテは軽さだけなら誰にも負けなかったぜ。

で、それを持ってレジに並んでいたら、俺、はたと気がついた。
白色のイヤホンってことは、これ、
思いっきりi-PODを意識した製品なわけじゃないですか。
どう考えてもそうじゃないですか。
「さあ・・・」とか言われてもそうじゃないですか。
俺、i-POD持ってないじゃないですか。
オレンジ色の派手なCDウォークマンしか持ってないじゃないですか。
これがまたリモコンがついてないもんだから操作が不便で
大抵の場合ジャケットのポケットに突っ込んだり、
直接手に持って歩いていたりするわけじゃないですか。
(NYのヒップでホップな連中はみんなこうなんだぜ)
「知らんよ、おまえのことなんか」とか言われても実際そうじゃないですか。
そうなんですよ。そうなんすよ。
すると、この白色のイヤホンを耳にはめて、
オレンジ色のCDウォークマンを操作するということになるわけじゃないですか。
地下鉄とか。カフェとか。そういう公衆の面前で。
それってダサい?
あいつ、i-POD持ってないくせに白色イヤホンでi-PODDER気取りだよ。
とか思われない?
絶対思われる。
だからー、仕方なくー、安いだけがとりえの変な銀色のヘッドフォン買いました。
変。後悔してます。i-PODがこころから欲しい。

さて、前回の回想の続きでR。
(嵐山光三郎でR。まったくばかばかCのでR)

どこまで書いたかな。
そう、俺はサローヤンの本を読んでいた。
二人が揉めごとを始めた。
そこからだ。

まず俺が読んでいた本について紹介したい。
サローヤンの「パパ・ユーアクレイジー」。
読んだ本の内容をかたっぱしから忘れていく俺だから、
やっぱりきちんと覚えてはいない。でも当時読んで気に入ったのは確か。
それから伊丹十三による翻訳がそうとうふるっていたってことも印象的であった。
それで先日、ああああ、もう一度読みてえええなあああと思っていたところ、
日系古本屋で日本語訳のものが1ドルで売られているのを発見してしまった。
まったくNYは何でもありやがる。しかも都合よく。さすが俺の街だ。
もちろん買う。復刊版ということで、装丁が昔と違っているがまあ問題はない。

さて、前述したようにこの本の面白いところはその翻訳にある。
もちろん、小説の内容も素敵だ。
で、えーと、訳者はあとがきでこう書いています。
翻訳するにあたり
「原文の人称代名詞を可能な限り省略しない」ということをルールにした、と。
ということはつまり、アイマイミーマインとかユーユアユーユアーズとか
そういう類のをものをいちいち翻訳しちゃってるわけです。
意味わかる?日本語だと必要じゃない部分まで訳してるのよこの人は。
それでいったいどういうことが起きるかというと、
本文中、たとえば、
「僕の父は僕の母に、彼女が僕と僕の父を彼女の車で送ることを断った」
という文章であるとか、
「あなたは僕が学校嫌ってないと僕に思わせることはできないよ」
なんて会話文が出てきてしまうわけです。
これって、なんとなく意味深じゃないですか。
それでもって奇妙なテンポがある。単純に面白い。
(まあ訳者の意図ってのは、別のところにあるわけなんですが)
でもよー、ときどき苛立つわけっすよ。
すらすら読めないもどかしさがあるわけっすよ。
だから当時若かった俺は楽屋で苛立ち気味に本を読み、
また騒がしい二人にも苛立っていた。
と、こう考えてください。

(ところで、清水義範の「永遠のジャック&ベティ」って短編も直訳調で面白い。
中学英語の教科書をパロディにしてるからね。)

さあ、回想の続きです。

「おまえら、うるっせえんだよ!ぶっ殺すぞ!」俺は叫んだ。
それから、鬼の形相で飲みかけのカフェオレがはいったままの
ウィニー・ザ・プーのマグカップを力いっぱい握り締めた。
マグカップはバリンと音を立てて割れ、さらに俺の拳の中で粉々になる。
カフェオレは飛び散り、俺のシャツを茶色く染める。
「おいおい、おまえらのせいで俺のアニエスのシャツがだいなしだよ」

(疲れと眠気と虚無を感じたため、次回につづく…)

yuing

投稿者 hospital : 08:23

2005年04月25日

パーフリをやめたわけ

ブログについて考える。
植松君のエントリーを読んで胸が躍った。
なぜか。そこにはリアルな友人の日常が綴られていたから。
ネットで日記なんて、なんだかおかしなことじゃないかしら、
と考え込んでいた今日この頃。
ましてや個人的な思い出話なんて…。
と自分を恥ずかしく思ったりして。
でもね、面白いよね、友人のことを知るのは。
最高だね。ご機嫌だね。
この気持ちを邦画のタイトルであらわすと
「ウッホッホ探検隊」ってかんじだね。
(こういうの流行らないかな)

しかしまあ、なんですなあ(桂小枝風によめ)、昨今のこのブログ文化。
誰でもエッセイスト。誰でもジャーナリスト。誰でも評論家。
素敵なことだと思います。ブログ、愛してます。
俺も頑張る。

そういうわけで、このわたくし不肖ユージンも、
アメリカからみた日本のニュースを大橋巨泉ばりに意見したい。
意見して感心されたい。感心されてモテたい。
というわけで日本の政治についてガツンと論じたい!
ところがね、やっぱね、まずいんですよ、お客さん、
政治と宗教とプロ野球の話はこの業界じゃタブーなんでさあ。
だって、いろんな人がいるでしょ、それぞれ支持するものが違うわけでしょ、
こっちも客商売ですからね、下手なこと言って怒らせちゃまずいでしょ、
だからね、もうハナからその話題は避けるべきなんです。
通行止め、赤信号、じゃなくてね、もう車両進入禁止地帯ってわけでさあ。
あれ、お客さん、この道まっすぐでいいんだっけ?
(我ながらアホだねー)

やはり、芸能ネタで行きましょう。
わかりやすいもんね。
それに俺、馬鹿がばれるの嫌だもん。

ではまず、ちょっと遅いのだけど「高田渡死去」というビッグニュース。
これが一部の友人たちに大きなショックを与えた。皆さんのまわりはどうでしょう。
古い友人のTはメソメソと何日も泣き暮らしたときくし、
かつて音楽業界のすみっちょで働いていた同居人は「なぜ?なぜ?なぜだー」とここNYで地団駄を踏む始末。
彼ら二人にみる共通点はボガンボスどんとのときも同じような行動にでたという過去であり、二人とも、どんと、高田渡と同じ岐阜県出身。こりゃなにかあるね。
ついでにいうと俺も同じ県出身なのだが、本当はグラスゴー出身と思い込んでいるから、そこまでショックではないのもうなづけるという話。
まあ、昨年中の亡くなったジャック・デリダとか?スーザン・ソンタグとか?なんかは感慨深いものがありましたよ(インテリでごめん!)。
でも一番ショックだったのはあれだな、藤子・ファッキン・ファンキー・ファンタジスタ・不二雄先生がお亡くなりなったときのことだね。
朝刊もってその場でぶっ倒れそうになったもんな。俺、高三だったよ。もう立派に大人のくせに。
というわけで、本日は俺と藤子先生の感動秘話を…。
と思ったが、今回は時事ネタを語りたいので、次の話題にすすみます。

これまた、もうずいぶん遅いくらいつきであるとは思うが、
「渡辺満里奈結婚」をあげなげればいけない。
渡辺満里奈といえば、アレである。
アレというのはつまり、あのバンドの解散理由がこの人の取り合い、
という90年代半ばまでまことしやかに噂されたあの問題である。
ここでピーンときてしまったヤツはずばりこれ、渋谷系世代。
悪い大人たちに踊らされ、陰気なフランス映画とNHKのサブカル番組と限定アナログ盤に振り回された悲しい世代だ。
悲しいね。本当に悲しい世代だね。いったいその後みんなどうしてるのだろうね。
きっと田舎の両親だまくらかして東京に出て文系私立とか美術系の学校とか行っちゃってさ、学校もいかずフレームの太い眼鏡かけて代官山界隈をほっつき歩き、たまにある仲間内のDJイベントでは大ハッスル。それで就職はもちろんマスコミを受けるんだけど、世の中そうそううまくはいかないもので、じゃーまー、フリーターでもやりながらいっちょクリエイターにでもなってみますかね、と思ったが、そんなツテもスキルも才能もありゃしない。こりゃやっべえってことで急いで就職。カタカナ名のベンチャー企業。そしたら、そこがブラック企業。体育会系が幅をきかす世界。朝から訓示を大声で朗読。ノルマが果たせず家族や友人に泣き落とし。JPOP好きの同僚とは話があわねえ。デザイナーズスーツでびしっときめたら上司に蹴られる。会社のカラオケで誰も知らない曲を選んで場をしらけさす。そんな鬱憤をはらすため、趣味のレコード収集に力をいれる日々。よーしこのままDJにでもなっちゃいましょうかねと意気込んではみたけど、自分の安月給じゃ思うように機材やレコードが買えやしない。こいつはまいったと頭を抱えていたところ、通りかかった消費者金融。おや、あのかわいいお地蔵さんならCMでみたことがあるぞ。どれどれ、ひとつお参りでもしようかね。そこに並んだいくつものボタン。押さずにはいられないのがデジタル世代の悲しい性。ピッピッピピピピ。。。わお、魔法のように金が湧いてきたぞ。こりゃすごい。しかし、いったいこのお金はどこからやったきたのか。しばし熟考。ポンと手を打ち、こう叫ぶ。わかったぞ、未来の大成した俺っちからの仕送りにちがいあるめえ。なんたるありがたいことか。いよいよやる気がわいてきたね。お地蔵さん、出世払いでよござんすかね。なあに、倍にして返しますよ。
そして、気がつきゃ借金まみれ。いつのまにやら会社は干され。ある日誰かがドアノック。窓の外には黒ベンツ。強面兄さんやって来た。襟首つかまれ拉致られた。ついた先はどこかの漁港。船に乗せられいざ出航。天気は快晴、航路は順調。マグロ漁船でレッツゴー!
かくして彼の大航海(後悔)時代のはじまりはじまりなのでした。
(あわわわわ。笑えねー)

もちろん、俺はちがうよ。全然渋谷系なんかじゃなかった。
マジで。ごくふつーのハイティーン。いや、ほんと。
金曜の夜はカヒミカリイのミュージックパイロットなんか聴いてないし、
土曜の夜はテレビに映る緒川たまき眺めてドキドキなんかしてないし、
深夜の衛星第二でゴダールの映画なんて標準録画してないし、
小沢健二の一夜限りのオールナイトニッポンなんてメタルテープにダビングしてないし、ロッキンオンジャパン2万字インタビューで案外普通なビッケに失望なんかしてないし、ラップはやっぱLBでしょ、とか言ってないし、ラヴタンとか略してないし、ネオアコとか意味わかんないし、ボーダーシャツなんか着てないし、ボタンダウンシャツなんて集めてないし、モミアゲ伸ばしてないし、学生服のポケットにジャン・コクトー著・堀口大學訳「恐るべき子供たち」なんてしのばせてないし、コーネリアスのカセットテープ全色コンプリートなんて全然興味ないし、「こないだの米国音楽で加地君が紹介してたトートバッグ、超かわいいね」なんて会話はしてないし、
もう!ちがうってば!

さて、渡辺満里奈である。
あのバンドのことである。
あの突然の解散理由のことである。
でもね、あの噂は全部デタラメ。根も葉もない嘘です。
俺がいうんだから間違いない。

うん。そろそろ俺は真実を話さなければいけないな。
当時、あのバンドに在籍していた者のひとりとして。
俺がこの場で真相を語ることで、他のメンバーがどう思うかは、
今や親交の絶えた間柄であるから知る由もない。
ただ、当時から嘘や隠し事が大嫌いだった俺の性格を汲み取れば、
いつか公に明かされることなど覚悟の上であったと思う。
さあ、いまこそ話そう。1991年の10月のことを。
つまり、これから話すのは俺がフリッパーズギターだったころのことであり、
俺がフリッパーズギターだった最後の日のこと。

以下、回想。(もうお決まりだね)

まだ中学一年生だった俺は恋に部活に勉強に、そしてフリッパーズギターに大忙しの毎日。小山田、小沢、小池(俺のことね)の三人で組んだ俺たちフリッパーズギターは、オリーヴ少女の憧れの的として、そりゃもうきゃあきゃあ言われて大変だったんだから。
やることなすこと羨望の的。洗練された音楽。知的な歌詞。小奇麗なルックス。時折放つビッグマウスもファニーフェイスでご愛嬌ってわけ。
それから、トリプルスモールコーポレーションというソングライティングチームを気取ったりなんかもしてたっけ。(まあ本当は歌詞のほとんどを俺が書いていたことなど、賢明な読者諸氏なら、俺の文体から容易に想像がつくだろうけど。)
ただ、やはり年の差なのか、はたまた根本的な人間性の違いか、俺と他の二人の間に大きな溝があったことは否めない事実。
仲が良いとは決して言えなかったな。

その日も楽屋で年上の小山田と小沢が仲良く焼酎のホッピー割りを浴びるように飲む中、俺はふたりからはすこし離れ、部屋の隅っこでひとり、カフェオレを飲みながらサローヤンの小説を読んでいた。

そのうちに、二人がいつものように大きな声でオイチョカブ(花札)をはじめるのが聞えてくる。まったくうるさい連中だ。すこしは静かにしてもらいたいものだな。どれ、ひとつ注意でも、と思っていた矢先、二人の楽しげな声がただならぬ怒声に変わった。

小山田「おんんどりゃあ、イカサマしやがったな!」
小沢「てやんでい、こちとらそんなケチな野郎じゃないわい!」
小山田「じゃかましいわい、このガキャア!耳の穴に指突っ込んで奥歯ガタガタいわせたろかい!」
小沢「なんじゃい、このウスラトンカチが。イカサマはお前さんのほうとちがうんか!」

ごめん、書き出したはいいけど、ちょっとうまく思い出せない。
つづきは次回に・・・。

yujing

投稿者 hospital : 17:39

2005年04月23日

トラボルタ監督がいた日曜日(後編)

ネットで思い出話ばかり書くなんて、まったくどうかしてると思う。
でも大目にみてほしいな。
最近の俺は、ちょっと疲れていて、何かとセンチメンタルになりすぎるきらいがあるんだ。いつもぼんやり、思い出の中で生きるような、そんなかんじさ。

今日なんかスターバックスでぼおっとしてたら、棚に置いてあった売り物のコップをうっかり落として壊してしまったし、ランドリーでは店員に間違えられ、それを否定せぬまま対応してトンチンカンなこと教えてしまったし、ピザ屋ではうっかり一切れ5ドルもするピザを注文してしまったよ。
まったくこれじゃあいけないね。気合をいれないと。
うっし。気合がでる呪文。ウンタマギルー!

さて、以下、昨日の回想の続きです。

俺たちのチームはひどく弱かった。
それもそのはず、他校のチームが土曜日と日曜日にも練習するのに、強いところは平日の放課後も練習にあてているというのに、俺たちのチームの練習は日曜の午前中だけ。トラボルタ監督のはからいで、四年生は丸刈りにする必要もなかったし、くだらない精神論で無茶な練習を強いられることもなかった。勝つことに対して、意識の低いチームであった。
それから、「野球はピッチャー」というように、俺たちのチームが弱かったのは、ピッチャーのタカアキがあまりにまずかったということもある。タカアキは球も遅いしコントロールもよくなかった。キャッチャーの奥村くんのほうがずっと速い球を投げることが出来たし、サウスポーだからという理由なら、ファーストの久野っちもサウスポーであり、タカアキよりずっといい球を投げられるはずだった。しかし、エースはタカアキであり、先発はいつもタカアキと決まっていた。
子供ながらにそれはおかしな気がしていた。

コールド負けなんてしょっちゅうあった。タカアキはよく打たれたし俺たち守備もエラーの連発だし打線は貧弱。大会ではいつも一回戦負けだった。
俺たちがどんなに惨めな負け方をしても、トラボルタ監督は決して怒ったりはしなかった。いつもニコニコして、試合が終わった後はきまって「楽しかったか?」と俺たちにきいた。
ボロボロに負けて楽しいはずがなく、俺たちは答えに窮した。
トラボルタ監督は続けてこう言った。
「楽しければそれでいいんだ。勝っても負けても。ただ、負けて楽しくないというのならもっと強くならなければいけない。明日から頑張ろう」
そうに言って、持参したクーラーボックスからよく冷えたつぶつぶオレンジジュースを出して俺たちひとりひとりに配った。
そんなトラボルタ監督が俺は大好きだった。

ある日のことだった。
母親が肝臓を患って入院したため、父と兄と俺とで病院に見舞いに行く途中のこと。
腹が減ったと兄がうるさくいうので、たまたま通りかかった国道沿いのトンカツ屋に寄って昼食をとることと相成った。
店のドアが開けて、まず驚いたのは、そこにエプロン姿のタカアキの母親がいたこと。
タカアキの母親は俺たちの試合にいつも観戦にやって来るので、俺とは面識があった。細面の綺麗な人だった。
「あら、ユージン君じゃない」タカアキの母親がいう。
「あ、おばさん、こんにちは」
「ちょっとまってね、いまタカアキ呼んであげる」そう言ってタカアキの母親は内線電話でどこかに電話する。
それから、俺の父親とタカアキの母親が大人なかんじの挨拶をしているころ、タカアキが店の奥からあらわれた。
「おーい、ユージン君」
「おっす、タカアキ。おまえんちトンカツ屋やってるなんて知らなかったよ」俺はそう言う。
へへへとタカアキが笑う。
「ねえ、ユージン君、ご飯食べたら僕の部屋おいでよ。一緒にファミスタやろうぜ」
「ごめん、ご飯食べたら、お母さんのお見舞いに行かなきゃいけないんだ」
「そっかあ、じゃあまた今度だね」
「そうだね・・・あ!」
そんな会話の折、俺の視界に飛び込んだのは、厨房の中で白衣を着てニコニコ顔で俺をみつめるトラボルタ監督だった。
目があうや、トラボルタ監督が俺に手を振る。不思議そうにそれをみていると、タカアキが俺にいう。
「トラさんさ、うちで働いてるんだ」
そう聞いて、タカアキがピッチャーを任される理由に気がつくほどの頭は当時の純情な俺にはなく、ただトラボルタ監督がタカアキの家の従業員であるということと、タカアキがトラボルタ監督のことを気やすくトラさんなんて呼ぶのに驚いてしまった。
トラボルタ監督がタオルで手を拭きながら厨房から出てくる。
「監督、こんにちは」父親の手前もあって俺は礼儀正しくぺこりと頭を下げて挨拶をする。
「やあ、ユージン君、こんにちは。今日は家族で外食かい、いいね」と相変わらずのやさしげな声でいう。
グランド以外の場所でトラボルタ監督に会うのは、なんだか変なかんじがして、尻がこそばゆくなる。
それからトラボルタ監督は父親と兄に握手を求めて挨拶し、坊主頭の兄が中学で野球部に所属しているとかぎつけるや、
「それじゃあ、今日はトンカツをたくさん食べて、体力をつけないといけないなあ」と言って豪快に笑う。
「お父さんにたくさん美味しいもの食べさせてもらって、ワンちゃんや金ヤンみたいに大きくならないとダメだぞ」とも言う。
「いやあ、僕の安月給じゃ心配だなあ」と父親も笑いながら言ったりする。
そのとき、厨房からぬっと男が顔を出して大きな怒声をあげる。
「おい、トラ!そんなところでなに油売ってやがる。まだ鍋洗いおわってねえだろ!」
頑固そうな男。その男の顔がタカアキにそっくりであることから、男がタカアキの父親であり、この店の主人であることは容易に想像がつく。。
「へい、すいやせん。今いきやす」そういってペコペコ頭を下げながらに厨房へ戻っていくトラボルタ監督。
今まで知らなかったトラボルタ監督の生活を垣間見た日であった。

それから俺のトラボルタ監督を見る目に何か異変があったかというと、
さらさらそういうことはなかった。
トラボルタ監督は俺にとっていつまでも素敵な人であり続けた。
そして、毎日トラボルタ監督に会えるタカアキに対して嫉妬の感情すら抱いていた。
タカアキはトラボルタ監督に関するいろんなことを知っていた。
「トラさんさ、むかし映画俳優だったんだぜ」
まるで自分のことのように自慢げに話すタカアキに、
冷たく「あっそ」と答えて蹴りをいれてしまったときのことを、
今もなお後悔の念とともに思い出す。

冬が近づくある日のこと、トラボルタ監督は突然に姿を消した。
日曜日の練習時間になっても、トラボルタ監督はグランドにあらわれなかった。
代わりに、6年生のチームの副監督が急遽俺たちの指導にあたった。
妙に威張った嫌なやつであり、結局、こいつがその後俺たちの監督となった。
それから、トラボルタ監督がいなくなった日を同じくして、タカアキは練習にこなくなり、そしてそのままチームをやめてしまった。
それだけじゃない。タカアキはどうにも暗い性格になり、いつもだらしなく薄汚れた服で学校に来るようになった。
そんなとき、クラスのおしゃべりな女子が「タカアキのお母さんが店の従業員と駆け落ちした」という話を得意げ吹聴するのを聞いた。

監督が代わり、練習時間も増え、その内容もずっと厳しいものになったせいで、俺たちのチームはどんどん強くなっていった。
タカアキの代わりにピッチャーとなった奥村君は市内ナンバーワンピッチャーとして他チームから恐れられた。
そして、俺はというと、新しい監督によって無理に直されたバッティングフォームのせいで、ぜんぜん打てなくなり、気がついたら打順は9番まで下がっていた。
大きな大会を目前に俺はチームをやめた。転校することになったからだ。
以来、高校生になるまで、あの街の土を踏むことはなかった。

高校生になった俺は再びあの街に足しげく通うことになった。
進学した高校が、たまたま当時通った小学校のすぐそばであったというだけだ。
そのころ、もうすっかり学生スポーツの不条理な全体至上主義に嫌気がさしていた俺は、高校では映画研究部なんぞに所属し、暇な時間はもっぱら小説を読んで過ごすという典型的GEEKな日々を送っていた。
そんなある日のこと。
友人と授業をさぼって屋上で煙草をふかしながら、ぴあ東海版をみていた際、
目に飛び込んだひとつの記事に俺は「あっ」と声をあげた。
それは公開予定の映画紹介記事であり、その映画のタイトルを「パルプフィクション」といった。キャストの中に「ジョン・トラボルタ」の文字。添えられた写真の中で、髪を長く伸ばしたトラボルタ監督がユマ・サーマンと踊っていた。

その日の帰り道、俺はタカアキの家のトンカツ屋を訪ねた。
しかし、記憶をたどって着いた先に、あのトンカツ屋はなく、
そこにあったは、近くの大型スーパーの駐車場を示す看板と、舗装されたアスファルトの上に並ぶいくつもの自動車だけだった。

銀幕やブラウン管の中で、ジョン・トラボルタを見るたびに思い出す。
俺とトラボルタ監督が過ごした日曜日の朝のこと。タカアキのこと。
そして、タカアキのお母さんのことを。
二人の関係が今はもう続いていないことなど、タブロイド誌でみるトラボルタ一家の幸せそうな写真をみれば、一目瞭然なのであるが。

以上が俺とジョン・トラボルタをめぐる思い出話だ。
今回はなんだかしんみりしてしまったね。
でもね、これでみんなもわかったと思う。
トラボルタのあのすこし陰のある笑顔のわけを。
あの鋭い中に慈悲を含む眼差しのわけを。
あの全ての憂鬱と倦怠を払拭するよなダンスのわけを。
つまり、セクシーは、暗い過去を背負った男に与えられた、特権であるってことだね。
それじゃあまた。See ya 'round, my friends.

yujing

投稿者 hospital : 08:51

2005年04月22日

トラボルタ監督がいた日曜日(前編)

あたたか~い日が続く。
Tシャツ姿で過ごすようになって気がついた。
どうやら俺はまた太ったようだ。

ダイエットをしていたはずなのに、いつのまにか忘れていた。
朝食に甘いフレンチトーストばかり食べていたのがいけなかったか。
固めるテンプルがおもしろくって、揚げ物ばかり作って食べていたのもまずかったかもしれない。
太った。ああ、太ったさ。
どんどん醜くなってきている。
ああ、これではますますモテなくなっちまう、と頭を抱えていた今日この頃、
友人に借りたDVDでフランソワ・オゾンの「まぼろし」をみた。

それは、太っていてもこんなに愛されるんですよ、ということを俺に教えてくれる素敵な映画だった。
完全に見方を間違えているかもしれない。映画好きに怒られるかもしれない。
でも、とにかく勇気がでた。素晴らしい映画でした。

テレビでパルプフィクションをみた。またみた。何度もみているが、みるたびに新しい発見がある。
それでもって、みるたびにいつも感心するのは、ジョン・トラボルタのセクシーさ加減のことだ。
トラボルタは太っている。俺と同じがっちりとした太り方。それでいて俺と違うのは、やつがあまりにセクシーであるということ。
何気ない仕草、洗練された語り口調、もう!もう!セクシーに満ち溢れている。
鬼だね、あいつは。セクシーの鬼。
しかもしかも、踊る。最高にかっこよく踊る。
もうね、鬼通り越して閻魔様だね。セクシーの閻魔様。
うへー。まいったねこりゃ。

ジョン・ベルーシやブラック・フランシスなんかもね、デブのくせにカッコいいですよ。
でもやっぱりトラボルタと比べたら、ヤツラは醜い太り方をしている。
セクシー度数が段違いな。

さて、ところで、みなさんは、パルプフィクションの以前のトラボルタのことをご存知でしょうか。
サタデーナイトフィーバーやグリースで一世を風靡した後で落ち目となり、パルプフィクションで再起をかけるまでのトラボルタを。

俺は知っている。とてもよく。
なぜならトラボルタはかつて俺が暮らした街にいて、ある時期の日曜日はいつも俺と同じ場所にいたから。
そして、そのとき俺にとってのトラボルタは、世界的有名俳優トラボルタではなく、トラボルタ監督であった。
いや、はやとちりしてもらっては困る。監督といっても映画の監督じゃない。
当時トラボルタは、俺が所属する少年野球チームの監督をしていたんだ。

以下、回想。

父親の転勤を機に、田舎の小学校から、ちょっぴり街のマンモス小学校に転校したのは四年生のときだった。
兄が小学校時代、全国大会に出場するほどの強豪少年野球チームに所属していたためか、俺もまた両親のすすめで少年野球をはじめることになった。当時、喘息もちで痩せっぽちだった俺がすこしでもたくましくなるように、という魂胆もあったのかもしれない。
そこで出会ったのがトラボルタ監督だった。
練習初日はよく晴れた日曜日だった。
「よくきたね」そう言ってトラボルタ監督は俺に握手と求め、
それから、月謝袋をもって付き添いにやって来た俺の母親に気障なウィンクをした。
頬を赤く染めた母親が「ずいぶん、ハンサムな監督さんね」と俺に耳打ちしたのを今もありありと思い出される。

ほとんどの子供たちが3年生から入部してすでにそこそこのグローブさばきを身に着けている中で、ほぼ素人に近かった俺ではあったが、元来の器用さと幼少より野球狂の兄のキャッチボールの相手をしていたせか、守備がうまいと褒められ、いきなりショートのレギュラーポジションを獲得した。
背番号は3。ショートなのに。というのは、背番号を配るとき、トラボルタ監督は俺たちに好きなのを持っていきなさいと言ったからだ。
当時、ルーキーで正ショートを任された中日ドラゴンズの立浪にあこがれていた俺は迷いなく3番を選んだ。
それをみたトラボルタ監督は「お、チョーさんだな」と言った。
トラボルタ監督は巨人ファンだった。

バッティングのほうはあまりぱっとしなかった。
もともと基本が出来てないせいか、俺のバッティングフォームは独特のものがあって、それをみるたびに
「ハリモトみたいな打ち方だなー。かっこいいぞ」とトラボルタ監督は言った。
一度だけトラボルタ監督に正しいバッティングフォームを教わったことがあったが、そうすると俺の打球がてんで力をなくしてしまうことに気がついたトラボルタ監督は、「きみはきみの好きな打ち方で打ちなさい」といって、それ以上口を挟むことはなかった。
俺の打順は7番だった。

トラボルタ監督は俺たちのことを「きみ」とか「きみたち」と呼んだ。
決して、「おまえ」とか「おまえら」とは言わなかった。
呼び捨てにするなんてことも絶対無かった。
いつも穏やかで、笑顔をたやさなかった。
子供である俺たちにさえ、いつも敬意を持って接してくれた。
トラボルタ監督は俺がはじめて会った素敵な大人だった。
(明日につづく…)

yujing

投稿者 hospital : 16:11

2005年04月21日

ベック先輩との思い出

深夜の有名なお笑い番組にベック先輩が出てきて歌をうたっていらした。
ベック先輩はあいかわらず痩せていた。(でもちょっと老けたかな)
俺の中でベック先輩はいつだってベック先輩だ。
先輩なんだ。そう呼びたいんだ。それは植松くんにとってのジョッシュ先輩と一緒だろう。
俺はベック先輩をすごく尊敬している。すごく親しみを抱いている。それもそのはず。俺はかつて、ベック先輩と同じときを過ごし同じ空気を吸っていたのだから。

以下、回想。

田舎道をハンドルがカマキリ型になった自転車で走るセミ短にボンタン姿の俺。
古い一軒家の前に自転車を停める。門をぬけて中に入ると庭にコンバインが鎮座ましましている。ローソンの袋をぶらさげて、家屋とは離れになったプレハブ小屋のドアを開ける。「ちわあっす」
「おーっす」そこにベック先輩がいる。
寝転がったままマガジンを読んでいたベック先輩がむくりと起き上がる。
ベック先輩はタックが三つはいった膨らみ具合がハンパない上に、裾がキュっとしまったほとんどニッカボッカ状態のボンタンを履いていて、上にはでっかくMr.JUNKOと書かれたスウェットを着ている。ボンタンの真後ろはもちろん×型のベルト通しであり、Vの字の切込みがはいっているんである。
壁にはベック先輩のシンボルであるボタンが4つしかない短ランがかかっている。その内側は紫色の玉虫生地であり、ボタンはいぶし銀加工であり、さらにいうと裏ボタンはひとつひとつに龍の絵が描いてありそれぞれがチェーンで繋がっている。
「なんか飲み物買ってきたか?」
そうベック先輩がいうので、俺はローソンの袋からはちみつレモンを取り出して渡す。それからコンソメ味のポテトチップスやチョコバットなんかをごそごそと出す。
ベック先輩が不服そうに俺を睨んでいるのに気がつく。
「どうしたんすか、ベック先輩」
「どうしたじゃねえよ、おめえ、俺は午後ティーのミルクしか飲まねえのしってんだろ」
「あ、すんません、間違えました。すぐ買いに行ってきます」
あわてて俺は外に出ようとする。
「おい、まてよ」
「え?」
「いいよ、はちみつレモンで。ったく、つかえねーな、おめえは」
こんなふうに言われても、俺は別に傷つかない。なぜなら、怒るというのは親愛の情をあらわしているのであり、むしろ俺にとってはなんだか嬉しいことですらあるのだ。
はちみつレモンを一息にごくごく飲んだベック先輩は「ふう。たまに飲むとうまいな」と言う。いよいよ俺は嬉しくなる。
それからベック先輩はおもむろに愛煙している赤ラークを一本取り出し口にくわえる。
ジッポの蓋をカチャリと開けて火をつける。
同時に宙を漂うオイルの匂いは、いまでも俺が好きな匂いのひとつだ。
俺もポケットからセブンスターを取り出して吸う。
こないだまでハイライトを吸っていたけど、ベック先輩がハイライトは匂いがむかつくというので、セッタに変えた。
しばしふたり無言で煙草を吸う。飲み残しのチェリオの瓶が灰皿がわり。
思い出したようにベック先輩が口を開く。
「なあ、ユージン。おめえ、ソニックユースって知ってるか?」
「いや、知らねえっす。なんすかそれ」
「バンドだよ。洋楽だよ。ったく、おめえは何にも知らねーな」
そういってベック先輩が手元のリモコンをいじると、本棚の上に置かれた黒色のCDダブルラジカセ(重低音バズーカ付)から聴いたことのない音楽が流れる。
なんだかよくわからないが、とにかく圧倒された俺は、
「いいっすね。かっけえっすね。まじかっけえっすよこれ」と言う。
ふふふ、と、ベック先輩が嬉しそうに笑う。
「オルタナティヴっつうんだよ、最高だろ」
「はあ、オルタナティヴっすか、いいっすね、なんか、胸がどきどきするっす。ベック先輩、こんな音楽よく知ってますね。マジ、ベック先輩は洋楽詳しいっすね」
ハハハっと乾いた笑いをたてて、ベック先輩がいう。
「こないだダイエーのCD屋で適当にパクった」
「まじっすか。ハハハ」なんとなく俺も乾いた笑い声をたてる。
それから俺たちは黙ってソニックユースを聴く。ベック先輩ははじめのうちは鼻歌まじりにご機嫌な顔で聴いていたが、しだいに退屈そうな眠たそうな顔をみせはじめるので、あわてて俺は頭の中で話題をさがし、口を開く。
「そういや、ベック先輩、もうすぐ受験っすね。勉強しなくていいんすか」
「いいよ、べつに。かったりい」本当にかったるそうなベック先輩は本当にかっこいい。
「ベック先輩、どこのガッコ受けるんすか?」
「北こー」ベック先輩がめんどくさそうに答える。
「え、北高っすか。すごいっすね。頭いいっすね」
「ちげーよ、ばか。工業のほうだよ」
「あ、北工か」
「まあ、受からねえけどよ」
ベック先輩はそんな投げやりなことを言いながらツーブロックの髪をかきあげる。
短く刈り込まれた部分が青々とまぶしい。
「受からなかったら、どうすんすか」おそるおそる俺はきく。
「ん?まー、音楽でもやって食ってくべ」
そういってからベック先輩はCDを止め、部屋の絨毯の上に無造作に置かれていたギターを抱えあげる。通販で買ったという、きいたことのないメーカーのそのアコギのボディには、「天上天下唯我独尊」とマジックで殴り書きしてある。
それから俺はベック先輩のギターをきくはめになる。いつものことだ。
禁じられた遊びからはじまって、ベンチャーズのパイプラインやらをやって、藤井フミヤのトゥルーラブの弾き語りをしたりする。
一通り終えた後、ベック先輩は、どうだ、といわんばかりの顔で俺をみる。
「かっけえっす。ベック先輩まじ尊敬するっす」俺はいつもそう答える。
そのうちベック先輩の彼女の光江さんがやって来る。光江さんは校内一短いスカートをはいて前髪だけオキシドールで脱色している、とてもオシャレな人だ。
三人で談笑。もっとも、ふたりが俺をいじめて楽しむというのがその主な内容なんだけど。
「ユージン、おめえ、センズリばっかしてんだろ、なあ、おい」
「いやあ、そんなことないっすよ」
「いえよ、てめえ、キャメルクラッチかけるぞ、こら」
「うわあ、やめてくださいよ、ベック先輩」
ベック先輩が俺の背に馬乗りになる。キャハハハっと光江さんが笑う。
「おい、おまえ、ギルガメ大好きだろ、なあ、おい」
「うぐ・・・うぐぐぐ・・・」
キャメルクラッチがもろきまり、俺はベック先輩の質問に答えるどころか、息が出来なくてもがき苦しむ。

ふたりの口数が減り、ベック先輩と光江さんが俺を疎ましいような目で見始めるのをきっかけに、俺はうちに帰る。
俺がいなくなったあの部屋で何が始まるかはまあ想像がつく。
ベック先輩の部屋のパイプベッドのことや、ベック先輩のあばら骨が浮かび上がるほど華奢な裸体のことや、光江さんのぽっちゃりした白い太ももや柔らかそうな胸元のことなんかを考えながら再び自転車にまたがって帰路に着く俺なのであった。

その年、ベック先輩は高校受験に不合格どころか、寝坊して受けることすらしなかった。そして、前言どおり、音楽で食っていくと言い残し、ギター一本だけをもってこの街を去った。

それから二年後、俺が奇跡的に合格した進学校でとっぽい連中に囲まれながら、ピタピタの古着Tシャツを着てみたり、ジーンズの色落ち具合に凝ったりしているころ、たまたま本屋で立ち読みしたロッキンオンでベック先輩のその後を知った。
アメリカに渡りすっかり白人化したベック先輩は念願かなって歌手デビューをはたしていた。もちろん、俺はその足で「メロウゴールド」を買いに走ったわけであり、いまでもそれは俺の愛聴するところのものとなっているわけである。

みなさんはベック先輩の6枚目のアルバムはもう買ったかな。
俺はまだです。なんだかまだ決心がつかなくって。だってほら、これまでアルバムが出るたびに、ベック先輩が遠い人になっていくような気がしてて。なんか俺、そういうの、たまんないんだよなあ。わかるかい?この気持ち。
でもきっと買うよ。うん、きっと。みんなも買おうね。じゃあね。またね。

yujing

投稿者 hospital : 13:16

2005年03月20日

3周年。

なんという偶然か、俺もまた風邪をひいた。
風邪のうえに今日は朝っぱらから試験があったのでほぼ徹夜で勉強。寝不足のうえに風邪薬でやられちまってふらふら。
気合をいれるためにヘッドフォンをしてプライマルスクリームのExterminatorを爆音で聴きながら学校へ向かった。
テストはかなりハードで、ぼーっとした頭ではなんだかよくわからなかった。
なんだかよくわからないくせに、他の生徒たちより異常にはやく解けてしまって、ひどく不安になった。しかし、見直すのもめんどくさく、必死で問題を解く学友らを残して颯爽と教室をあとにした。

家に帰ってたっぷり昼寝をした。
夕方起きてテレビでジムキャリー主演のトゥルーマンショウを観た。
ジムキャリーはいつだってステキだ。うそくさい笑顔が最高な。

そういえば先日、マスク2(Son of Mask)を観た。非常にバイオレンス溢れまくりの映画だった。あんなものを子供にみせてはいけないと真剣に思った。子供による親への家庭内暴力や動物虐待を助長し、銃器への憧憬を促す大変危険な映画だ。というようなことを一緒にみた人に語ったら、完全にキチガイをみる目でみられた。

夜、ビーフカツを作って食べた。昨日の残りのナスの炒めものも食べた。
食後にコーヒーを飲みたいところだが我慢した。テストが終わった日は必ずワインかウィスキーを飲む俺だが、それも我慢した。
なぜなら俺はいま禁煙中だからだ。コーヒーやお茶を飲むと煙草が吸いたくなる。酒を飲むと煙草が吸いたくなる。そういうわけで、ドクターペッパーを飲んだ。
単なるドクターペッパーじゃない。新製品のダイエット・チェリー・ヴァニラ・ドクターペッパーだ。ドクターペッパーのあの奇妙に複雑な味に更にチェリー味とヴァニラ味を加えてダイエットにしてみました、という心から馬鹿げた飲み物だ。
しかしまあ普通のドクターペッパーもヴァニラコークもチェリーコークも大好きな俺であるから、きっと美味しくいただけるであろうと思った。正直、期待していた。
結果、なんと、これが、普通のドクターペッパーと全然変わらない。
中身まちがってません?と思ってしまった。
風邪で鼻がおかしいせいだろうか。拍子抜けした。
明日はライム風味つきのコーラを飲む。

さっきまでDVDでゴダールの映画を観ていた。友人から貰ったのだ。
英題「Breathless」。こりゃ多分みたことねえなあと思いながらみた。
主演がお馴染みジャン・ポール・ベルモンド。うまそうに煙草をぷかぷかやっていた。こういうのをみるとものすごく煙草が欲しくなる。
ヒロインがタイプだった。もうどんぴしゃでタイプ。わあ。いいなあ。すてきだあな。と思いながらみていて、ふと気がついた。
こんなことが昔にもあったぞ。デジャヴ。いや、ちがう。
あれは確か俺がバリバリのSweet Sixteenであったころ、友人のT山が無理やり俺に押し付けたビデオ…いや、深夜の衛星第二でやったのをビデオに録画したのだったか…とにかくこの映画はみたことあるぞ…すわっ!いま俺がみているのは「勝手にしやがれ」じゃないか!ヒロインの髪型が当時純情に片思いしていた人と一緒で…。
というわけで、みたことがあったし、昔と同じようにヒロインに胸がときめいたし、
それでもう満足で、途中でリモコンの停止ボタンを押していた。

しかし、「勝手にしやがれ」の英題はきっとドゥワチャライクだと思っていた。
そんな俺は若い大切な時期を完全に渋谷系に踊らされてしまった悲しい世代だ。
ブレスレスだって。それはそれでなんだかイカしてる。

さて、HOSPITALが3周年だ。全然気がつかなかった。
特に思うことはないが、なんだか嬉しいような気もしないでもない。
長く続くということはステキなことだ。
我侭で飽きっぽい俺にしてはよく続いていると思う。
これもひとえに、読者のみなさんと他のメンバーのおかげだ。

というようなことは、ちっとも思わねえ。
これからも、俺は俺の俺だけのためにグッとくる物語を書いていきたい。

yujing

投稿者 hospital : 10:25

2005年03月09日

最近あった出来事

最近あった良い出来事

・かっこいいキーホルダーをプレゼントされたこと。
カルバンクライン製。

・素敵なマフラーをプレゼントされたこと。
ラルフローレン製。

・バーで酒をおごってもらったこと。
よく飲んだ。

・何年ぶりかの再会をしたこと。
会えて良かった。

・十何年ぶりの再会をしたこと。
全然変わってないねー。といわれた。

・昔一緒に安アパートで暮らしていたひとたちの活躍を知ったこと。
フォトグラファーとか青年実業家とか、人生いろいろ。

・Lou Barlowのライヴに行ったこと。
一緒に行った人たちの反応が微妙だったので黙っていたけど、実はけっこう感動していた。「Love is stronger than truth~♪」だってさ。

・ジーンズが安かった。
二本買った。

・Chemical Brothersの新しいアルバムが良かった。
文句あっか。

最近会った嫌な出来事

・部屋にネズミがたくさんでること。
かわいいんだけどね、迷惑。

・確定申告を学生ボランティアに頼んだらありえないくらいデタラメなことになったこと。
もう自分でやります。

他にもたくさん嫌なことあったけどもう忘れた。

最近あった面白い出来事。

・吹雪の日に道端で超ハッピーそうにしてるひとをみつけて「なんでそんなに嬉しそうなの?」ときいたら「昨日マイアミから来たんだ」と答えられたこと。
でも嬉しいからって通りすがりの店のドアをいちいち全開にしてみたり、レストラン内で食事を楽しむ女の子たちに向かってガラス越しにチュッチュとキスをするのはまずいと思った。

・地下鉄内で全ての乗客(俺も含む)に向かって汚い言葉を吐いていたランニング姿の黒人青年が停車駅で警察官に連行されていくときに、それまで大人しく黙って座っていた上品そうな老婦人が立ち上がってものすごく汚い言葉で青年を罵り出したこと。
警察官や他の乗客が困った顔でバアさんをたしなめているのが愉快だった

最近あった奇妙な出来事

・アパートのゴミ捨て場にまったく手のつけられていないペパロニのピザが四枚、デリバリー用の箱に入ったまま捨てられていたこと。それから4日後にも同じように四枚のピザがデリバリー用の箱に入ったまま捨てられていたこと。隣のアパートのゴミ捨て場を覗いたらそこにも同じピザの箱が4つあったこと。
果たして何を意味するのか。4という数字が実にわざとらしくて怪しい。

以上、
ワイユージェイアイエヌジーでした。

投稿者 hospital : 16:13

2005年02月20日

飲茶、映画、カフェ

朝、学校。
昼、友人の香港人に連れられて4人でチャイナタウンで飲茶。さすがにうまい。
それから映画館で「誰も知らない(nobody knows)」みる。
主人公の少年が俺に似てると誰かが言い出す。
なんとなく似てると誰かも言い出す。
全然似てないし。歳違いすぎるし。あんなに綺麗な目はしてないし。
でも、あれかしら。少年っぽいってことかしら。それって素敵なことかしら。
観た後、なんだかみんなぐったり。ひとりは泣いていた。
カフェで日本のロボットアニメとガンプラとラジコンの話をさんざんする。
かつて、そのへんの知識の豊富さで近所の子供たちの間でリーダー格に君臨していた本場日本育ちのこの俺様である。負けるわけにはいかない。
と思ったのだが、あんまりよく思い出せなかった。すっかり記憶をなくしている。
不思議ですねー。いらんことはどんどん忘れていくね。あんなに夢中だったのに。
それからアメコミについて講釈を受ける。
外はすごく寒かった。

ところで、マタドールの15周年記念の2枚組みコンピはDVDまでついてまったくお得だ。

yujing

投稿者 hospital : 13:55

2005年02月13日

映画三本

友人に誘われてThe Chorus(英題)という映画を観に行った。
友人曰く「すばらしくすばらしいフランス映画でヨーロッパでものすごくものすごい評判なのよ」ということであったが、まったく俺は気に入らなかった。
問題児だらけの教護院に勤め始めた元音楽家志望の教師が合唱の指導を通して閉ざされた子供たちの心を切り開いていくっていう話。
できすぎてる。うそ臭すぎる。狙いすぎてる。白々しい。なめんな。そう思った。
俺は映画に対して思い入れがまったくないと自分では思っているのだが、
気に入らない映画を観ると何故かやたらと不機嫌になってしまうたちで、
上映後、たぶんものすごく怖い顔をしていたと思う。
友人に謝られてしまった。まったく俺は「大人げない」ないと反省した。
ただ、観客の大半がその映画館の近所の金持ちジジイババアどもで、
一番後ろの席から眺めると白い頭がずらあっと並んでいてそれが面白かった。

家でひとりでウォーレス・ウォロダースキー監督「seeing other people」という映画を観た。これはめっぽう面白かった。長い交際期間の末に婚約したカップルがお互いの了承の上でそれぞれ異性交遊に励むというお話。結局ね、やっぱりね、行き着く先はね、そういうことになるのよね、と、いろいろ感慨深いものがあった。すばらしい映画です。

それからトムハンクス主演のスプラッシュ(人魚と恋に落ちるやつね)を観た。80年代のNYを眺めているだけで楽しかった。主人公のアパートが友人の住むアパートのすぐ近所だった。(ていうか同じ建物かも。KJ君は確認してみてください。)こてこてファンタジーラヴコメディに心があたたかくなった。

というわけで今回は、映画なんかこの世からなくなっても全くどうでもいいと思っている男の、映画鑑賞日記でした。

しかしだなあ、歴史的背景とか家庭環境に問題のある子供なんかがだなあ、クソくだらねえ美談のための単なる状況設定としてしか扱われてないような映画はだなあ、まったくとんちんかんで頭にくるぜ。
感動するだけの話なんかなあ、小学生でもできらあよ。
と、ひとり異国で吠える20代半ば未就職者の俺はいったい何様か。
偉そうにしてすいません。yujingでした。

投稿者 hospital : 12:31

2005年02月08日

反省

前回、他人のことばかり書いてしまったので反省して削除した。
このサイトをみてない、ていうか日本語が読めないからって、あれこれ書くのは卑怯だと思った。「大人」であること。それが今年の俺のテーマではなかったか。
俺はまだまだガキだ。いや、ガキどころか、俺は馬鹿で卑劣なとんまの醜い豚だ。(でもちょっと最近痩せたんだよ。)
削除した日記を読んでいない人にはなんのことだかわからないだろう。
たいしたことはない。単に、買い物中のスーパーで商品を食べようとしたり、路上で袋詰めレタスをムシャムシャ手づかみで食べたり、ガムつきフロッピーディスクを俺のPCに挿入したりする変わり者のアメリカ人がいるって話を書いただけだ。
騒ぐほどのことじゃない。豆腐にマスタードをたっぷりつけて食べていても、我が家のミネラルウォーターを3リットル近く飲んだとしても、ガム1ダースを約1時間で全部噛み終えたとしても、たいしたことじゃない。
それを気にもとめない度量がひとりの大人である俺にはあるということを知ってもらいたい。山盛りのブロッコリーにマスタードと砂糖をかけて食べていたことだって俺は全然気にしちゃいないんだから。(なんか前よりいろいろ書いてしまった。)

さて、俺のことを書こう。
最近俺は忙しい。
いろいろなことに対して忙しい。

まず、勉強の鬼になることにした。
もちろん鬼であるから他人のノートを破ったり教科書で先公を殴りつけたりと
いろいろ悪さをする必要があるので忙しい。

それからダイエット中である。
いまのところ順調に痩せてきている。
2キロ痩せた。それから減らなくなったので1キロ体重を増やした。
すると1キロまた痩せた。それから減らない。だからまた1キロ増やした。
今日計ったらまた1キロ痩せていた。つまり、もう3回も痩せたことになる。
すごい。

あと、アメリカのオルタナティヴコミックへの思いが再燃し始めた。
某所のコミュニティで知り合った人々に大変刺激を受けたためだ。
今日もコミックを4冊購入した。どれもなかなか面白い。
ただ、まったく違うもの(とある試験の問題集)を買いに本屋へ行ったはずがこの結果なので、ちょっと自分にあきれる。ちゃんとそれはそれで買ったけど。

アメリカの漫画は字数が多くて、字体が変で(手書きも多い)、
英語は日本語のようにぱっと見で頭にはいらないので読むのに非常に苦労する。
日本の漫画なら通常ひとの2~3倍の速さで読むことができる俺にとってはものすごくもどかしいのだが、そこがまた良い。
興味があったら挑戦していただきたい。

そろそろ疲れたので寝る。
真っ赤なつなぎのパジャマに着替えることにする。(お尻のところのボタンをはずせばぱかっと割れるようになっていてトイレに行くのにも困らない。これはいいですよ)

最後に、フランスのM83ってバンドは俺好みでとてもいい。
新しいアルバムもご機嫌だ。最後の曲はぶっとべます。
最近マックンとミヤムが大好きなPINBACKもよく聴いている。
それではみなさん、また。

yujing

投稿者 hospital : 10:27

2005年01月31日

俺の素敵な週末

土曜日。
朝7時に起きてシャワーを浴びてシリアルを食べて読書などをしていると電話。
学校の友人。朝から何事だろうと出ると、なんで学校来てないの?といわれる。
完全にクラスがあったことを忘れていた。いまからじゃ間に合いっこない。
仕方ないからのんびりコーヒーをのんだりする。
すると、また電話。さっきの友人。先生まだ来ないよ、とのこと。
クラスの開始時間からもう45分過ぎてるのに。
じゃあ行くよ、と言って急いで家を出る。
学校着く。クラスに入る。先生来てる。知ってる先生。遅刻常習犯の先生。
クラス終わって家に帰る。散文ひとつ書き上げる。
Oから電話がくる。うちの近所にいるとのこと。アパートの前で待つ。
O、自転車に乗って現れる。たったいま、親切な人から無料で頂いたのだという。嬉しそう。
自転車をうちの前に止める。盗まれるから地下の倉庫にでも置いたらいいんじゃないかと俺は言うが、大丈夫大丈夫とOはとりあわない。アーム状の鍵で前のタイヤを細い柱にくくりつけておく。
近所のオーガニックのハンバーガー屋へ行く。
とても美味しい。ただ、肉も野菜もパンもポテトも全てがオーガニックだというのに、ドリンクは全てコカコーラ社製というのは納得がいかない。
サイトディッシュのフレンチフライに加えて、新らしく改良したというフレンチフライをもうひとつ無料でもらう。ソースの種類がたくさんあったので全部試すことにする。8種類くらい机の上に並べる。カラフル。
食べた後、新しいほうのフレンチフライの感想を店長らしき人にきかれる。正直、別にどうってことないと思うが、褒めてみたりする。
Oと今年の抱負などを語り合う。俺の今年の抱負は、「男らしく、大人らしく」。
いった矢先に、店を出てすぐの食器屋のショーウィンドウにあったポップでキッチュな柄の食器たちに目を奪われ、Oに注意される。それは、男らしくない、といわれる。
Oをつれて家に帰り、映画などをみたりする。
Oが煙草を吸いたいというので屋上に行くことにする。
屋上に出てすぐ、足元が凍っていたため転びそうになる。その拍子にドアがしまる。
屋上のドアは外からは開けられないようになっている。であるから、普段はなにかドアにものをはさんでから外に出ることにしている。
しかし、ドアは完全に閉まってしまう。開かない。
すごく困る。同居人はどこかに遊びに行っている。同じアパートに住む友人に電話してみるが出ない。
外はすごく寒い。携帯のバッテリーは切れそう。非常に困る。
非常用のはしごの存在を思い出す。はしごを降りるとすぐ下の階にある俺の部屋の窓へと達することができる。
ただし、わりと危険な行為だ。
俺は俺が転落死したらすごく困るのでOに行かせることにする。
怖い怖いといいながらOがはしごを降りる。上からみてた俺は、Oに向かって唾を吐いてみたいという欲求にかられるが、「大人らしく」という今年の抱負を思い出し我慢する。
Oが俺の部屋の窓の前に到着する。必死になって窓を開けている。
窓が開く。しかし、そこからが問題だ。
窓の内側には鉄柵状の戸がまたある。もしかしてそれに俺は鍵をかけているかもしれない。
神に祈る。すごく寒い。馬鹿げてる。
開いた!と下でOが叫ぶ。上からOが俺の部屋の中へもぐりこむのがみえる。どうみたって泥棒だ。
それで、内側からOに屋上のドアを開けてもらって、部屋に戻ることができる。
それからテレビをみたりビールを飲んだりして結局Oはうちに泊まっていく。

日曜日。
朝、友人とブランチをする約束があったのでOを叩き起こして家を出る。
アパートの玄関をでた瞬間、あっ!とOが叫ぶ。
みれば、Oの自転車がなくなっている。柱にからまったワーム状の鍵とタイヤをひとつ残して。
O、たった一晩で自転車盗まれる。総乗車時間約10分とのこと。
朝っぱらから大いに笑う。さすが犯罪大国だぜ。

地下鉄でダウンタウン目指す。途中、Oと別れる。
しゃれた店でKに会ってブランチ。
サーモンとトマトとチーズのオムレツ頼む。Kはフレンチトースト頼む。どちらも美味しかった。
途中Jが参加する。あいかわらずおかしなことを言っている。
店を出て自然食品屋へ行く。スープ用の豆などを買う。
その後みんなでKのうちへ行く。すこしいて俺は帰る。
1時からコミ捨てとアパートの掃除をすることになっていたから。管理人の仕事。
ちょっと遅刻する。同居人がもう仕事をはじめている。
階段、廊下をほうきではいて、窓を拭いたりする。途中、一階の住人が引っ越しで出て行くのを手伝う。でっけえテレビを運んでいたら肩がはずれそうになる。
それでまあ、終わっていまはひとりでうちにいる。
日曜の午後をひとりで堪能している。
今週末はもうこれで上出来なんじゃないかと思う。

yujing

投稿者 hospital : 04:17

2005年01月27日

オールスター

新しい靴を買った。
茶色いスウェード地のオールスター。
ハイカット。

NYの街は大量の雪溶けのせいで、
ぐっちゃぐちゃのびっしょびしょだ。
なのでとても歩きにくい。

こんな日のために、
長靴がわりになるようなハイカットの靴が必要だ。
と、そう思った。

オールスター発祥の地、アメリカであるはずなのに、
アメリカにはあまりオールスターの種類がない。
色も模様も生地も、全然まったくてんでバラエティーがない。
値段だって大して安くない。
しかし、俺はよい店を知っている。
そこは韓国人のおっさんが経営するてんで目立たない小さな店だ。
オールスターの種類が豊富で、値段もすごく安い。
どこから仕入れているのか実に不思議だ。

いろいろ迷った末、そのまあ、スウェード地のオールスターに決めたわけだ。
布地じゃあ泥水が染み込んでしまう。
革はなんだかいいのがなかった。
でも決定的だったのは、そのオールスターのデザインが、
茶色にオレンジのラインがはいっている、というところだった。

なぜだか俺は、いつもオレンジ色を選んでしまう。
オレンジ色のはいった靴ばかり持っている。
オレンジ色のTシャツをたくさん持っている。
目の前のカレンダーはオレンジ色で、
PCの隣にはオレンジ色のプリングルス(チーズ味ね)。
ケツの下のクッションもオレンジ色。
いま頭に装着しているヘッドフォンまでオレンジ色だ。
そういや、HOSPITALもオレンジ色。
病気としか思えない。きっと頭がおかしいんだ。

靴を買って早速店で履き替えながら、
あー、またやっちまった、と思った。
またオレンジ色かよ。と、そう思ったし、またオレンジ色かよ、
と、あとで友人らに言われるのだろうと思った。
実際、俺が公言したわけでもないのに、
友人らは俺がオレンジ色を好むことを知っている。
プレゼントやお土産なんかは決まってオレンジ色のものをくれる。
受け取るたびに、またオレンジ色かよ、と俺は思う。
その受け取った何かをみて、誰かが、またオレンジ色かよ、と言う。
正直もうオレンジ色にはうんざりしている。
でも買ってしまった俺は馬鹿だ。

なんだか複雑な気持ちで店をあとにする。
それでも足元は新品のオールスター。
安かったからさ、全然汚してもへっちゃらさ。
ハイカットだしさ、スウェードだしさ、雪溶けなんかへっちゃらさ。
とそう思って、水溜りだらけの街を闊歩してみたら、
あのさ、オールスターってさ、
土踏まずのとこの側面にさ、二つ穴があいてんのね。
穴からさ、冷たい水がはいってくるの。
靴下にしみるったらありゃしねえの。
本当に俺は馬鹿だな。

yujing

投稿者 hospital : 02:31

2005年01月22日

NYに戻る

さて、日本からNYに戻ってきたわけだが、
早速いろいろとついてない。

電話がとめられていた。
家のヒューズがとんだ。
お気に入りのコーヒー豆が売り切れてた。
解決されているべき学校の問題が、職員の怠慢のせいで解決されていなかった。
友達にもらったハーバートのCDが聴けなかった。
ベーグル屋の店員にしつこく誰かと間違われた。
すごく寒い。

近所を歩いていたら、道端に妙な写真が落ちていた。
女性が男性のアレを咥えている。
妙に生々しいので、こりゃきっとプライベートなものに違いないと思う。
そしてふと気がつけば、同じ写真があちこちにばらまかれている。
なんだか事件の匂いがする。

KJと本屋へ行った。
海辺のカフカの英語版を購入。
実は日本語でも未読。
だって高いし上下で2冊だし。
英語版はすっきり1冊。STRANDで値段も安く済んだ。
(そんな風に本を買う俺って嫌味なくらい洒落てる!)

漫画も買った。
いわゆるオルタナティヴコミック。
一冊は帰り道のバスの中で10分くらいで読めてしまった。
短かすぎる。そんなものを単行本にしないでほしい。
絵下手だし。たいした話じゃないし。値段高いし。
がっかり。
もう一冊は1991年に出た、その頃の新人作家のアンソロジー。
Daniel Clowesから始まってJim WoodringやArt Spiegelmanなんかがあって
最後にHarvey Pekar&R.Crumb(アメリカンスプレンダーの人ね)がきてっていう、
とてもお得なもの。
で、なぜかこの中に丸尾末広の英訳作品があった。

ところで、今年の目標として、
12キロの減量を掲げることにした。
ひと月に1キロ落とす。
まあ、簡単なことだろう。
食事を減らしてちょっと運動すればいいだけだ。
あとピザやハンバーガーのような高カロリーのものは避ける。
大好きなヴァニラコークやチェリーコークはもう飲みません。
お菓子もいま手元にあるプリングルスを最後に完全に断ちます。
お酒も控えます。
そんなわけで、今日から減量開始。
日本のみなさん、今度会うときを楽しみに。

yujing

投稿者 hospital : 23:11

2005年01月06日

田舎ライフ

実家で毎晩酒を飲みながら過ごしている。

この街にはひとりも友達がいない。
この街で暮らしたことがないからだ。
当然この街のことをよく知らない。

家の庭に大きなクリスマスツリーがある。
父親がモミの木を一本まるごと植えたそうだ。
電飾がたくさんついている。とても派手だ。
老夫婦がなんの理由があってこんなものを。

飼い猫は元気だ。黒猫と白黒のブチ猫。ともにメス。
黒猫のほうはもう16年生きている。16歳。女子高生だ。
そういう目でみるとなんとなく腰のあたりが色っぽい気がする。
というのは嘘だ。さすがにおばあさんだ。
黒い毛のなかに白い毛がちらほら混じっている。

近所に本屋兼CD屋兼レンタルビデオ屋みたいなものがある。
夜10時から11時の間に行けばレンタル料が大変お得になるのだが、
そんな時間に行くつもりは毛頭ない。
外は真っ暗で道は凍っていて危ないし怖いからだ。
本気で危ないし怖い。
ここは田舎なんだ。

街で出稼ぎの外国人労働者をよくみかける。
噂によると兵器工場があるらしい。ほんとだろうか。
俺みたいに昼間からぶらぶらしてる成人男性はまったくいない。

外は雪が溶けずに残っている。
今日は一度も外に出なかった。
母親以外に話した相手は家に来た坊さんと灯油売りのふたり。
今夜もコタツでひとり晩酌。猫を膝に乗せて。
家は古い日本家屋で、まるでどこかの安旅館にいるような気になる。
気分はつげ義春だ。

なんか俺、ちょっとそろそろ限界な気がする。
早寝早起き、一日三食。うまい空気。うまい水。そんな生活。
ああああ。体に悪いことがしてええええ。


yujing

投稿者 hospital : 22:46

2005年01月02日

東京は怖い

帰国した翌日から俺は旅を続けている。
伊豆に行った。ミヤムに会った。とてもよくしてもらった。
次の日川崎に行った。兄夫婦の家へ。はじめて姪に会った。なんだかよくわからない生き物で混乱した。
その次の日少しだけ東京で本屋めぐりをした。大晦日の東京。雪が降っていた。とても寒かった。
俺は本を盗まれた。紀伊国屋新宿東口店で本を盗まれた。買ったばかりの本を置き引きに。
3階のトイレ。置き忘れてとりに戻った俺の目の前での犯行。犯人は痩せ型長髪サングラスの男。
読むのを楽しみに楽しみにしていたカルヴィーノの文学講義。あとは文庫本。カルヴィーノと金子光晴とブローディガン。全部で約5000円也。
悔しいです。ぼかあほんとに悔しいです。日本だからって油断してました。畜生。東京め。
あんな野郎に俺のナイスチョイスな本たちをとられたことがほんとに悔しい。
仕方ないので買いなおす。南口店で文庫買いなおすも文学講義みつからず。肩を落として東京駅へ。八重洲ブックセンターへ行くもやはりみつからず。泣きながら新幹線に乗る。

そして今俺は三重県の片田舎のネットカフェにいる。「かた」と入力すると最初にカタタタキ(p^-^)p(*^ー^)イイキモチ♪こんな顔文字が出てしまうネットカフェだ。「たく」と入力するとミ(ノ ̄^ ̄)ノオリャ!≡≡≡≡≡━┳━☆() ̄□ ̄)/ガコ!!や┻━┻ヘ(*`Д´)チャブダイフラッシュ!(*`Д´)ノ====┳━┳~☆こんな顔文字が延々50個以上出てくるそんなスタイリッシュなネットカフェだ。

4日に実家に帰ります。
その後で機をみてまた東京に行きます。
東京のみなさん優しくしてください。

yujing

投稿者 hospital : 15:36

2004年12月21日

とても寒い日

テストがようやく終わった。
肩がこった。腰が痛い。疲れた。

今日はとても寒い。
外を歩くと顔が痛い。耳がちぎれそう。
昨晩ふった雪が溶けずに残っている。
いよいよ冬本番というかんじ。

mixiはじめた。
どうしていいかわからない。

先日紹介したマジックソープだが、
日本で買うととっても高いことが判明した。
4~5倍の値段。
愛用しているリップクリームも4~5倍の値段。
いやはや、なんだか申しわけねえっす。

シャンプー、リンス、洗顔の類は全部バスルームから片付けた。
リキッドのマジックソープ一本で全身を洗い続けている。(これってハードボイルドだと思う。)
すこぶる具合がいい。特に頭皮がいいかんじだ。
合成洗剤シャンプーの恐ろしさをあらためて思う。

居候はふらふらと夜な夜な遊び続けている。
同居人はずいぶん前にテストを終えて休暇をエンジョイしている。
ようやくその仲間に加われる。

とりあえず部屋を掃除して、
今夜は久しぶりにお酒を飲もうと思います。

yujing

投稿者 hospital : 05:47

2004年12月13日

深夜に突然

深夜、机に向かっていたところ、突然部屋のドアが開く。
ジャジャーンとT参上。たいへん驚いた。ドキッとした。びっくりさせんな。

Tは日本から遊びに来ている居候だ。
この一ヶ月ほど南米旅行に行っていた。
その旅の様子はココでいちいち報告され、退屈な日常を生きる俺のすさすんだ心をひどく刺激してくれた。
長髪だったのが丸坊主になっている。よく日焼けしている。憎い。

得意げにお土産物をテーブルの上に並べるT。
マッチ、消しゴム、お菓子、お茶など。大変興味深くない。
目ぼしいものは全部日本に送ったとのこと。

とりあえずコカ茶をもらって飲む。
毒々しい色のキャンディを舐めたりする。

朝6時くらいまでだらだらと二人で起きている。
3時間くらい寝て学校へ。
学校から帰って洗濯。大量。ひどく疲れる。

夜8時ごろ、ベッドへ。
すこし寝て勉強をと思っていたのに気がつきゃ朝10時半。
寝すぎた。ひどい。ひどいな俺。
(例の睡眠障害めいたやつはいつの間にか直りました。)

日曜日は恒例のゴミ捨て、掃除。
勉強。頭がずっと痛い。

yujing

投稿者 hospital : 07:11

2004年12月11日

しくだい

今日もまた雨。洗濯に行けない。

パソコンに向かって文章を書く。宿題のペーパー。あと3ページ。進まない。

そこで俺は自分にこう言い聞かせる。
俺は天才。俺は天才。俺の頭脳はウルトラスーパーデラックス。
誰よりも素晴らしい。最高。すごい。すごくすごい。
超高速タイピング。摩擦でキーボードから煙があがる。
熱さなんてかんじない。それだけ集中してるってこと。
音楽を奏でるように言葉を紡ぐ。激しく!そして美しく!
鋭い論理的考察の中にユーモアとペーソスをふんだんに盛り込む。
アイデンティティとしてのもののあわれも忘れない。
そうして出来上がったペーパーをバロウズばりのカットアップで再編集。
散りばめられた隠喩と象徴、偶然から生まれた物語がこの世の全てを説き明かす。
それはもはや単なる小論文の域をはるかに超え、文学史におけるひとつの事件となる。
トマス・ピンチョン真っ青。ジョン・バースおったまげ。すごいなあ俺は。ものすごいなあ。

なんてくだらないこと書いてる場合じゃない。
とにかくやらなくちゃいけない。やだなあもう。

yujing

投稿者 hospital : 05:32

2004年12月10日

ハッピーピース

朝、電話で起こされる。相談事。
眠いので適当に答える。
電話を切ってから態度が悪かったと反省する。

学校にて、アメリカ名物オフィスたらいまわしの刑をくらう。
ひとつの問題を解決するために計6個のオフィスを訪ねる。
いちいち説明。いちいちごねる。その末、管轄が違うとかいわれる。
額の血管がぶちぶちと切れそうになる。

郵便局へ行く。窓口の前に長い列。10分並んだ末、こりゃ授業に間に合わないと思い、急いで学校に戻る。教授は余裕で遅刻してくる。そりゃないぜと思う。

授業後、外に出ると雨がふっている。傘は持っていない。
ジャケットのフードを被りまた郵便局へ向う。
さらに長い列がそこにある。クリスマスのギフトを送るためだろうか、やたらと混んでいる。だいぶ長い時間並んだ気がする。
最高に無愛想な局員の最高に最低な態度に拳の中の中指をぐっと押さえる。

雨に濡れながら帰宅。
ペーパーの宿題。全く進まない。自分史上最高のスランプ。
近頃椅子に座りっぱなしで腰が痛い。辛い。

もうすぐテスト週間がやって来る。どのテストも絶望的に自信がない。
楽しみにしていたはずのヨラテンゴのライヴ。行ってるバヤイじゃない。
自分からいろんな人を誘っておいて行けないとメールする自分が嫌になる。
「こんな身勝手な人、他に知りません」という返信メールを自分が知る人の中で最も身勝手であろうと思われる人物からもらってしまう。ショック。
友人に誘われたライブにも行けない。ハープで奏でるノイズミュージックだって。みたい。どんなだろ。

来週、自分が通う学校で日本人作家の多和田葉子の講演がある。ものすげえ行きたい。でもその時間、大事な授業がある。ああ。あああああ。行ってしまような気がする。

部屋が汚い。洗濯物がたまっている。
頭が痛い。目がしょぼしょぼする。

でも玉子焼きが上手に作れたから今夜はハッピーピースです。
イエイ。ヤッタネ。


投稿者 hospital : 08:43

2004年12月08日

12月の雨の日

昨日は雨で今日も雨。
12月の雨の日は、決まってはっぴいえんどの12月の雨の日という曲を思い出す。
それでもって、ちょっぴりセンチメンタルな気分になったりする。

12月の雨の日に、「12月の雨の日」を聴いたことがある。
あれは高校三年生のとき。朝で、冷たい雨がふっていた。
CDウォークマンではっぴいえんどを聴きながら電車に揺られて学校に向かっていた。たしか、もう確実に遅刻という時間帯だったように思う。
電車から降りてホームを歩く。ホームには屋根がついていて雨に濡れる心配はない。
検札機を抜けるとささやかな地方都市の繁華街がある。大きなスクランブル交差点があってデパートがいくつかあって地方銀行の本店があって通勤途中のサラリーマンがたくさんいて車とバスと赤色の路面電車が走っている。
高校行きのバスに乗るべくバス停に向かおうと、雨空を見上げて傘をさそうとしたそのとき、耳にかけたヘッドフォンから「12月の雨の日」が流れ出した。あ。12月の雨の日。あ。あ。あ。絶妙のタイミングに俺は震える。そして同時に思った。
今日は学校をさぼろう。
理由なんかない。
ただ、12月の雨の日に「12月の雨の日」を聴いたから学校をさぼることにした。それだけだ。太陽がまぶしかったから人を殺した。それと同じだ。
学校をさぼると決めた俺はとある古い小さい雑居ビルに向かう。俺だけの秘密の場所がそこにあるからだ。
名前を、喫茶ブラジルといった。
店内はかなり広い。25畳くらいか。机と椅子がたっぷりある。しかし、客はいつ行っても一人か二人しかいない。
薄暗い店内。窓はあるが、赤色の分厚いカーテンで覆われている。全てがおよそ清潔とは言い難い。全てが年代物。全てが時代錯誤。壁には街の観光スポット案内やらポスターやらが貼られている。写真や絵から推測するに、ばりばり昭和のものだ。中央に大きな古いチャンネルを回す式のテレビが置かれいる。応接間用といったかんじの。のび太んちのテレビといったらわかってもらえるだろうか。それからテレビの前にテーブルが置かれていて、その上に雑誌が乱雑に積み重ねてある。この雑誌たちが総じて破れ放題のボロボロ。しかも、おそらく客が置いて行ったものなのだろう、種類も号も全く揃っていない。芸能誌からエロ本、漫画、文芸誌までなんだかもうめちゃくちゃだ。驚くべきなのが、当時、俺の知る限り、それらの雑誌の中で一番新しいのが半年前に出た女性週刊誌という事実。掘り出せば、平気で5年くらい前の漫画誌が出てくる。
この店をきりもりするのは老夫婦だ。絵に描いたようなお婆さんとお爺さん。お婆さんがカウンターで調理を担当。お爺さんがウェイター。カウンターのお婆さんは普段着であったが、お爺さんの格好はかなりきまっていた。スラックス。革靴。白いシャツ。チョッキ(ベストとは呼ばせない)。そして赤い蝶ネクタイ。
席はたくさんあったし、いつでも店内はガラガラなわけだが、どこでも好きな場所に座っていいというわけではなかった。
はじめて来た日、俺は店の一番の端の席に座った。するとウェイターのお爺さんは、こんなに席があまってるんだ、そんな端じゃなくてもっと真ん中にきなさいと俺に言った。いや、ここでいいです。と、俺は答える。すると、お爺さんはすこし不機嫌そうに、いいからこっちのほうにしなさいと言いいながら、水とおしぼりを持って俺に歩み寄ってきた。そこで合点がいった。お爺さんは片足をひきずっていた。片足が不自由で端の席まで歩くのが大変なのだ。だったら、お婆さんが配膳したらいいのに…。
そんなお爺さんが片足を引きずりながら持ってくるコーヒーは最高に不味かった。いつも煮たっていた。タマゴ型のコーヒーカップはとても小さく、すぐに飲み干せた。腹が減ってるときは200円のバタートーストを頼んだ。これをジャムトーストにすると値段が2倍の400円になるから驚きだった。一度だけクリームソーダを頼んだときがあった。それはなんだかとても懐かしい味がして美味しかった。
この店の中にトイレはなかった。雑居ビルには小さな旅行会社だとか消費者金融なんかが入っていて、それらの会社と共同でトイレを使っていた。だからトイレに行くときは一旦店を出ることになる。で、そのときお爺さんにきかれる。紙いるか?と。このビルの共同トイレは、持参のトイレットペーパーを使う決まりなのだ。
そして、一番俺が驚いたこと。俺はこの店ではじめてネズミというものをみた。大きなネズミ。マイスじゃなくてラット。はじめてこの店を訪れた日。ぼおっと向かいの壁をみつめていら、黒い影が椅子の背もたれの上を壁づいたいに走った。まさか!と思い、目をこらす。また何かが走る。あ、ネズミ!すげえ!本物!黒死病!ハーメルンの笛吹き男!ちょっと感動した。以来、何度かこの店でネズミを目撃した。ネズミを見た日は、なんとなくついてる気がした。
話を戻す。
いつもは学校帰りによるその店に、その日は朝から行ってみたわけだ。モーニングの時間とうことで、いつもより客がいた。4人か5人。みんな仕事前のオトナたちだ。
俺が意外な時間に来たことに、お爺さんもお婆さんもたいして気にもとめてないようだった。そもそも俺の顔を覚えているかどうかも怪しい。特に会話を交わしたこともなかったから。
いつものように不味いコーヒーを頼む。そしていつものようにお爺さんが片足をひきずりながらコーヒーを持ってくるのでいつものように申し訳ないような気持ちになる。
胸ポケットからハイライトを取り出す。学生服のまま煙草を吸っても何も言われない。気にもとめない。それが、俺がこの店を贔屓にしていた最大たる理由だ。
文庫本を取り出してしばらく読んだ後、ヘッドフォンを装着してはっぴいえんどをまた聴いた。この店に、はっぴいえんどはやたらと似合って、俺はなんだかフォーク全盛のあの熱い時代にいるような、もしくは、当時好きだった庄司薫の小説の世界にいるような、そんな気分になった。
はっぴいえんどを聴きながら俺は手紙を書いた。アメリカで暮らす友人に宛てたものだった。長い手紙のうちの、何枚かを書いた後、お爺さんが俺に話しかけてきた。ヘッドフォンをしていたのでよく聴き取れなかった。
ヘッドフォンをはずして、なんですかと俺は尋ねた。お爺さんは、もうお昼だよ、と言った。時計をみると12時を過ぎていた。テレビで笑っていいともがやっていた。お爺さんはそれ以上は何も言わなかった。俺の長居が気に食わなかったのか、俺にそろそろ学校に行ったらどうだ、と言いたかったのか、よくわからない。「あ、ほんとだ」なんて俺は答えて、店を出た。もう雨はやんでいた。そして、そのまま、うちに帰った。

12月の雨の日のたびに、この日のこと、あの店のことを思い出す。
俺があの店を訪れたのは、この日が最後になった。次来たときには、店はもう営業を辞めていた。とても立派な字でその旨を記した張り紙があった。

さっきテレビで、アメリカのB級文化人(ていうかGeek)たちが鬱屈した高校時代の暗い思い出を語るという番組がやっていて、どこの国でも同じなんだなあと思って眺めてたら、ちょっと昔話を書きたくなった。文句あっか。

窓を開けてみた。雨はもうあがったみたい。
RCサクセションの雨上がりの夜空にが無性に聴きたくなってきた。
そんな夜です。

yujing

投稿者 hospital : 07:18

2004年12月05日

MMW

俺の唯一の他人に言っても大丈夫な趣味であるところのCD屋めぐりが随分ご無沙汰になっている。理由はあちこち歩くのだりいし、引っ越してからというもの家が快適すぎて外に出たくないない病にかかっているからだ。

で、今日久しぶりにCDを買った。
家の近所の電化製品量販店で。
まったく家電屋でCDを買うことほど情けないことはない。ろくなものがありゃしねえ。
商業主義に侵された音楽業界の堕落と退廃の象徴がそこにある。なんて偉そうなことをいってみた。

猫の額ほどのCDコーナー。ヒップとは縁遠い間抜け顔の連中がたむろう中を颯爽と歩く俺。洗練された仕草でCDを選ぶ。その眼光は獲物を狙う豹のごとく鋭い。

結局俺が買ったのは、Medeski,Martin & Woodの今年出たやつ。
アルバムタイトルがEND OF THE WORLD PARTY。
世界の終りフェチの俺にはたまらないタイトルだ。

美味しいと有名のドーナツ屋でドーナツをふたつ買ってから家に帰る。
アールグレイティーをポットでいれる。
買ったばかりのCDをステレオにいれる。
流れ出すメデスキーさんとマーティンさんとウッドさんの完璧かつオシャレすぎる演奏。
うっとり。
マーク・リボーさんも参加している。
マークさんは先月ライヴをみに行った。かっこよかった。
一緒に行った友人は無理矢理握手をしてもらっていた。
「しばらく手を洗いたくない」などと乙女みたいなことを言っていたが、
その日のうちにも、すっかり忘れて我が家でぺちょぺちょと手を洗うやつの姿を俺は見逃さなかった。

MMWのアルバムは相変わらずステキだったので、
みんなも買って聴いてみたらいいと思います。

宿題をしなくちゃいけない。
火曜日までだ。かなりの難題だ。
正直、俺には無理なんじゃなかと思う。
ちょっと嫌な汗をかく。

あとHOSPITAL-pink更新した。

yujing

投稿者 hospital : 07:12

2004年12月03日

姪ドラマ再び

今年の冬休みは日本に帰る。
目的は、今年2月に生まれた姪に会うことだ。
考えただけで胸が躍る。初めての対面だ。
いまからすこし緊張している。
俺は人見知りする性格なのでうまく姪と仲良くなれるか心配だ。
どんなふうに挨拶したらよいのだろう。クールにいこうか、気さくにいこうか。
どんな服を着ていたらいいだろうか。ここはビシッとスーツだろうか、それともアロハなんかでくだけたかんじをだすのがいいだろうか。
この先長いつきあいになる間柄だ、第一印象が大事だと思う。
優しくてかっこよくてユーモアがあって、でもどこかミステリアスなオジさんというイメージを是が非でも植えつけたい。
まず、俺には海外在住という武器がある。漫画の中じゃ、素敵なオジさんはいつだって海外在住だ。それでもって、多くの場合、サングラスをしてヒゲをはやしていたりする。更に言えば、パイプを口に咥えて、船長帽子を被っているはずだ。
それでいこうと思う。
それから、お土産が必要だ。女の子だから、やはりかわいらしいものがいいと思う。
靴がいいだろうか。それとも洋服がいいだろうか。アクセサリーなんてどうだろうか。
いや、ここは、記念に長く残るものがいい。オルゴールなんてどうだろう。品のいい、洒落たやつ。とても美しいメロディが流れるやつ。

「オジさま、はじめまして」
「やあ、君が僕の姪かね。なるほど、僕に似て利発そうだ」
「まあ、オジさまったら」
「これ、お土産だよ」
「まあ、ステキ!オジさま、大好き!」
「はっはっはっは」
「ねえ、オジさま、庭でテニスでもしましょうよ。あたしとっても強いのよ」
「むむむ。そりゃあ、まいったな。オジさんだけに、オジ気づいちゃうな」
「きゃー。オジさま、そのダジャレさいこーっ!おもしろーい!」
「はっはっはっは」
「あははははは」

こうして俺たちは親睦を深め、大の仲良しとなるだろう。
毎晩、姪は俺のベッドにもぐりこみ、何か話をきかせてくれとせがむだろう。
俺は長い海外生活で体験したとっておきの話をきかせるだろう。
ジャングルで人食いワニと戦ったときのこと、未開地での原住民たちとの交流、無人島でのサバイバル、とある小国のお姫様との悲しい恋...etc...

やがて俺が日本を発つ日がやってくる。
空港で涙ぐむ姪。
「オジさま、次はいつ日本に帰ってくるの?」
「さあ、わからないな」
「あんまり長く帰国しないと、あたし、オジさまのこと忘れちゃうんだから」
「おやおや、キコク喪失ってやつかい」
「んもうっ!オジさまったら」
笑った顔で泣きじゃくる姪。
「はっはっは。なあに、またすぐ会えるさ。じゃあね、よい子にしてるんだよ」
そう言って姪の頭を撫で、颯爽と搭乗手続き向かう俺。
「オジさまー、カムバーック」

家に帰り、自室にて、俺との思い出に浸りながら、オルゴールを開ける姪。
メロディが流れ出す。しばらくその音色に耳を傾けた後、姪は気がつく。
あら、中に何か入っているわ。何かしら。
なんとそこにはアメリカ行きの航空券が。
まあ、オジさまったら。おかあさまー。ドタドタドタ。姪はキッチンの母親のところへ。
オルゴールから流れ続けるメロディ。やがてそれはバンド演奏に変わり、歌がはいる。その曲は、ビートルズでハロー、グッバイ。ここでエンディングロール。
監督・脚本・主演・俺。姪役は一般公募で。とりあえず日本編おわり。
アメリカ編へつづく…わけねーじゃん!

yujing

投稿者 hospital : 07:09

2004年11月30日

藤子不二雄

書きかけの散文が山ほどある。
ひとつも前に進まない。
どれもこれもに飽きてしまった。
長く放置しすぎた。
二年前から書きかけのものまである。
そろそろ何か一本書き上げたい。

さいきんは漫画に夢中だ。
漫画のネームがたくさん出来た。
そしていざ清書を描こうとするとうまくできない。
失敗しては捨て、失敗しては捨て。その繰り返しだ。
自分の画力のなさが悲しくなる。
いきなりペンで描き始めるせっかちさがよくないのかもしれない。

むかし俺は漫画に狂っていた。小学生の頃のはなしだ。
大量の漫画を持っていた。遊びに来た友人たちは一様に驚きの声を上げた。
手塚、藤子、赤塚、水島といったあたりが一番好きだった。
そして特に藤子不二雄の藤本、安孫子の両氏には相当かぶれていた。
自分で研究ノートを作るほど熱中ぶりだった。
どっちかというとAよりもFのほうが好きだった。
毎度、見事に最後のコマでオチをつけるFのストーリーテリングの巧みさ。
SF短編作品にも強く衝撃を受けた。
思うに、Fは本名の藤本から来ているのではない。
ファッキンとかファンキーのFという説もあるが、本当はファンタスティックのFからきているのだと思う。
ついでにいうと、Aは安孫子のAではなく、アナーキーのAだ。
むかし電気グルーヴのオールナイトニッポンで卓球がさんざん言っていた。

ホスピタルピンクの作品、「アーティストのタマゴ」には俺の藤子不二雄へのリスペクトがみてとれる。不朽の名作「オバケのQ太郎」の記念すべき第一話目、学校の裏山で忍者ごっこをしていた正ちゃんがタマゴをみつけてその中からオバQが出てくるというあの有名なシーンへのオマージュがそこにある。
誰も気づかないと悲しいので図々しく自分で書いてみた。

宿題のペーパーをしなくちゃいけない。
正直、終わる気がしない。提出まであと3日しかない。
考えると、ちょっと嫌な汗をかく。

まだ早起きは続いている。
早寝してるわけではないのに朝早く目が覚める。
完全に異常だが、もうどうでもよくなってきた。
やるべきことがたくさんあるのでむしろ都合がいい。

yujing

投稿者 hospital : 21:23

2004年11月24日

俺の街

昨日くだらないことを書いたら、今日は寝すぎたくらいに眠れてしまった。

日本映画を借りてみた。
舞台が高円寺だった。昔俺が住んでいた街だ。
吐き気をもよおすくらい懐かしくなった。
全ての通り、建物に見覚えがあった。
なぜか終始胃の上のあたりが重かった。
肝心のラスト約10分というところでDVDがうまく動かなくなった。
もう充分だという気持ちになっていたのでそこで観るのをやめた。

かつて高円寺は俺の街だった。
高円寺といえば俺であり、俺といえば高円寺であり、そして世界は俺を中心に回っていた。というのは言い過ぎた。
あの街で俺はよく酒を飲んだ。一番ひどいときは昼から翌日の朝9時まで飲んだことがあった。まず定食屋で昼飯食べながらビール飲んで夜勤明けのタクシー運転手が集まる昼間から開いてるスナックへ行って夕方くらいに居酒屋行ってそんでもってバーに行って閉店時間までいて次は朝6時までやってるオカマちゃんのいる店に行ってそこも追い出されてもう帰れるのかと思ったら、なんと朝6時から営業を始めるというけったいな飲み屋がありやがってそこでまた飲む、という無茶苦茶なことをした。しかもいい大人たちと。あと、家まで歩いて3分の店から帰るのに泥酔してるせいで道に迷って途方に暮れて路上に寝転んで早朝の空を眺めてみたはいいが、店で飲んでるときに殴り合いの喧嘩を止めたりしたものだから全身血まみれで、朝の善良な歩行者たちのちょっとした非日常的光景になって上から顔を覗き込まれて照れたこともあった。
いくつかよく出入りする店があって、そこでいろんな人と知り合えたのが楽しかった。
買い物もバイトもデートも高円寺だった。どこかに行って高円寺の駅に帰ってくるとほっとした。一生住み続けるのかもしれないと思っていた。
思えば遠くにきたもんだ。

他にくだらない映画を二本みた。一本は途中で寝てしまった。
明日からサンクスギビングの連休だ。
勉強をしていようと思います。


yujing

投稿者 hospital : 13:38

2004年11月23日

睡眠障害

完全に睡眠障害だ。
とか、そんなことを書くと、まるで、苦悩する若者を気取って、自分の繊細さ加減を皆にアッピールしようとしているみたいで嫌なのだが、実際に近頃睡眠がおかしいのだから仕方ない。
まず、寝つきが悪い。寝ても3時間ほどで目が覚める。再び寝ようとしても寝つけない。昼間別に眠いわけじゃない。寝たとしても、うたた寝程度ですぐ目が覚める。
かれこれ、10日くらいそんなかんじだ。
最初は笑っていたが、いよいよ本気で自分が心配になってきた。
面白がっていた友人たちも、真顔で医者に行くことをすすめだした。
でも別に困ってない。食欲は旺盛だし、体はいつものごとく敏捷で、頭は相変わらず誰よりも冴えてる。ただ、肌が荒れて、化粧のノリが悪いのが困る。
嘘だ。肌はココアバターローション(もちろんナチュラル製品)のおかげでいつもすべすべだ。ていうか、そもそも俺が化粧するはずがない。本当は、ときどき眩暈を起こして道端で倒れこんで通行人にスカート中が丸見えになるのが困るだけだ。
これも嘘だ。眩暈なんか起こさない。いつだって俺はびしっと決まっている。そもそもスカートなんか履かない。いつも黒の革パンだ。
実際のところは、単に幻聴や幻覚をみることが困るだけだ。昨日は授業中に耳元でジミヘンが君が代をギターで演奏するものだからよく先公の言ってることがわからなかったし、今日は家に帰るとリビングにイアンカーティスがいて俺のために詩を読んだかと思ったらいきなり首吊ろうとして、おいよせよって俺は言って、プレステでもやろうぜって言って、とりあえずキッチンでコーラ飲んでからフルーチェのピーチ味作って二人で食べて、さあウィニングイレブンでもやっかと思ったらソフトがみつからなくて、あ、そういえば、兄ちゃんが竹田くんに貸しちゃったんだ、そんで、代わりになんか借りてきたんだけど、あ、だめだ、これロープレだわ、だめじゃん、対戦できないじゃんってことになって、仕方ないからテレビでエスパー魔美の再放送みて、そしたらイアンの足がすげえ臭くて、おまえ、素足で靴履くなよって叱って、そんなことしてるうちにお母さんが帰ってきて、もう少ししたら夕ご飯にするわよっていうから、イアンはうちに帰っていって、あとはひとりでコタツに入って一休さんの再放送みてた。
というのは、もちろん全部嘘っぱちだ。
俺は全然大丈夫だ。心配しないでくれ。

yujing

投稿者 hospital : 23:42

2004年11月22日

アパートのこと

アパートの2階にオペラ歌手の夫婦がいる。
日中、家で練習するため、階段に彼らの美声が響いたりする。
朝には二人してジョギングに行く姿がみられる。
ハイソでスタイリッシュな都市生活者ってわけだ。
が、この二人、ゴミの分別がまるで出来ない。いつもむちゃくちゃだ。そしていつも大量だ。
更に、よく家賃を滞納する。こないだは裁判沙汰すれすれでようやく支払った。
人を感動させる職業のものがこんなことでいいのだろうか。
同じアーチストとして許しがたい。

一方、4階に住む医者の夫婦はすごくちゃんとしてる。
ゴミはきちんと分ける。すごくかんじがいい。
同じインテリとして好感がもてる。

隣に住んでるオーナーは週一回しか帰ってこない。
アパートの内装を全部自分で手がける。3階の空き部屋は、もう3年も改装中だそうだ。
料理の腕はプロ並。たまにいろいろくれる。
骨董美術品の収集家でもある。
そして、ものすごく無口。
同じハードボイルドのにおいがする。

投稿者 hospital : 02:09

2004年11月20日

They might be Giants.

せっかく作ったのだから、どうせまたすぐ飽きてしまうから、なるべく毎日書こうと思った。

早朝5時に目が覚めてしまう。

朝から夕方まで学校。

ハヤシライス作る。具を赤ワインで煮込んだら美味しく出来た。

They might be Giantsのドキュメンタリーみる。素敵だった。以前、they might…好きの先輩のFさんに、是非とも彼らのライヴに行くよう言われたが、まだ果たせてない。NYでは大人気すぎてチケットがとれない。

今日ははやく寝よう。

yujing

投稿者 hospital : 23:18 | コメント (0)

2004年11月19日

凍ったマヨネーズ

なぜか買ったばかりのマヨネーズを冷凍庫の中で発見した。
凍っていた。日本製の高かったやつだ。
溶けたら元に戻るだろうと思ったら、全然そんなことはなかった。
油分とそうでないものとに別れた。しかも液体状だ。
凍ったマヨネーズは元には戻らないことを知った。
こぼれたミルクは元には戻らないし、凍ったマヨネーズも元にはもどらない。
そんなことを知った。
覆水盆に返らず。後悔しない人生を送りたい。

新しい歯磨き粉を買った。シトラス&スパイス味。
パッケージに今年度のBEST TASTE AWARDを受賞とある。
さぞかし美味しい歯磨き粉なんだろうなと胸が躍った。
さて、それで、お味のほうは…。
馬鹿をいっちゃいけねえ。歯磨き粉だ。美味いわけがない。なめんな。
俺がこの歯磨き粉を選んだのには別に理由がある。
成分がオールナチュラルってところだ。
俺は人や地球に優しいものが大好きだ。
洗剤もシャンプーもコンディショナーもリップクリームさえもオールナチュラル製品だ。
近所の自然食品屋で揃えたんだ。
自然食品屋には自然食品屋の臭いがする。
洗剤はとても優しい臭いがする。
シャンプーとコンディショナーはハーブのものすごい臭いがする。大好きだ。

しかし、ボディソープだけは普通の薬局で買った最高にケミカルな一品だ。
水色のゲル状。中に無数の紫や青色の球状の粒がはいっている。もの珍しさからつい買ってしまった。
戯れに、そのボディソープを己の裸体に直接塗ってみると、
まるで自分が何かものすごい生き物になって何かものすごい分泌物を出している錯覚に陥る。
おもしろい。おもしろいが、
はやく使い切って、ナチュラルでオーガニックでハーブバリバリのやつを買いたい。

テレビでCirque du Soleilのショーをみた。かぶりつくようにみた。
2時間のものと1時間のと二つみた。素晴らしかった。感動した。肉体表現は素晴らしい。舞台演出っていかしてる。
先日、ニブロールのパフォーマンスをみてから、どうもフィジカルな芸術表現に魅了され続けている。と、洒落たことをたまには書いてみたりもしたくなる。

たくさん書いた。こんなこと意味があるのだろうかと思った。
しかし、宮本君と植松君の様子が知れて嬉しい。

Yujing in the Sky with Diamond

投稿者 hospital : 22:55 | コメント (0)

2004年11月18日

枯葉の季節

ヘッドフォンでヴァセリンズ聴きながらランドリーで洗濯。大量に。
アパートのゴミを捨てたり、玄関前を掃除したり。
アパートの前にイチョウの木があって、近頃枯葉がたくさん落ちる。
落ち葉をほうきで掃いて集める。風が吹く。枯葉が落ちる。またほうきで掃いて集める。風が吹く。枯葉が落ちる。またほうきで…。そんな午後。今日はそんなに寒くない。

ユージン・ケリー

投稿者 hospital : 09:18 | コメント (0)

2004年11月17日

ありがとう

起きて学校へ行こうとしたら植松君からCD届いてた。
植松君のバンド、A-Cup Funny Dandyismによる自主制作CDだ。
封筒は不自然に閉じてあって、思いっきり税関で中身をみられた様子だった。
聴きながら学校行った。すごく良かった。胸が熱くなった。涙も出そうだった。感動のあまり、途中三回くらい道でこけて二回くらい車にひかれて一回は死んだ。
友達に聴かせたら自分も欲しい欲しいと言っていた。

今日はこのCDをヘッドフォンでずっと聴きっぱなしだ。
本当に本当に素晴らしいと思う。今年聴いた中でいちばんだ。

自分もカタチあるものをつくろうと思った。
植松君ありがとう。生井君もありがとう。

Yujing from New York

投稿者 hospital : 15:23 | コメント (0)

2004年11月05日

太陽の馬鹿野郎

ここ一週間具合が悪い。
今日は朝から頭痛がひどかった。
たぶん太陽のせいだと思う。
ちょうど一週間前くらいにサマータイムが終わり、夏の始めに失われた一時間が帰ってきた。それからどうも太陽の様子がおかしい。どうも俺に意地悪な気がする。
なにせ、ついこないだまで同じ時間にあったはずの太陽が別の位置に大幅に移動してたりする。おかげで時間の感覚が変だ。体がうまく順応できない。
頭にくるのでひとつ太陽の野郎の文句を言ってやろうと思うのだが、日中はいろいろやることがあるのでうまく時間がつくれない。で、夜になってさあ太陽のくそったれのあんぽんたんのケツの穴野郎にきつくお灸をすえてやろうと息巻いてはみるのだが、太陽め、俺を恐れてかどこかに隠れちまってやがる。
太陽の馬鹿野郎。

yujing

投稿者 hospital : 16:49 | コメント (0)